病院下のカフェテリアにて。
フィルア・スクラト帝国とハニージャットサークス共和国が来るのを待っている6国達。
皆の雰囲気はお通夜のように、暗く、重かった。
ハラン「なぜ…なぜ記憶喪失なんて…」
クロウ「遠距離の方に目を向けていたんです、ウル。」
ジョア「ッそれで後ろのやつに気付けなかったのか!!…くそっ…私が気付けていれば…ッ!」
リル「ジョア、病院です。静かに。…それはここにいる全員が思っています。」
イフル「…俺が…庇えてれば…近くにいたのに…!」
ハート「…それは私もっす…。また守られたっす…なんで…⁈私も軍人なのに…!!」
血が溜まってしまう程強く握った手。
後悔と、未熟な自分への怒り。そして悲しみ。
何も喋らなかった。いや、喋れなかった。
「…静かじゃの。わしの心配は外れたようじゃ。」
「皆さんそんな血気盛な方々じゃないって言ったじゃないですか…」
「…そうか。」
いつのまにか、後ろの方で聞こえるバリトンとソプラノ。
聞いた国を落ち着けるような声と、明るく可愛らしい正反対な声だった。
ハート「フィアさん、ハニー…」
ハラン「あれ、?ハニーさんって旧国の世界に居るんじゃ…」
ハニー「フィアに連れてきてもらったんです。…僕の命の恩人が記憶喪失なんて、緊急事態ですから。」
クロウ「あぁ…独立を助けたんでしたよね、ウルが。昔、手紙に書いてありました。」
イフル「そんな関係だったのか…⁈フィアさんとウルがその関係なのは聞いたが…」
フィア「ははは…笑そんな昔のこと、覚えておったか笑。若いのは記憶力が良くてええの。」
…明るかったフィルアの雰囲気が変わる。
重く、悲しげな、そんな雰囲気。
フィア「それで…今のウルの状態を教えてもらえるか?」
ハニー「…僕も、知りたいです。」
6国『…』
重たい口をゆっくりと開く。
「ウル、は…」
フィア「………」
重い重い沈黙。
そこだけ重力が違うんじゃないかと思うほどの。
ハニー「シェディア・ウルフアイ、征服軍…」
フィア「…なるほど。よりによってそこまで消えたか。」
顔に手を当てて考え込んでいたフィルアがポツリと呟く。
フィア「ウルが昔、そんな名前の軍だったのは知っていたのじゃ。彼自身から聞いた。」
ハート「じゃ、じゃあ何か記憶のヒントになるようなこと…!」
フィア「…すまんが、その点では力になれん。」
数秒の沈黙。口を開いたのは狼の友人だった。
リル「な、何故ですか⁈フィアさんは昔のウルを知っていると…!」
フィア「…わしが独立を手伝ってやった時の口調ではなかったんじゃ。君らから聞いた話の中でな。」
フィア「…おそらくじゃが…いや、これだけを話しても分からんな…。」
フィア「…わしとウルの昔の話をせんといけんな。この推測を話すには。」
6国『…?』
フィア「昔話と思って聞いておくれ。…長い話になる。みんな座るとええ。」
ハニー「…僕の独立も絡んできますね。一緒に話しちゃいましょうか。」
フィア「ほれほれ早よ座れ。…悲しい話にはならんと思うからな。」
フィルアという国が話すのは、
数百年前。
寒い寒い場所に突如現れた、
真っ赤な軍人の話。
コメント
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や、あ、ひ…ふゥゥゥ⤴︎⤴︎⤴︎⤴︎☆☆☆☆(( やだぁ~リルが何かイケメ ~ン() 昔話かあ…めッッッッちゃくちゃ楽しみ☆←は? そー言えばうちの野郎共のしっかりした過去編とか作らなきゃ…
相変わらず物語書くの上手いなぁ…フィア君のなんか落ち着く感じ好きやわぁ…昔話楽しみ()
よーし!FAが描きたい!でも気力もない!下手くそ!色塗れない!終わった!