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第漆話Start
「それでは、これから班ごとに見学を開始する」
先生の声が響く。
私たちは配られた資料を手に、班員同士で顔を見合わせた。
「まずは資料館だな」
博井くんが地図を広げる。
「その後は港の方へ行くんだよね?」
『そう。時間は――』
日葵と予定を確認しながら歩き始める。
ヨコハマの街。
初めて訪れる場所。
……のはずだった。
『……』
私は歩きながら、周囲を見回していた。
古い建物。
石畳。
行き交う人。
遠くから聞こえる船の音。
どれも初めて見るものばかり。
なのに。
『……この道』
ぽつりと呟く。
「どうしたの?」
『ううん』
前を向く。
何もない。
ただの道。
それなのに、足が自然と左へ向かおうとする。
『……こっちじゃないかな?』
「え?」
『資料館なら、こっちの方』
地図を見る。
博井くんが目を丸くした。
「……合ってる」
「え?」
「いや、私たちまだ地図見てないでしょ?」
『……』
自分でも分からなかった。
どうして分かったのだろう。
「偶然じゃない?」
日葵が笑う。
『たぶんね』
私も笑った。
けれど。
胸の奥には、小さな違和感が残った。
資料館を見学している間も、それは続いた。
展示されている古い写真。
無能@活動休止中
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無能@活動休止中
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#呪術廻戦
無能@活動休止中
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街の地図。
昔の港の様子。
その一つ一つに、妙な既視感がある。
「この辺りって、昔はこうなってたんだな」
みんなが興味深そうに写真を見る。
私は隣で写真を眺めていた。
『……』
一枚の写真。
古い港の風景。
その写真を見た瞬間。
頭の奥に、何かが浮かんだ。
――夜。
――海。
――誰かと歩いている。
『……っ』
思わず目を閉じる。
「夜凪?」
日葵の声。
「大丈夫?」
『大丈夫』
目を開ける。
写真は変わらずそこにある。
『ちょっと頭が痛くなっただけ』
「無理しないでね」
『うん』
私は写真から目を逸らした。
今のは何だったのだろう。
夢?
記憶?
それとも、ただの想像?
分からない。
昼前。
私たちは港へ向かっていた。
海が近づくにつれて、潮の匂いが強くなる。
そして。
『……』
まただ。
胸が苦しくなる。
けれど、今回はそれだけではなかった。
――知っている。
この道を。
この角を曲がって。
その先に――
『…』
気付けば私は歩き出していた。
「夜凪?」
『……』
止まれない。
足が勝手に進んでいく。
そして、角を曲がった。
目の前に広がったのは、小さな海沿いの道だった。
『……ここ』
言葉が漏れる。
見たことがない。
来たこともない。
それなのに。
知っている。
「夜凪、どうしたの?」
日葵が追いついてくる。
『……分からない』
私は海を見る。
『ここ、知ってる気がする』
その瞬間。
――ざあっ。
強い風が吹いた。
髪が大きく揺れる。
海面が光を反射する。
一瞬。
月明かりの下に立つ誰かの姿が見えた。
『……!』
瞬きをする。
誰もいない。
『今……』
誰かいた。
そう思った。
けれど、もう何もない。
「どうした?」
『……何でもない』
私は答えた。
ただ。
その時。
背後から視線を感じた。
振り返る。
人混み。
観光客。
学生。
誰もこちらを見ている様子はない。
『……気のせい?』
そう呟いた。
けれど。
少し離れた建物の陰。
そこには確かに――
こちらを見つめる人影があった。
橙色の髪の毛に黒いコートを羽織っている男性。
そして、その人物の手には
一枚の写真が握られていた。
「……」
誰にも聞こえない声が、静かに落ちる。
その人影は、ゆっくりとその場を離れていった。
第漆話終了しました!
これからなにが起こるのか考察してみてください♪
コメント
9件
この既視感……絶対にただの偶然じゃないですよね。初めての場所なのに地図なしで資料館の場所が分かったり、港の写真でフラッシュバックのようなものが起きたり。最後の橙髪の男性、手に写真を持って監視しているのも気になる。前世か過去世か、何か大きな秘密に夜凪が巻き込まれていく予感がして、続きが気になります!