🐸「私がユメちゃんを弱体化させるから、それに続いてマナトが攻撃して。」
⚡️「おう。」
雑種は刀を抜き、状異斬を放つ。
💭「んぐっ…。」
🐸「マナト!!出番!!」
⚡️「わかっとるわ、ヴァルブリッツ!!」
ユメの頭上から滝のように水を流す。
🐸「え、もしかしてこれだけ?」
⚡️「んなわけないやろ。」
水を流し続けたまま、左右両サイドからクロス状に雷を放つ。
バリバリと異音が響く。
🐸「感電してる…。」
⚡️「これはあえて水を流した状態で雷を撃つ、感電攻撃、なかなか考えられたもんだろ。」
🐸「やるじゃん。」
思わぬ強技を繰り広げられ、怯むユメ。
しかし、それでもしぶとく這い上がってくる。
⚡️「さすがにまだ無理か。」
🐸「じゃあ今度は私が。」
雑種は刀を横向きに持ち、腰を低くして素早く一回転してみせた。
すると刀には黒紫のおびただしいオーラが纏った。
雑種は刀を構え直し、ユメに斬り掛かる。
🐸「纏毒!!」
なんとユメは毒状態に陥ってしまった。
そう、あのオーラの正体は毒であり、それをユメに付与させたのである。
⚡️「蓄積ダメージを食らわせるとは、お前もなかなかあくどい奴だな。」
🐸「マナトにだけは言われたくないんだけど。」
💭「…痛い。」
尚、しぶとく耐え続けるユメ。
⚡️「もう一回行ってくるわ。」
🐸「さすがにやりすぎなんじゃ…。」
⚡️「フィアマストロム!!」
マナトはユメの前後左右に大きな竜巻を生成した。
地面から炎を発生させ、竜巻にまとわりつかせる。
みるみるうちに炎は大きくなり、風と共に渦となってユメを呑み込んだ。
🐸「なにこの残酷な風景。」
⚡️「我ながらド派手にやりすぎたかもしれんな、すまんユメ。」
🐸「今更謝ってももう遅いでしょ…、でももうさすがに倒れてるはず。」
💭「…いやぁ…?まだ生きてるんだよね…。」
ここまで食らってもユメはまだ倒れなかった。
盗賊の底力なのだろうか。
💭「…私ねぇ、この間すごい技覚えたんだぁ…。」
フラフラしてまともに立てず、声も震えている。
目は半開きで、涙が溢れていた。
ナイフを持つ手や姿勢を保つ腰も脱力状態。
もうほぼ瀕死である。
🐸「どんな技なの?」
今にも倒れそうなユメを前にし、雑種もマナトも多少なりとも舐めた態度をとっている。
さすがにここから攻撃はしてこないだろうと思い込んでいたのだ。
💭「見せてあげるよ。」
ユメは先程までの弱った姿からは繰り出されるとは思えないほどのスピードで2人に詰め寄り、ナイフを思いっきり刺し込んだ。
そして刺したナイフの角度を少し斜めにずらし、自分の方に引き寄せた。
その瞬間、なぜかユメの傷が少し癒えたような気がした。
⚡️「お前、今、回復したのか…?」
💭「うん!」
⚡️「どうやって…?」
💭「これはね!相手の体力を盗んで回復する技なんだ!!つまり2人から体力を奪って自分の物にしたってわけ!!凄いでしょ。」
なんとも実用的で便利な技だ。
🐸「そんなのズルすぎる…。」
⚡️「おい、あいつの技に関心してる暇があるなら早く追加攻撃してこい。」
🐸「あぁ、はい、行ってきますよ仕方ないな。」
雑種は再度刀を抜き、天に向けて突き上げる。
🐸「痲逐!!」
そう唱えた途端、刀に電気が落ち、帯電した。
そのままユメに近ずき斬り掛かる。
💭「はっ!?えっ、ちょっと…あ゙っ!!動け…ない…。」
刀に帯びた電気でユメを痺れさせたのである。
🐸「これでユメちゃんは痺れが切れるまで行動不能だよ。」
⚡️「お前は状態異常、大好きなんだな。」
🐸「うっさ、お前も早く攻撃してこいよ、今がチャンスだろ。」
⚡️「はいはい。」
どうやらこれで本当に最後にするようだ。
マナトは痺れて動けなくなっているユメに近ずいて杖を突きつけた。
⚡️「ごめんなユメ、後で蘇生してやるからな。」
マナトは攻撃を仕掛けることを少し躊躇っている。
とどめを刺すのが申し訳ないのだろう。
⚡️「フリーズトート。」
💭「なっ…!?」
静かに魔法を放った。
ユメは一瞬、苦しそうな素振りを見せた。
しかし外的にはなんの変化も見られない。
🐸「何が起きたの…?」
⚡️「ユメをよく見ろ。」
ユメは目を閉じ、色が白くなり始めていた。
ユメは息途絶えた。
🐸「死んだ…の…?」
⚡️「あぁ。」
マナトは動かなくなったユメを見て罪悪感に駆られていた。
🍷「お?倒しちゃった?」
ユメが戦闘不能状態に陥ったことにワレモノが気づいた。
🍷「んー、仕方ない、約束通り元に戻してあげるよ。」
ワレモノはユメを自身の呪縛から解き、俺達に返却した。
🐸「おぉ…良かった、ほら早く蘇生してあげなよ。」
⚡️「おう、ハヨオキヤ!!」
💭「…あれ?」
ユメが生き返った。
💭「私、何してたんだっけ?」
どうやら乗っ取られていた間の記憶がないらしい。
⚡️「お前はあの後、ワレモノに乗っ取られて俺たちに牙を向いたんだ。」
💭「えっ…、ごめんなさい。」
⚡️「しゃーないことや、お前は悪くないから安心せぇ。」
🐸「まぁ元に戻れたことですし、全然大丈夫ですよ!」
💭「うぅ…ありがとうございます…。」
⚡️「ほら早く戻らんと、あいつらがどうなってるかわからんぞ。」
🐸「全員倒れて死んでたらどうしよう…。」
⚡️「どうやろな、はよ戻るで。」
💭「うん。」
三人は、はるー達の元へ戻ることにした。
一方その頃、こちらでは…。
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