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chk side -
あれはいつだったか…わたす達がうんと幼い頃、
お母さんとお父さんに捨てられてしまったんです。
理由は単純で、kcちゃんが…うちの家族だけkcちゃんだけが能力者─人外だったから。
お母さんもお父さんもどちらも人間で、どうしてkcちゃんが、、
人外として生まれてしまったのか不思議だった。
けど、お母さんとお父さんからしてそれは裏目になったんだろう…。
一緒に過ごせば、kcちゃんはもちろん、お母さんお父さん、
それに下手したらわたすまで、“処刑”されてしまう可能性があったから。
kcちゃんが人外だと知る前は、とても愛して育ててくれたのに、
kcちゃんが人外だと判明してからは毎日のように家出が絶えなかった。
そんなある日、、とうとうわたす達は捨てられてしまった。
お母さん曰く、わたすはkcちゃんと一緒に居たんだから人外の可能性もあるし、
万が一大人になってから思い出して手助けされると困るから…らしい。
確かにその予想通り協力しているし、まだわたすが人外の可能性も…少ないけどあるわけですし。
実際その判断は間違ってなかったんだと思ってます。
けど更に数年、わたす達は人外の方に上手く救われ隠れ生きていたのに、
たまたま出歩いていた日に、お父さんに見つかってしまった。
見つかるだけで何もしないなら、特になかったのに。
お父さんはわたす達を無理やり引き剥がしてkcちゃんだけを捕まえようとした。
理由は分かっているんです、懸賞金目当てです。
kcちゃんは正真正銘人外だから、捕まえたら懸賞金が貰えるんですよね。
それを狙ったんだと思います。
そのせいで、一瞬離れ離れにされてしまったんです。
今のわたすにとっては、よく頑張ったなって本当に思ってます…
それからなぜわたすたちが合流できたのかと言うと…
わたすが、助けに行ったんです。
狩人さんの目を欺いて、侵入して。
正直そのときもそこまで大きなときではなかったので、大変でしたよ。
でもなんとか、なんとかして牢屋のある場所までやってきたんです。
そのとき、わたすが何かを踏んでしまい、ガチャリと物音を立ててしまって…
もう終わったかと思いました。
逃げられない、終わりだ。
そう思って目を閉じると、ふわっと体が軽くなった。
思わず目を開けると目の前にはkcちゃんがいた。
体制的にお姫様抱っこ…されてるっぽくて。
kcちゃんは頑張って、牢屋の柵を壊滅して抜け出したんです。
そうしてわたすを抱っこして、牢屋から出れたんです。
kcちゃんの能力──視点を操る能力で相手の視界を奪って、その隙に人間界を抜け出すという作戦だったんです。
気持ち的には気が気じゃなかったですが、また二人でいれるのはとても嬉しかったんです。
こうして助けられたわたすは、もうkcちゃんを捕まえさせないと誓って、従うことになったんです。
おかげで二人協力しあい、今のところ捕まらずに逃げ切れてたんですけどね……
時が過ぎて今日のお話。
わたす達は、落とし穴付近への見張りで出掛けていました。
最初は特段何事もなく、様子を確認した後戻っていってたんです。
ただその帰る最中にふとした違和感を覚えました…。
“誰かにつけられているかもしれない”と。
ただそう気付いた頃には遅かった。
もう周りには多くの狩人が集まっていた。
もう逃げ場はなく、どう足掻いても解放される道はなかった。
それなのに、kcちゃんは一生懸命こう叫んでくれていた。
「chkは人間よ!せめて解放してあげて…!」
自分が連れて行かれそうだというのに、自分の双子の姉を庇ってくれるなんて。
本当に申し訳なくて、もっと自分が強くなれたら、そう理想を思い浮かべることしかできなかった。
でもそれだけじゃない。
最後に連れて行かれる間際に、こちらを密かに見詰めるmmさんとrimrさんを見つけてしまった。
rimrさんの能力を使えば、いずれ知ることに放っていたとは思いますが、
もう早速知ってしまったなんて正直申し訳なかったです。
きっとこれのおかげで、一部作戦も一旦休止となるでしょうし、、
正直mmさん達に合わせる顔がない、それくらい後悔で滲んでいます。
もう少し早く気付いていれば、わたすは…わたす達は助かったのかもしれないのに。
そう後悔することしかできなかったんです。
全てを話し終えたわたすは、ふぅと一息ついた。
htmnさんは色々頭の整理をしているのか、真剣な顔で何かを考えている。
余計な脳の負担になりましたかね、、
正直心配だった。
「ごめんなさい、無理にわたすが話したせいで…」
htmn「え、いやchkさんのせいなわけないでしょ!」
自信気にそう言ってくれるからhtmnさんへの心配はとにかく、なくなったけど
まだまだ心配な点は大いにあった。
「これからの作戦どうするかとか聞いてますか…?」
htmn「聞いてはいるんですけどね、、chkさんに話すべきではない気がします。」
「そうですか…」
役立てることはないのか、そう少しばかり残念にしゅんとしてしまうけど、
横から優しい温かい馴染みのある手が私の肩にぽんと触れた。
kc「そんな顔しないのよ…chk。
mmさんはきっとあなたを思ってそう言ってくださってるだろうし、何か作戦の思惑があるでしょう。
しかもmmさんならこの場面、わざわざchkや私に手伝いを要請しないと思うわ。
それに、無理には助けに来ないと思う。言い方が悪いかもしれないけど、囮役になってると考えたらいいでしょう。」
kcちゃんはわたすの背中を擦りながらゆっくりと話す。
その手とその声の温もりが、わたすの心を暖かくする。
「そう、だね…kcちゃん」
わたすは深く頷いて、htmnさんを見た。
「htmnさんありがとうございました、話を聞いてくださったり、報告をしに来たりと…。
これからわたす達は牢獄生活にはなりますが、、mmさんによろしくお伝え下さい。」
わたすは律儀に一礼して、牢屋を出ていくhtmnさんを見送った。