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参加型企画
〜第2話〜
注意
・固定夢主あり
・キャラや口調が解釈不一あります
・基本的に夢小説なので気をつけていますが、キャラ崩壊があるかもしれません
・この小説に出てくる国や地名、団体名は実際に存在するものとは一切関係ありません
しばらくして時計の針が1時をさした頃、
菊と優しそうな女性が再び戻ってきた。
『この方がオーナーですよ。』
『初めまして、私がこのハウスのオーナーをやっています。』
オーナーの女性は優しく笑い、エディとクララの前に紙を差し出した。
『入居の手続きですよね、菊さんから話は聞いていますよ。』
『なら話は早いのだ! 早速手続きをするんだぞ!』
クララはやや興奮気味に身を乗り出し、目をキラキラさせている。
『…では、私は用が済んだので戻りますね。』
『あ、菊さん、なにかとありがとうございました。その、 おかげで助かりました。』
『えぇ、このくらい造作もないですよ、それでは。』
菊は恭しく一礼し、その場を後にした。
『それじゃあ、書類の手続きをパパッとやっちゃいましょ!』
オーナーは軽く拳を上にあげ、笑って見せた。
数時間後…
『後はスマホの電話番号を書いてもらえればおしまいよ。』
『うへぇ…疲れたのだ…』
『やっと終わった…』
エディとクララはソファに身体を預け、一つ伸びをした。
『ふふっお疲れ様!』
『これでぜーんぶ書類関係は書き終わったから、今から二人の部屋を案内するわね。』
『やっとなのだー!!』
クララは息を吹き返したように勢いよく前のめりになって喜んでいる。
『やっぱり新しい部屋は楽しみよねっ』
『えっーと、クララさんは2階の202号室、エディワルドさんは3階の303号室ね』
オーナーはハウスの全体図を広げながら指差し確認してくれている。
ここのハウスは5階建てで、 部屋は1階につき10個ほどあり、外から見てもわかるが、相当大きなハウスのようだ。
『鍵を渡しておくわね。荷物はそれぞれの部屋の中に置いてあるから、好きなタイミングで荷解きしちゃってちょうだい!』
『ありがとうございます。』
『ありがとうなのだ!』
『あと、お隣の部屋の人にも挨拶は忘れないようにね?』
『はいっ、色々とありがとうございました。』
エディとクララはオーナーに軽く一礼し、それぞれの部屋へと向かった。
『ルマさんはこの後どうするんですか?』
上の階へ向かうエレベーターに乗りながら質問した。
『んー、まだ2時半くらいだから挨拶しちゃおうと思ってるのだ!』
『あら、それはいいですね。』
『エディはどうするんだ?』
『私は荷解きを先にやってしまおうかと思っています。』
『挨拶は…明日の午前中にでもしましょうかね。』
『それは良いアイデアなのだ!』
ポーン。とチャイムが鳴り、エレベーターの扉が開いた。
クララの部屋の階についたようだ。
『じゃ!我の部屋はこの階だから先に行ってるのだ!』
『はい、気をつけてくださいね。』
『バイバイなのだー!』
エディは軽くてをふり、クララを見送った。
【エディの黙考】
ポーン。とまたチャイムが鳴る。
扉は閉まり、上の階へと上っていく。
3回目のチャイムが鳴り、今度はエディの部屋がある階についたようだ。
『おぉ…』
エディは思わず感激の声をもらした。
上品なカーペットにオシャレなランタンまでついている。
ここのハウスは廊下にまでこだわっているのか、と謎の感想を抱き、303号室にむかった。
ガチャリ。と焦げ茶色のドアが開き、ダンボールの山が視界を遮る。
エディはダンボールの山をよけながら部屋の中心に来て、ぐるりと部屋を見渡した。
フローリングの床に大きな窓、別々のトイレとお風呂、脱衣所や洗面所までついている。
キッチンは清潔で広いし、エアコンも完備されていて、この部屋は一人で住むには充分すぎる広さだ。
さっそく荷解きをしてしまおうとダンボールの山にとりかかる。
…だいぶ時間が経って、ダンボールの山が平地になった頃、
壁にかけてある時計が夕飯の時間をさした。
『……あれ、もうお夕飯の時間ですか』
