昔々。
国によっては文学が発達すらしていない頃。
とある大きな国があった。
名前はあったが、全ての書物から消されて、無かったものとされていた。
その理由は、
その国が強大すぎるため。
アメリカよりも、ナチスよりも、ソビエトよりも。
どんな国を挙げても、その国には比べ物にならないほどに。
そんな国に、当時最強と呼ばれた軍の化身がいた。
いや、もうそれどころではないな。
戦いを具現化したら、きっとこんな風になるだろうと誰もが思うような何かが。
全ての戦に勝利し、祖国に全てを捧げる。それが軍のモットーだった。
とある年に、その化身が率いる軍が戦争を起こした。
祖国に命じられた。その誇りを持ち軍は進んだ。
だが、数年後。軍人達が知らぬ間に、
停戦協定が結ばれた。その連絡は軍の誰にも知らされなかった。
祖国は責任を放棄したのだ。
軍人達はそれを知らず、殺し続け、戦い続けた。
彼らは戦争犯罪者になっていた。自覚もなく。
軍を率いていた化身は涙を流した。
「私たちは裏切られたのか。」
化身は真っ赤になった軍服が真っ青になるまで泣いた。
こうなった以上、逃げるしかない。部下を殺されてたまるものか。
化身とその部下は逃げ続けた。
その内に島を見つけ、そこを安全な場所にしようと開拓を進めた。
「私が国として認められれば、祖国様も手を出せないのでは?」
化身はその島を大きくし、国として認めさせようとした。
だが独立するにはどうすべきか。
フィア「…その独立を手伝ったのがわしというわけじゃ。元より、あの島は気になっておったからな。」
フィルアはその島を国として機能する最低限のことを教えていった。
気づけば部下達は家族を持ち、本当の幸せを知っていた。
「…フィルア。国旗を変えたい。どうすればいい。」
真っ赤な軍旗はもう必要ない。
なら、涙を想わす青に、今まで皆を率いてくれた化身への尊敬と誇りを込めて、
気高い狼の牙を入れようと。
フィア「…そして生まれたのが、今のクラスト・ウルフノイアという国じゃ。」
ハニー「…僕はウルさんが周りの国と仲良くする練習で、フィアさんに会わせてもらったんです。」
「無理だ!!!平和ボケした国と接するなんて!!壊してしまいそうで恐ろしい!!」
片耳につけたピアスはまだ外せなかった頃。
新たな国は周りの距離感に恐怖を覚えていた。
フィア「わしが世話していた国じゃったからな。この子と仲良くしろと圧をかけたものじゃ…笑」
ハニー「最初の頃はビクビクしてたんですよ、ウルさん笑…怖いって言って笑」
フィア「…今のウルはおそらくじゃがな、わしやハニーが出会う前…軍として祖国様とやらに全てを捧げていた頃のウルじゃ。」
ハニー「僕達が知っている姿より…数百年前の姿です。」
フィア「あやつが軍の化身だった時の仲間や友人は…おそらく皆死んでいる。」
ハニー「僕らでウルさんだった頃の記憶を思い出させるしかありません。」
フィア「…いまのウルは、シェディアと呼ぶべきかの。」
コメント
66件
すごい、すごい、凄すぎる←凄いしかいえなくなった()ビクビクしてるウル君……見てみたい()
グフッハゥアァ"ッッン"ン"ッッッッ((きめぇ呻き声 はぁ…はァッ…し、しむ…苦し…悲しみ…←妖はじ⁉︎ やだぁ…シルディキュンぎゅうしたい…いや、ぎゅうさせて⁇(( ハスル)…祖国の為に全て捧げる…か、 ルジェ)お前は陛下にだろ、クソキメェ… ハスル)は? ルジェ)はァ⁇ ホラム)(め、面倒臭いこの二国…)
やっぱり記憶喪失って怖いね