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九死一生

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九死一生

2 - 2.

♥

766

2025年05月22日

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ー注意事項ー

・一話参照

わんく












































◇◇◇


「 …あと少しの辛抱やからな、__!! 」

抱えた彼の身体は冷たく、衰弱しきっていた。

けれども、目をなんとか開け続けこちらを見上げていた。

だから、その期待に応えてやりたかった。

生きて、帰らせたかった。


「 …、 」

「 __!? ……もう眠いよな、」

ぐた、と抱えた身体から腕が落ちた。

その場に座り込み、こちらを見上げたまま眠った彼を抱きしめる。

熱が戻る可能性があるんじゃないかと。

「 …辛かったな、ごめん…ごめんな、 」

1人で、敵陣に連れ込まれた彼の気持ちなど、俺が理解できるはずがない。

俺は、いくら親密な関係であろうと、所詮は他人であって、彼の気持ちなど分かりやしない。


「 …だいすき、絶対、絶対にまた、俺のとこに来るんやで… 」

彼の口に唇を合わせる。

虚しさだけが残るのも、仕方ない。


彼が好きだった。

コロコロ笑う、彼が本当に好きだったと思う。

彼に口付けをしたら、どんな反応をしただろう。

後悔なんて、残酷なものである。

「 …だいすき、絶対に、また会おうな。 」


そう誓った、彼の名を



俺は忘れてしまったのだと言うのか。


◇◇◇


「 …はあ。 」

煙草を咥え、素朴な街を歩く。

先程までは、utとknと居たのだが、女にナンパを始めたので置いてきた。


shpは、煙を吐き出した。


「 ……んー。 」

ここら辺の街は危険が沢山だから、一人で行くなよとtnに言われたばかりである。

なんにも、tnは変なガキに絡まれたらしい。

大体こういうとこにいるガキは、警察沙汰になる。

面倒な街だと思う。


shpはその辺の壁にもたれかかり、煙草を見つめる。

先端はオレンジ色に揺れていた。


オレンジ色。

物心着いた時から好んだ色。

まあ、今は皆にしっくりくると言われた紫色を好んでいるのだが。

そう思いながら、自身のもこもこの紫色の上着を見た。


「 …あ、あのうっ 」

「 … ん"ッ、んん… 」

「 あのぅー…?? すみませえん。 」

「 ……なんすか。 」

香水の強い匂いをまとった女がやってきた。

やはりこういうのも寄ってくるのか。

お気に入りの上着に匂いが着くのは嫌だが。

女は胸をshpの腕に押付けながら言った。

「 迷子になっちゃってえ。 」

「 俺も知りません。 他に聞いてください。 」

「 っ!! あっでもぉ…ちょっとは分かりますよお?? 着いてきますぅ?? 」

「 分かるならそっちに行けばいいじゃないすか。 俺はいいです。 」

「 んんう…もう、分かってるでしょぉ?? 」

ぎゅうう、と近寄るのをうんざり思い払う。

「 んんっ// 」

「 …はあ。 きも。 」

「 はッ、!? キモって言った!? 」

「 …まあ。 キショいなアンタ。 」

「 なにそれ…ッ、有り得ないんだけどっ!! 」

カツカツと、走り去るのを見てクスクス笑う。

ああいう女はわかりやすい。

ちょっとでも否定すれば本音を出す。


…アイツは違った。

否定すると、とことん悲しみ、肯定すれば、とことん喜ぶ。

仲良くなればなるほど本音を吐き出す。

そんな姿は可愛らしくて仕方なかった。

警戒心が高いのか、低いのか。

でも、仲良くなれば警戒心の高さを実感することもあった。

それが大きな優越感でもあった。


「 ……誰だったかな、 」


遠くに見える少年に、微かな懐かしさを覚えながらshpは深く俯いた。


◇◇◇


tnに拒絶された日から、ciは変わり果てただろう。

男らを拒否することもなくなった。

だからといって、男らが飽きるわけでもなく。

一方的に壊されていっていた。

ciの腹は毎時壊されていて、首から下は夥しい痕ができていた。


そして、今日もciはホテルにいた。

部屋の隅に小さく座り込み、男らを待つ。

痛む腹を擦りながら、出もしない涙を堪えた。


その時、部屋の前までやってきた男らの会話が耳に入る。

なぜだか、男らはいつもに増して多い。

3人、最大でも5人だったのが、10数人いる。


「 殴ってもええのー?? 」

「 え、クスリ飲ましてもええー?? 」

「 えっじゃあ俺アレやっちゃおー 」

「 何人まで入るんその子。 」

「 拳とか入るんちゃう?? ゆるゆるやろ。 」

「 えっいいなあ!! でも俺は口がええ。 」

「 ちっちゃい口が可愛ええよ。 」

