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「ふぁ~。むにゃむにゃ。あと5分……。あれ? ここどこ?」


僕の名前は村田 歩(ムラタ アユム)。朝日にあと5分と言ってまた寝ようと思ったら周りの様子がおかしいことに気が付く。


「ママ~、変な人がいるよ~」


「あんな人になっちゃダメよ」


「……へ?」


石造りの道路の上で寝ていた僕。周りの建物も石造りの家々。コンクリートやアスファルトは確認できない。

周りの人達は明らかに現代人じゃない。僕を見て見なかったことにしているのは現代人と同じだけど……。っておかしな人じゃないですよ僕!


「どどど、どうなってるんだ!」


僕は飛び起きて状況を確認する。

装備、パジャマだけ……。確認終了……終わった。


「ははは……これが異世界転移ってやつですか? 神様ってホント酷い……。僕が何をしたっていうんだ」


状況確認と装備確認が終わり路地で丸くなってふてくされる。

一文無しで異世界に捨てられるなんておかしいだろ。どうしろっていうんだ。


「異世界物の小説ならステータスとかでるよな。……ステータスステータスステータス! 出た!?」

ーーーーーー


ステータス


ムラタ アユム


職業 無職


レベル1


HP 10

MP 10

STR 10

DEF 10

DEX 10

AGI 10

INT 9

MND 9


スキル


【村】


ーーーーーー


「村?」


ステータスというと半透明な板が宙に生まれる。ゲームなんかで見たことのある数字や文字が並んでる。

ステータスは平凡なものだ。だけど、スキルが訳の分からないものになってる。


「村ってなんだよ。え? 開村?」


訳が分からなさ過ぎて半透明の板に触れる。すると開村しますかという選択肢が現れる。訳が分からないが開村に触れてみる。

触れた瞬間、別の半透明な板、ウィンドウが現れる。


「……村を経営するのか?」


まるで村を上空から見下ろすような画像が見える。村人の数は3人と表示されてるな。

って! これじゃゲームじゃないか!


「こんなことしている場合じゃない! 早く何とかしないと」


そんな画面を見ているよりもこの町で何かできることを探さないとダメだ。お金! まずはお金を得るために何かしないと!


「ダメだね。うちでは雇えないよ」


「そ、そんな……」


白いパジャマを着た20歳を雇ってくれる人は誰もいない世界……。

日本ならば哀れと思って雇ってくれるかもしれないが、ここは中世ヨーロッパくらいの時代背景の世界だ。無理に決まっている。

10件の店を回って断られてしまった。太陽は普通に存在してる。真上を通って煌々と輝いている。


「昨日は普通に寝床についた。行方不明者に僕の名前が連なるんだろうな……」


神隠し……まさか自分がそれにあうとはな~。

元の路地に戻ってきて膝を抱き寄せる。悲しいけど、これって現実なのよね……。僕はここで死ぬんだ。


「はぁ~……」


涙が出るのはいつ以来だろう。会社に入って辛さを別のもので解消して我慢して暮らしてきた。

それ以上に我慢が必要なことになるとは思わなかった。


「……いや違うよな。ここは日本じゃないんだ。この世界に適応して自由に暮らす! スローライフだ! 土地を買えるまで頑張って暮らすんだ!」


こんな世界に来てしまったんだ! 何をやってもいいはず! 神が僕をここに送ったならば適応してやる。生き残ってやるぞ!


『村人が10人になりました。税金を得ることが出来ます』


「ん? なんだこの声?」


諦めが頂点まで行ってできもしないことを口走っていると変な声が聞こえてきた。


「あ! 村スキルのやつか。税金って」


村のウィンドウは出しっぱなしだった。少し見ていない間に村の建物が増えていた。

藁ぶき屋根が一つだったのが二つになってる。村人の人数が10人で、一人【10ラリ】の税金が入るみたいだ。


「ラリがこの世界の通貨か? 実際に現実に出せるのかな?」


僕は首を傾げながら路地から顔を出す。屋台の看板を見ると【10ラリ】と値札が書かれているのがわかる。

不思議と日本語で書かれているように見える。翻訳されているのかいないのかわからないな。


「とりあえずこの世界と村の通貨は一緒みたいだな。しかし、出せなかったらゲームと一緒だぞ……。って出せるわけないか」


ウィンドウに触れてみるが何も選択肢は出てこない。スキルからお金を出すことはできないみたいだな。


「はぁ~、振り出しか。ん? なんか起きた?」


村の様子が変わる。赤い空になり村人が怯え始める。

けたたましい声が聞こえてくる。まるで化け物でも出てくるかのような様相だ。


『赤い夜がやってきました。防衛者を雇ってください。【赤い騎士ジャネット 100ラリ】【青い剣士ジャン 100ラリ】』


「……全財産じゃねえか!」


思わず突っ込んでしまった。なるほどな、これはチュートリアルってやつだ。

ゲームでよくあるんだよな。必要な額を与えて使わせるんだ。

そして、ゲームの詳細が分かったところで改めてゲームがスタートする。

つまりはどっちでもいいってわけだな。


「赤い騎士は女性か。青い剣士は少年? もしかして姉弟か? まあ、どっちでも大丈夫だろう。やっぱり女性だよな」


何も考えずに赤い騎士を選ぶ。すると村の中央に赤い槍と鎧に身を包んだ赤い髪の女性が現れる。

村人が建物の中に入ると緑色の魔物が現れる。ゴブリンってやつか?

通貨が一緒だったところを見るとこいつもこの世界にいるのかな。怖すぎだろ。


『はぁ!』


「おお! 凄い。槍から圧みたいなのが出て倒してる」


ジャネットがゴブリン達を蹴散らしていく。戦乙女といった様相でカッコいいな。


『赤い夜に勝利しました。報酬が得られます』


「報酬?」


10匹のゴブリンを倒すとジャネットが消えて声が聞こえてくる。

この声はジャネットに似てるな。もしかしてそうなのかも?

「【1000ラリ】と【村人の服】……。完全にチュートリアルだな」


金と服、ゲームとかで最初に勇者がもらうようなものだ。今から魔王を倒しに行こうとしているのにそんな装備を……。って感じのものだよな。


「って僕の場合は現実に持って来れないけどね」


不満で独り言を呟きながら報酬を受け取る。すると嬉しい誤算が。


「ええ!?」


目の前に硬貨の入った革袋と簡素な服が現われる。どうやら、【赤い夜】に勝てば現実で得られるみたいだ。

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