テラーノベル
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ボールを拾おうとする。
カサッ。
「……。」
手の甲。
黒い。
「…………。」
ゴキブリ。
影山の瞳孔が開く。
数秒の静寂。
そして。
「触るなこの不快害虫がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ボールを放り投げる。
「視界に入るだけで生理的嫌悪感を催す存在が何で俺の手に乗ってんだよ!!」
「失せろ!!」
「近寄るな!!」
「その節足で俺に接触してくんじゃねぇ!!」
「衛生概念って言葉知らねぇのか!!」
「人類との距離感を学習しろ!!」
「存在そのものが精神衛生上有害なんだよ!!」
「お前一匹いるだけで空間の快適性が全部崩壊すんだよ!!」
日向「え。」
「何の権利があって俺の手に乗った!!」
「許可取ったか!?」
「取ってねぇだろ!!」
「なら侵害だ!!」
「不法侵入だ!!」
「即刻退去しろ!!」
田中「法律出てきた!」
「その生命力だけ異常に高い進化の方向性、完全に間違ってんだよ!!」
「なんでそんな無駄な生存能力だけ極めてんだ!!」
「もっと別の方向に進化しろ!!」
「せめて人に嫌悪感を与えない姿になれ!!」
西谷「進化にまで文句言い始めた!」
「飛ぶなぁぁぁぁぁ!!!!」
「飛行能力まで搭載してんじゃねぇ!!」
「誰がそんな機能追加しろって言った!!」
「仕様変更しろ!!」
「欠陥設計にも程があるだろ!!」
月島「仕様……?」
「お前という存在は利点より欠点の方が圧倒的に多いんだよ!!」
「存在価値をもう一回見直してこい!!」
「自然界で一回会議開け!!」
黒尾「自然界で会議!?」
「人類全体から敬遠されてる現実を受け止めろ!!」
「嫌われる努力だけは世界一か!!」
「その才能、今すぐ返上しろ!!」
「俺の視界から消失しろ!!」
「永久退場しろ!!」
「二度と俺の生活圏に侵入するな!!」
「理解したら今すぐ消え失せろぉぉぉぉぉ!!!!」
体育館が静まり返る。
誰一人動かない。
その瞬間。
武田先生。
「失礼!」
バシィンッ!!
静寂。
ゴキブリは動かなくなった。
影山はその場で固まったまま、
「……っ、はっ……。」
「……はぁっ……。」
「……っ……。」
肩を激しく上下させる。
呼吸が乱れている。
拳は震えたまま。
日向がぽつり。
「……お前。」
「国語だけ急に偏差値80になったのか?」
月島も珍しく笑いをこらえきれない。
「影山って、極限状態だと語彙が解放されるタイプだったんだ。」
影山は何も言い返さなかった。
いや、言い返せなかった。
まだ呼吸を整えるので精一杯だった。
コメント
2件
影山ww
いや、影山のゴキブリパニック、面白すぎるだろww あの「自然界で会議開け」とか「仕様変更しろ」とか、普段の無口な影山からは想像できない語彙力爆発で笑った。日向の「国語だけ偏差値80」も的確すぎるし、月島が笑いをこらえてるの珍しい。武田先生の一撃がプロすぎて、静寂がなんか温かい。日常回だけどキャラの新たな一面引き出しててよかったわ。続き楽しみにしてる🔥