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僕は学校に行ってない
出席数をとる気にもなれない
このままだと留年
でも、留年でもいい気もしてきた
けど、杏と一緒に進級したかった
夜。25時
僕はナイトコードを開く
『皆やっほ〜』
『お疲れ様〜♪』
『あ、Amia。遅いわよ』
『ごめんごめん〜♪』
『全く……』
『あれ、k達は?』
『もうとっくに作業よ』
『そうなんだ〜』
『…最近、Amia元気ないわよね』
『え?』
『なんて言うか、ナイトコードに来るのも遅くなってきてるし』
『…そんなことないよ〜!』
『僕は元気だよ!!』
僕はまだ嘘つきだ
『みんな、いる?』
作業をしていると、同じサークルメンバーのkが話しかけてきた
『いるよ』
雪が短く返事をした
『はいはーい!いまーす!』
僕は言った
『Amia、耳元で騒がないでよね』
『え〜、えななんの音量設定がおかしいだけじゃなーい?』
『ちょっと!!』
嘘つきの僕と、正直者のえななん
正反対だ
『ねぇみんな。もう少しで曲ができそうだから、詰めていきたいと思うんだ』
『だから2日ぐらいはナイトコード入れないかも』
kは作業に没頭したいため、ナイトコードに入らないらしい
『わかった。じゃあこっちも頑張んないとな〜』
kの言葉にえななんもやる気が出てきたようだ
『歌詞もあと少し』
隙を見て雪も話に入ってきた
『わかった。それじゃ、今日はこれくらいにしとこうか』
kの言葉に僕は賛成した
そろそろえななんにバレそう
早く、終わりたい
『それじゃ、皆ばいばーい!!』
僕は最後まで元気を絶やさない
皆を、心配させたくない
ナイトコードを出たあとも、ひたすらペンを動かす
でも、頭の中には絵の構図じゃなく、瑞稀のことばかりだった
最近の瑞稀はおかしい
ナイトコードに来るのも遅いし、心做しか、元気もないように感じる
そのせいで、絵が全く進まない
「あー、もう!」
頭がおかしくなりそう
多分、絵名は感ずいた
絵名は感が鋭いから、下手をしたらすぐバレる
だから、気をつけないと
もう少しで曲ができる
だとしたら、打ち上げもすぐそこ
なんとしてでも、嘘つきでいなきゃ
私は寝ようとして、ベッドに潜った
だけど中々寝付けなかった
思いた当たる節はある
瑞稀が学校に来なくなった
そろそろ学校に来てもおかしくない頃だ
出席数の為
でも、来ない
このままだと瑞稀は留年
そんなの、嫌だ。
一緒に進級したい
でも、このクラスだと瑞稀は瑞稀でいられなくなる
どうにかしなきゃ……
私は暗闇の中、スマホをとって、深呼吸をして、電話をかけた
夜中に、スマホが震えた
珍しいことだった
「……杏?」
相手は杏だった
尚更珍しい
僕は少し震えて、電話に出た
『…もしもし』
スマホ越しで聞こえるのは、杏の声だった
『どーしたの杏?こんな夜中に』
僕はできる限り声を上げた
『あのさ、瑞稀』
『…最近学校来ないけど、どうしたの?』
杏の声は真面目だった
その言葉に、僕は黙ることしか出来なかった
『……最近、体調が悪いんだよねー!だから学校行ってないんだけど…』
『……嘘つき』
杏の声に僕は肩を震わせた
『…え?』
『ねぇ瑞稀、私は瑞稀の力になりたいの』
『困ってることがあったら……』
『…ないよ』
『困ってることなんか、ないよ』
『………』
僕の言葉に杏は黙ってしまった
『じゃあ、どうしたら学校に来てくれる?』
杏は泣いているように思えた
『私ね、瑞稀の力になりたいの…』
『どうしたらいい……?』
杏はとうとう泣き出してしまった
『……ごめんね。杏』
僕はそう言って、電話を切った
最近、電話が怖くなったんだ
僕が学校で濡れた日から、頻繁に匿名から電話が来るようになった
その電話の相手は毎回、クラスメイト
だから今回の杏の電話も、もしかしたら、クラスメイトかもしれない。
って思ったんだ
だって、電話の内容がさ
『お前、消えろよ』
『1人だけ浮いてる』
『クラスの雰囲気を悪くしてる』
『お前は普通の人間と違う』
そんな、僕の気持ちが下がるようなことばっかだった
瑞稀に電話を切られた後、私はずっと泣いていた
私より瑞稀が泣きたいはずなのに
瑞稀の力になりたい
どうしたら…
そんな感情の波が、私の心を荒らす
私はずっと泣いて、泣いて
たくさんの涙を流したが
この感情も流すことは出来なかった