「 顎外してもええ?? 」

「 首絞めんのは?? 」

「 なんでもありやろ!! あの女が許可してたし!! 」

「 じゃあとにかく好きなようにするかー!! 」

「 鍵は?? おい、誰が持ってるんや 」


ciは命の危機をようやく感じた。

慌てて立ち上がり、入口の下駄箱の下に隠れ込む。

息を潜めていると、男らが入ってきて、靴を乱暴に脱ぎ捨てた。

それからゾロゾロと部屋に入る。

男らはciを探すように気持ち悪い声で名を呼んだ。


ciは閉まる扉の隙間から急いで抜け出した。

それから、非常階段へと走り、階段を急いでかけ下りる。

居ないと気づいたら、きっと彼らはすぐ追いかけてくる。

それから、親へと連絡がいき、親もciを探しに来るだろう。


ホテルの裏口から飛び出し、裏路地へと倒れ込む。

この後、どうすれば良いのだろうか。

助けてくれる人などいない。

だって、もう…。


ciの頭には、誰も過ぎらない。

恐る恐る、裏路地から顔を出してみる。


「 …ッ、!!?? 」



目に入った。


忘れかけた彼の顔が目に入った。

その瞬間、いつぶりかciの目から涙が溢れた。

彼なら、かれなら…。

そう思って、足を動かす。

彼に拒絶されたらもういい加減諦めを付けるから。

だから、彼にだけ、あと、1回だけ。


彼に手を 「 おい、どこ行くガキ!!!!!!!! 」


「 …ッ!!???! 」

「 待て!! テメェ…俺らで遊びやがって!! 」

「 …っ、た、たすけ、!! 」





「 …ッ!! 」

「 …た、たすけ、て…たすけて、 」

届かないと思っていた彼に抱きつく。

震えが止まらず、嘔吐しそうになるのをなんとか堪える。

「 ……、お、おまえ、 」

彼…shpは、理解してない様子で目を丸くしていた。


この感じ、きっと、拒絶だ。


「 すみません…ウチのガキが。 ほら、帰るぞ。 」

「 … 」

服を掴まれ、ぐいと引っ張られるのに、思わず咳き込む。

もう終わったのか。

ciは彼の足から手を離し 「 待てよ。 」


「 アンタ、この子になにしてたんや。 」

「 は、はあ?? お前には関係ないやろ。 離せ 」

shpの腕が、ciを包んだ。

暖かい。暖かかった。

彼の温もりを、思い出す。

「 この子を見放す訳にはいかなくなった。 」

「 んだと…嗚呼、お前も試すか?? コイツの穴、凄いんやで?? 」

そういって、男はciに手を伸ばした。

ぎゅう、と目を瞑るciに、その手をshpは勢いよく叩き落とした。

「 気色悪。 」

「 んだと!?!?!? テメェ…いい度胸じゃねえかよ、俺らが可愛がってやろうか?? 」


「 いいねいいね、次は?? 」


「 …は?? 」

楽しげな声に、男は振り返る。

スマホのカメラを向けた彼が、ヒラヒラと手を振った。


「 shpく〜ん!! もっと楽しそうにして!! あ、でもそこのオッサンはもっとカッコイイ顔して!! 」

「 おいut!! もっと画角考えて撮れよ〜!! 」

「 はいは〜い!! 全員映ってるかな〜?? ピースピース!! 」


「 ut先生、knさん…そんなテンションじゃないんすけど。 」

「 まあまあ!! ほらほら、1+1は〜?? 」

「 にー!!!!!! 」

カメラを向けるのはutだ。

そして、その後ろで楽しげにピースをしているのはknだ。

shpはciの頭を撫でながらため息を着いた。

男らは理解出来ずに固まっている。


「 な、何撮ってんだよお前!! 」

「 犯罪集団とメントスコーラしてみた!! とかどう!? kn!! 」

「 うんうん!! ええなあ!! あっ!! あと、警察も入れて!! 」

「 …け、警察!?!?!? 」


男らは慌てて顔を隠すように手で覆った。

ザワザワとするのを中心に、街の皆が集まり出した。

それから警察もやってきたのに、utは手を振った。


「 emちゃ〜ん!! 」

「 その呼び方古いわ〜 」


「 嗚呼なるほど。 emさん呼んでくれたんすね。 」

「 せやせや!! 戻ってきたら、shpくんがなんか危なそうなことに首突っ込んでるから!! 」

knがグッ!と親指を立てる。

その間に、emとその警官仲間が男らを捕えた。

utは笑いながら、撮った動画をemに見せていた。

証拠動画を撮っていたのだった。


「 …んでー、その子供は?? 」

「 うん…。 」

頭をshpの肩に押し付けたままの子供を優しく撫でる。

「 親呼んだ方が… 」

「 いや良いです。 こういうことしてる子供の親とか信用ならん。 」

「 まっ確かにな!! じゃ、ut!! 俺ら撤退すんぞ〜!! 」

「 おっけ!! em後は宜しくな!! 」

「 えっ!? ま、まあええけど… 」


いざと言う時に頼りになる男、em。

皆で元気よく彼に手を振って別れた。


◇◇◇


いつも横になるベッドとか変わったベッドの上にいた。