そういえば、今晩オーナーが新入居者さん達の歓迎会をホールで行うとか言っていたな、と思い出し、重い腰をあげた。
幸い、ホールの場所はオーナーに事前に教えてもらっているので迷うことはない。
『……でも、ちょっとくらいオシェレしていった方がいいかな…』
部屋の隅に置いてある姿見に目が留まった。
紅茶色の長髪が雑に1本に縛り上げられている。これじゃあせっかくの髪が台無しだ。
今からでも、と思い、ヘアアイロンで軽く巻き、高い位置でポニーテールにした。
前髪も少し流し、ポニーテールに細いリボンをつけたら完成だ。
オーナーは、歓迎会には特に何もいらないと言っていたので、スマホと財布だけを手さげカバンに入れ、ドアを閉めた。
ホールはどうやら、エディ達の住んでいる建物とは別のところにあるらしい。
バラ園を東に抜け、何回か左右に曲がり、正面に見える結婚式場みたいなところがホールだ。
『結構近いのですね…』
やはり、相も変わらずホールも綺麗だ。
『おーい!エディっ!!』
後ろから元気な声がし、振り返ると走ってきたのか、軽く肩で息をするクララがいた。
クララは特に変わっていなく、少し気合いを入れすぎたか、と恥ずかしくなったが
髪飾りが変わっていた、ということは後で本人から直接言われた。
ホールの中に入ると既に、美味しそうな食事や、高そうなワイン、瓶に入ったジュースなどが中央の長机に並べられていた。
『わっー!凄いのだっ!』
幼げにぴょんぴょん喜ぶクララは中央の長机と一目散に走っていった。
『あぁっ、』
出だしが遅れたエディは、既に人混みに消えたクララをボーっと眺めることしかできなかった。
しばらくキョロキョロしていたら、
ふと、琥珀色のワインが入ったグラスを目の前に差し出された。
『…えっ、あ、ありがとうございます、』
突然の事だったので少し困惑し、恐る恐る受け取ったが、ワインの差出人が見当たらない。
『おーいっ、ここっ、ここっ!』
声は下の方から聞こえた。
ゆっくり視線を下に移すと、ちょうどクララと同じぐらいの小さな男の子が背伸びをして自分を主張していた。
『ほらっ、ブルガリア、場は作ってあげたんだからしっかりして!』
『ちょ、あんま押すんじゃないんだわっ!、』
小さな男の子の他にその後ろから170cmくらいの男性二人がコソコソと話し合っている。
一人は真っ赤なコート?を来て、もう一人は黒髪の誠実そうな男性だ。
『あの、なにか御用でしょうか……』
エディは意図がわからなかったのでおずおず尋ねた。
『早く自己紹介するのなっ!』
小さな男の子はむくれた様子で黒髪の男性を叱った。
『わ、わかったから…!、』
『あ、えっと…俺はブルガリア、その…君の名前を教えてほしいんだわ…』
後ろの二人がおーっと小さく拍手をする。二人ともなんだか満足げだ。
一方、黒髪の男性…ブルガリアと名乗る青年は、緊張しているのか、 口を固く結び、耳まで真っ赤だ。
『えっと…私はエーデル公国です。どうぞエディって呼んでください。』
ホールの冷房が効きすぎなせいか、ワインの酔いで頭がまわっていないのかはわからないが、エディはやけに冷静に答えることができた。
『エディ…いい名前なんだわ。』
ブルガリアは視線を泳がせ、小さな声で呟いた。
『ありがとうございます…あの、あの方達は…?』
『えっと、赤いコートを来てるのがルーマニアで、エディにワインを渡したのがモルドバって言うんだわ。』
『なるほど、ルーマニアさんとモルドバさんですね、!』
『もーっ、オイラたちの話はいいから、あとは二人で楽しむといいんだよーっ』
『ねっお兄ちゃん、あっちにお菓子があるのな!早くいくのなっ!』
ルーマニアはモルドバに袖をひかれながら中央へとむかっていった。
その際にルーマニアはブルガリアにウィンクをしたが、エディは気づかないふりをした。
当のブルガリアは真っ赤になってワナワナと震えていた。
〜第2話fin〜
今回も全員夢主ちゃん出せてませんっ!
今回はエディちゃんがメインになってしまったけど、次の次くらいで全員出せるように頑張ります!
ここまで見てくれてありがとうございます!