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都道府県ヒューマンズの短編集です…!!!
リクエスト待ってます!!!!
完全に気分で書きます!!!!!!
僕は北海道。
都道府県ヒューマンズの中で一番背が高い。
朝、目を覚ますと天井がやけに低く感じるのは、そのせいだと思っている。
実際には天井は昨日と同じ高さだし、世界が縮んだわけでもない。
ただ、僕がでかいだけ。
「……また雪か」
カーテンを少し開けると、白。
昨日も白。
一昨日も白。
毎年のこととはいえ、正直うんざりする。
嫌いだ。
大雪。
誰に向けるでもなくため息をついて、僕はゆっくり立ち上がる。
床が軋む音がした。
別に壊したわけじゃない。いつものことだ。
午前中は雪かき。
スコップを持つと、自然と力が入る。
力仕事は嫌いじゃない。
ただ、終わりが見えない作業は、さすがに気が滅入る。
「北海道くーん」
振り返ると、東京がいた。
小柄で、少し猫背。
目の下にはうっすら影。
たぶん徹夜明け。
「君、顔色悪いね」
「昨日は九日目でした」
「何が?」
「徹夜」
さらっと言うのが怖い。
「ちゃんと寝ないとだめだよ」
「それができたら苦労しません」
東京は苦笑いして、僕の持っているスコップを見上げた。
「相変わらず大きいですね……」
「都道府県で一番だから」
「知ってます」
東京はそう言って、ふっと笑った。
しばらくして、大阪も来た。
「うっわ、寒っ!」
マフラーぐるぐる、声だけは元気。
「北海道、こんなとこよう住めるな」
「慣れ」
「慣れで済ませたらあかんやろ」
大阪は東京の横にぴったり寄る。
距離が近い。いつも。
東京は最初こそ文句を言うけど、最後には諦めた顔になる。
あれはたぶん、仲がいい証拠だ。
「なあ東京、あとでたこ焼き行こ」
「仕事終わったら」
「絶対終わらんやつやん」
軽口を叩き合う二人を横目に、僕は雪を放り投げる。
……平和だ。
昼前になると、宮城と広島が来た。
宮城は相変わらず眠そうで、広島は落ち着いた顔。
「おはよ……」
「おはよう、宮城」
「……雪、多くね」
「毎年ね」
宮城は顔をしかめた。
地震のことがあるから、足元が不安定なのは苦手らしい。
広島がそっと宮城の肩に手を置く。
「無理せんでええよ」
「……ん」
その距離感に、僕は何も言わない。
言わなくても、だいたいわかる。
午後。
全員で室内に避難。
暖房の効いた部屋で、僕はラーメンを作った。
札幌ラーメン。味噌。
「うま……」
福岡が感動した顔をする。
「やっぱ北海道のラーメンは別格やな」
「そう?」
「そう!」
愛知も頷く。
「認める。これは強い」
「台湾ラーメンとは別方向の強さだな」
「車の運転と同じ理論やめて」
福岡がすぐ突っ込む。
「愛知の運転は命の危険あるけど、これは命が助かる」
「お前、あとで覚えとけ」
口ではそう言いつつ、愛知はどこか楽しそうだった。
食後。
みんな思い思いにくつろぐ。
大阪は東京にちょっかいをかけ、
東京は文句を言いながらも離れない。
福岡は愛知の隣に座り、やたら距離が近い。
愛知は最初ツンとしているけど、結局何も言わない。
宮城は広島の隣で、うとうとしている。
広島はその様子を見て、静かに微笑む。
僕はその全体を、少し離れたところから眺めていた。
「北海道」
東京が呼ぶ。
「なに?」
「いつも、こうやって見てますよね」
「うん」
「楽しいですか?」
「……楽しいよ」
本当だ。
騒がしくて、面倒で、たまに喧嘩して。
でも、誰も誰かを本気で嫌ったりしない。
悪口を言う人もいない。
暗いだけの空気もない。
それが、僕には居心地がいい。
夜。
外はまた雪。
「また降ってるなぁ」
「北海道、イラついてる?」
福岡が聞く。
「少しだけ」
「珍しい」
「毎年だから」
そう答えると、みんな笑った。
その笑い声を聞きながら、僕は思う。
大雪は嫌いだ。
でも、この時間は嫌いじゃない。
力が強いとか、背が高いとか、怖いとか。
そういうのは、どうでもいい。
ただ、こうして一緒にいる。
それだけで、今日は十分だ。
「……ラーメン、もう一杯いる?」
僕が聞くと、
「いる!」
全員が即答した。
やれやれ。
僕は立ち上がり、鍋に向かう。
今日も平和だ。
こんな感じですかね…??((
いいねください(((
コメント
1件
七大都市尊いなぁ…