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モートが驚いて振り向くと、いつの間にかアンデッドの集合体から遠くの場所にオーゼムの姿があった。
モートは銀の大鎌を持ち直すと、アンデッドの集合体へと飛び込んだ。
うぞうぞとアンデッドの集合体は、どう見ても大きすぎるのだ。ならば、バラバラに狩りこめばいいとモートは考えた。
この上なく速い動きによって、銀の大鎌でアンデッドの集合体を四方に分断していく。
濁った血がしばらく辺りに噴き出した。
最後にアンデッドの集合体は、モートは銀の大鎌で真横に切断され、跡形もなく土へと帰った。
「……。なんとかなりましたね。……これで賭けは私の勝ちですね」
「……?」
――――
一夜明けて早朝の5時。
血の雨が止んだ空からは、瞬く間に粉雪が降りだした。通行人はいつもの様子を取り戻し、人通りが少ない大通りから新聞売りの子供たちが白い息を吐きながら元気な声を張り上げている。
下水処理施設から外へと出たモートとオーゼムは新聞をそれぞれ買った。