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「ねえ、なんで一緒に帰ろう、って言ってくれたの?」
「え、えっと、。薫さんともっと仲良くなりたかったから。薫さんの1番の味方でいたいんだ。君が苦しくなったりした時に寄り添える拠り所になりたいんだ」
すると、彼女は目を丸くして言った。
「ひ、日向くん。もしかして、気づいてたの?」
「え?」
「わ、私が、その、病気を抱えてるってこと、を、?」
それは、僕がした最悪の未来だった。そんなことないって信じてたけど、本当だったようだ。
「ー一つだね確認させて欲しい。薫さんは、余命宣告、されてる、?」
すると、彼女は静かに話した。
「うん、されてる。そこまでわかってるなら、隠す必要はないね。私がここの高校に転校したのは、病院に近いからなんだ。だからここに転校してきたの。今まで入院ばかりで、ショッピングセンターのこともわからなくて迷っていた時に日向くんを見つけたんだ。だからあの時に声をかけた。」
僕は、一番知りたくないことを聞いた。
「あと、どのくらい、なの、?」
「半年。来年の四月に私は死ぬ。ちょうど桜が見れるか見られないかくらいの時」
「そう、なんだ、。」
現実になってほしくなかった。信じたくなかった。だけど、信じるしかなかった。だって彼女の屋上でのあの顔を見てしまったから。
「また、僕は奪われなきゃいけない、の?」
僕はボソッと呟いた。そして、静かに涙を流した。すると、薫が僕をそっと抱きしめた。
「ーごめんね、日向くん。私は半年でいなくなっちゃうけど、日向くんとの楽しい思い出をたくさん、作りたいんだ。死ぬ瞬間に、後悔しないために」
「僕なんか、何も、できないよ。妹にさえ、何も、できなかったんだから、。」
「妹?」
「うん。僕にね、妹がいたんだ。だけど、心臓の病気で死んじゃった。その時僕は、そばにいることしか、できなくて。ずっと手を握って願うことしかできなかった、、親は雪のために色々していたのに、僕は、何も、!だからきっと今回だって、僕はただ横にいるだけ、なんだ、!」
「それでもいいんだよ。だって私は、日向くんが横にいてくれるだけで嬉しいから。昨日ショッピングセンターで一緒に回った時も、屋上でご飯を食べた時も、今だって、私の隣には日向くんがいた。今まで私のそばには誰もいなかった。だから、すごく嬉しいんだ。私を想ってくれる人がいるんだって。だから私は、日向くんがそばにいてくれるだけで、楽になれるし、楽しくなれるんだ!」
そう言って彼女は笑った。こんな時でさえ、彼女は笑っていた。
「僕じゃ何もできないかもよ?」
「それでもいいってば!だけど、私は日向くんにそばにいて欲しいの。亡くなる瞬間まで隣にいてほしいんだ、!一番信頼していて、友達の日向くんに、!」
ーそう、か。僕が薫さんの力になれるなら。
「わかった。僕は、とことん君に付き合うよ、薫さん。君が死ぬ瞬間まで隣にいるよ」
そう言って彼女は笑った。
ーこの笑顔を見ていられるのは半年。この半年を、かけがえのないものにしよう。薫さんが後悔なくあの世へ行けるように!
コメント
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えっと…第5話、読み終わりました。日向くんが「僕はまた奪われなきゃいけないの?」って呟くシーン、胸がぎゅっとなりました。妹さんを亡くした過去があるからこそ、余命宣告された薫さんにどう向き合えばいいかわからなくて、でも「最後まで隣にいる」と誓う。その決意が痛いくらいに伝わってきました。薫さんの「そばにいてくれるだけで嬉しい」っていう台詞も、すごく優しくて…この半年、どうか二人にとってかけがえのない時間になりますように。shizukuさんの描く距離感、すごく好きです。