ザシュッ…と聞こえる引っ掻きの音
そう…
白虎が僕を襲ったのである
腕に掠り傷が少々できただけだ…
ホントは、大量に出血してるけどね
無痛病って訳じゃないけど、
虎の声を聞き、院内は大騒ぎ
気付かれる前に出ていこう…そう思い
僕は…
またいつか と…ポツリ呟いた
−−−−−−−−−−−
親友が死に…もう、1年
アイラ…君を殺して……僕はいま、どんな心情だと思う?
僕でも、わかんないよ
……パンッ…ト手を合わせる音を鳴らし
目を瞑る
そしたら、頭に
___君のせいでしんだ…、なんで…私を殺したの?…しんゆうでは、なかったの?__
……、何時まで…偽り続ける?……
本当の、時雨を、見せないの?
………僕は紲苗
なんで、アイラじゃなくて、
セツナって名乗っているか分かる?
刹那…
それは、短い時間という意味…
ほんの数年…自分は偽る
だけど…僕の理解者が現れれば……偽らない、
よく、澁澤君に言われたよ
「予想の付かない者は大抵…下らないそして、共に居ても退屈だ」
と、ただ…澁澤君が思うに
「君は、好奇心が旺盛だからな…鼠には気を付けろ、私にも…そうそう…予想が付かない」
鼠…
そう…お墓の前に、いると…一匹の鼠が
声を鳴らし、走っていった
「鼠…か……」
僕は、背後に気配を感じ
偽りを解いた
そう…彼だ、
「…君に何度か、言っていたな……その鼠とは…」
フョードルドストエフスキー…というロシア人だ
「……久しぶりだね、澁澤君」
「嗚呼…突然姿を消しすまなかった」
「うんん…大丈夫」
「それにしても…包帯だらけだな……私が、あの日出会った人物に良く似ている」
「出会い人…?」
「…君にも何時か解ると思うがな……まぁ、今は気にしなくても良い」
そう…
澁澤君は呟き
僕に、もう帰ろう…、日が暮れる
と言い…僕の手を引いた
冷たくて…冷めていた、彼の手は
僕にとって、少し暖かく感じた
……
…またね、アイラ
あと1、2話程で過去編終わりです
過去編短くてすいませんね、
太宰との出会いまで書きます
またね!
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