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俺 を 置 い て い か な い で 欲 し か っ た 。

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俺 を 置 い て い か な い で 欲 し か っ た 。

1 - 伝 え た い の は “ あ り が と う ” と “ ご め ん ” 。

♥

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2022年12月27日

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a t t e n t i o n


黒 愛 さ れ

b o y s l o v e

死 ネ タ

f i c t i o n





桜の絨毯の上を歩いていく。

もう何回この場所に来ただろうか。


🖤「 ...今年も来たで。 」


そう言い目の前の墳墓に5色の花を手向ける。


赤色の二角草。

水色の勿忘草。

白色の蘭草。

桃色の和蘭石竹。

青色の薔薇。


それは彼らをイメージして選んだ。


…彼奴らには届いただろうか。

…俺からのメッセージに気づいてくれるだろうか。


そんな淡い期待が胸の中で広がっていた。

...だけど、気づいてくれるわけない。

彼奴らにはもう届かない。


我儘だらけのメッセージ。

一方通行のラブレター。


ふと、頬に冷たいものが触れる。

嗚呼、雨が降ってきたのか。

そう思っても空は晴れていて。

少ししてやっと気づいた。

自分が泣いていることに。


🖤「 ..あれ、なんで泣いとるんやろ 」


ははっと乾いた笑いを零す。

理由なんてとっくに分かりきっているはずなのに。

認めたくなくて。無理に意地を張った。


🖤「 ...だっさ 」


3年前までは楽しかった。

どれだけ辛いことがあっても“ 6人 ”で乗り越えてきたから。

...だけど、もう彼奴らは居ない。


交通事故だった。

久しぶりにどこかへ出掛けようとしたところ。

旅行先で一人の男の子が道路へ飛び出し、それを俺が止めようとしたところ

危険だと察した彼氏達が俺と男の子を庇った。


あの時、俺が彼奴らを守っていたら。

こんな事にはならなかった。


そう後悔した。何度も何度も。

..でも、何も変わらなかった。

何ひとつとして変わらなかった。

...何も帰っては来なかった。


…なぁ、そろそろええんやない?

『 実はドッキリでした~っ !! 』

って言って笑いながらひょこっと出てきてや。


これも全部全部俺の欲望。

彼奴らは優しいから俺の自分勝手な我儘だっていつも聞いてくれた。


..なら、どうしてこの願いだけは叶えてくれへんの?


🖤「 はぁ..、 」


身勝手な自分に嫌気がさす。

彼奴らの事になると我儘しか思い付かなくなる。


時々、思うことがある。

もう二度と触れることの出来ない彼奴ら。

いつも俺の事を愛してくれて優しくしてくれた彼奴ら。

でも、どれだけ俺が愛を叫んだとしても

どれだけ触れようとしても

どれだけ彼奴らが夢に出てきたとしても

どれだけ彼奴らの笑顔を匂いを声を思い出しても

結局残るのは俺一人。


🖤「 ..なぁ、もうええよな? 」


返事が返ってくる筈のない独り言。

__の筈だった。


💙『 いいわけないやんっ! ! 』

💗『勝手に此方来たら怒るからねっ! 』

🖤「 ...はっ? 」


思わず気の抜けた声を出してしまった。

仕方が無いだろう。だって、

ずっと聞きたかった声が

ずっと逢いたかった人が

一瞬にして俺の目の前に現れたから。


🤍『 ..逢いたかったで。悠くん。 』


にこっと笑う彼。

その笑顔は昔と変わらなくて。


♡『 アニキっ! ! 久しぶり~っ! ! 』


元気よく笑う彼。

昔から聞いてきた大好きな声で。


❤『 ...久しぶり。 』


そう言った彼。

彼の目には涙が溜まっていて。


🖤『 っ...、 』


彼らを見た瞬間。

俺はぽろぽろと涙を流した。

..ふと、頬に触れる白く綺麗な手。


💙『 ...悠佑。 』

🖤『 ッッ.. 、 』


久しぶりに名前を呼ばれたせいか更に涙が溢れた。


💙『 「自分のせいで」は禁止な 』

🖤「 ぇッ...、? 」


想像もしていなかったことを言われ固まってしまった。


💗『 アニキはいつも自分のこと責めすぎっ! 』

🤍『 せやで。そこが悠くんの唯一悪いところやなぁ~.. 』

♡『 アニキは人のこと責められないもんねっ! ! 』


まろの言葉に補足をかけるように言う彼ら。


❤『 はぁ..、もっと早く会いたかった。 』


そう言って抱きついてきたりうら。


🖤「 え、、? 」


久しぶりに触れた彼は本当にこの世の人間のようだった。


❤『 へへっ、驚いたでしょ 』


にこっと笑って言うりうらの言葉を上手く理解できなかった。


💙『 あ、やべ。もう時間だっ 』

💗『 え、もう? 』

💙『 おん 』

🖤「 ちょ、二人ともっ 」


俺は震えた声で言った。


🖤「 なんで、透けてるんっ、? 」

💙『 ん、あー..俺達も一応は“ 幽霊 ”やからさ

期限とかがあるんよね~... 』


..やはり、条件付き。

でも、それでも彼らに会えた。

それだけで、...幸せや。


💗『 あっ! そうそう、はい。これあげる! ! 』


そう言って俺の左手を掴み、薬指に指輪を填めた。


🖤「 ぇっ、これって... 」

💙『 ふふっ、..悠佑 』


💛『 俺達と結婚してください。 』


ぽろぽろと溢れる涙は今は嬉し涙。


🖤「 結婚したいに決まっとるやん。ばかっ.. 」

💛『 ..愛してるよ。悠佑。 』

🖤「 俺だって愛しとーよっ 」


そう言ったら、少し驚いたような顔をした彼氏達。

少し経って幸せそうな笑顔で消えていった。


__もう悲しいとは思わなかった。



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