コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
chk side -
牢獄生活から約2日くらい…多分経っている。
ずっと牢獄に居っぱなしだから、日付感覚もバグってきてるんですよ…!!
今は夜。
特に防寒・防暑対策がされていないため、ヒューヒューと吹く風が冷たく体に障る。
そのせいもあり、牢獄という微狭な空間もあり、寝るに寝付けない。
他にも理由はあるにはあるけど…。
「ふぁ ~ …」
あくびとともに伸びをしてスタッと立ち上がる。
そのとき、入口の方で人影が見えた。
こんな時間に、、誰?
私はそちらの方へ目を向けて、誰なのか確認する。
え……あれは、rk、さん?
rk「やあ、chkさん。その様子だと中々寝付けない感じですかね?」
私がrkさんだと気付いた頃には、目の前にやってきていた。
なんかこの人、話しにくいんですよね…
私は少し気まずさを覚えつつ、返答する。
「まぁ、そうなんですけど……」
返答するとは言っても、曖昧気味ではあるんですけど。
そうボソッと言うと、rkさんが不思議そうに尋ねてきた。
rk「中々寝付けない…じゃなくて、“寝ない”、“寝たくない”それが理由なのではないんですか?」
「…っ!?」
思わずその言葉に驚きが隠せない。
というのも、わたす達は実は───。
rk「同一人物、でしょ?」
わたすが言うより先に、rkさんが挟んだ。
な、なんでそこまで知って…… !?
mmさん達も知らなさそうだったのに…?
rk「あなた達のご両親から聞いてますよ、それくらい。
ご両親はあなた達に気付いていることを言っていなかったみたいですけどね。」
rkさんは嘲笑うかのように私を見詰める。
そう、さっきrkさんが言った通り。
わたす達は同一人物なんです。
どういうこと?そう思う方が多いと思うから説明するね…。
わたすは元々“人外”こと“能力者”だった。
能力が、人間でないモノを生み出す能力なんだけど…
そもそも何故、元々なのか気になってると思うんだけどね、、
そのわたすの能力、人間でないモノを生み出す能力を幼い頃にわたすが誤作動で使用しちゃって…
それで、人間でないモノ──人外、であるkcちゃんを生み出してしまったの。
それのせいなのか、わたすはその日から能力が使えず、人外でなく、人間になってしまった。
それがkcちゃんの誕生。
双子…とか、姉妹…とか、言っているけど実際のところ、本当は違う判定になる。
そして、同一人物というのは…。
わたすとkcちゃんの精神が同じだということ。
わたすの能力で生み出してしまったから、わたすと繋がっている。
いわゆる、ニコイチ的な存在で、片方が亡くなってしまえば、もう片方も亡くなってしまう、そういう仕組で生まれてしまったのだ。
今までずっとふたりで行動してきた理由の一つでもある。
rkさんがさっき言ってた「“寝ない”、“寝たくない”それが理由なのでは」というのは、
kcちゃんが亡くなってはわたすも亡くなってしまうから、守っていたんだろう、そう言いたいんだと思う。
「はは、そこまで知られていたんですね」
わたすは優しく笑う。
なんて反応したらいいかわかんないじゃないですか…
rk「俺を何者だと思っているんですか?舐められては困ります、笑」
rkさんは自信あり気に微笑んでいる。
人間界、それは厄介なものなんだ、わたすは心の底から改めて理解できた。
でもたかがそんなので挫けるわたす達じゃない。
わたす達にはmmさん達がいるんだから。
rk「なにか自身がありそうじゃないですか、笑」
「当たり前じゃないですか…!」
私はさっきとは違って強気に反応する。
だってそうじゃないと、負けかねない。
「わたす達はわたす達で、理想の世界を築くため生きる意味を誓っているんですから…!」
mmさんの望み、rimrさんの望み、htmnさんの望み、
他の人外さんの望み、kcちゃんやわたすの望み。
全て、人間にはない、この気持ち。
必ず手にしてみせるって、約束しているんだから。
rk「その前に、俺が人外を捕まえて、世界を平和にしてみせますけどね。」
rkさんも負けじと前のめりにくる。
それで世界が平和になるわけないじゃないですか。
わたす、いやmmさん……人外の望みはそうじゃない。
人間と人外が共存し、仲良く平和に暮らしている世界を目指すんだから───!!
これだけの重い責任から逃れるわけがない。
果たしてこそが人外。
果たしてこそが世界平和を手にする者。
きっと行き当たりばったり。
今もなお、狭い牢屋で生きるしかない。
でもわたすやkcちゃんは信じている。
いつか、共に心を安らげ暮らせる日を。
一章.人外の望む世界
〜糸冬〜
NEXT▷二章.START