ciはゆっくりと起き上がり、周りを見渡す。

見慣れない景色に、背筋を凍らせた。

あの後、どうなったかをciは覚えていなかった。

確か、shpの足にしがみついて…。

その後は失神してしまったんだった。

ciは慌ててベッドから降りて、机の下に潜り込んだ。

いつものように、息を潜め顔を塞ぐ。

shpに拒絶されてしまったのが、最後の記憶に残っている。

ciは遂に終わったのだ。

今までの生きる価値を全て無くした。

これで、悔いなしに消えることができる。

ふう、と息を吐く。


ガチャ、と扉の開く音がする。

ciは口を手で塞ぎ、呼吸音をも隠した。

「 …!? 」

男は驚いたように、布団を捲り出す。

見つかったら何をされるのだろう。

ciは恐怖に呑まれて震えていた。

「 …!! 」

足が机の前まで来て、膝を着く。

嗚呼、バレた。バレてしまった。

下唇を噛み締めていると、現れたのは

「 ああ、いた…ci!! 」

「 …は、ぇ、 」


“ shpくん ” …??


「 うん、俺や。 お前…ciやんな。 ほら、一緒に戦った、 」

なぜ、記憶が。

ciは伸びてきた手を眺めるだけだった。

否、それしかできなかった。


「 なん、で…どう、して、?? 」

「 俺もよくは分からへん。 けど、ciを見て全部思い出した。 」

まだ震えているciをshpは優しく抱き寄せた。

無理矢理外に出すのは危ないと判断し、そのまま机の下で。


「 …おかえり。 帰ってきたな、ci。 」

「 …shp、くん、 」

「 随分と遅かったな…まあ、迎えに行った俺の責任か。 」


「 頑張ったな。 偉かったよ。 」


それは、今まで生きてきて初めての肯定。

そう、初めての肯定であった。

ciはわんと泣き、shpに抱きついた。

そんなciを見て、shpは安心したように微笑んだ。

変わらない、ciが帰ってきたんだ、と。


shpは、ciの服の隙間から見える傷痕を睨みつける。

愛おしい彼を傷つけた彼らがやっぱり許せない。

emらによって制裁を受けた彼らだが、足りない気がして腹が立つ。

その圧がciに届いてしまったのか、不安そうにこちらを見上げてきた。

「 ん?? どうした?? 」

「 …ごめんなさい、 」

「 は?? なんでお前が謝んねん。 」

「 だって…おれ、きたないし、 」

ciはそっ、とshpから手を離す。


けれども、shpはciの手を優しく握り戻した。

「 ciが好きや。 」


何年越しに伝えることになった、言葉を彼に伝える。

彼は数秒経ってから、目をまん丸にして振り返った。

shpは楽しげに笑い、その頬を触る。

「 阿呆が寄り道するから。 伝えるんが遅れたやないか。 」

「 え…えっ?? す、すき、?? shp、くんが…おれを、?? 」

「俺が、ciを。 」


「 えっ!?!?!?!? /// 」


今こそ歳の差はあるものの、昔から彼を好いていた。

そして同じく彼も、好いていた。

shpは小さくなった彼を昔よりも優しく抱きしめる。

それは、親友から恋人への抱擁に変わったことを意味するだろう。

「 …ま。 今のお前を恋人にしても、色々問題やからな。 とりあえず、高校生まではお預けやな。 」

「 えっ、ばれなきゃええやろ…?? 」

慣れてるし、とciが自身の尻を触るのを、shpは止めた。

優しく頭を撫でながら、抱き上げる。

「 俺はアイツらみたいなゴミとか違う。 同じにすんな。 」


傷を癒すことを出来ずとも、手を離すことはなく。



◇◇◇


「 ci、はよー。  」

「 おはよう、shpくん!! 」

目を擦りながら身体を起こすciに声をかければ、ぱっ!と嬉しそうに顔を上げた。

眠そうな目は、キラキラと楽しげに輝いている。

それから、shpに抱きついた。

「 今日お仕事は?? 」

「 休み。 ciも今日休みやろ?? 」

「 うん!! 」

あれから数年が経ち、ciはすっかり元のように明るい性格へと戻った。

なんなら、お互いの気持ちを伝えたためか、前よりも甘えたになった気がする。


今ciは学生で、shpはemとバイク屋で働いている。

shpのバイク屋の隣には、utとosの喫茶店が。

前には、tnとsho、knがやっているペットショップがある。

zm、ht、rbは他国へ武道をしに行った。

教えることもあれば、やる事も。

そしてまた教えられることもあるらしい。

grはsnと色んな場所を旅しているらしい。


まあとにかく、皆自由にのびのびと生きているのだ。


この街の周辺に、イケメンが沢山いると噂されたのももう遠い昔に感じる。

女性が沢山来て、バイク屋を初め、喫茶店やペットショップを巡っていた。

それは一種の観光地のようになっていた。


ciはshpに言い寄る女性を遠ざけるのに必死であった。

emも手伝っていたのだが、emは女性に遊ばれ始めたのだ。

誰もが予想してなかった。

否、予想していた光景でもあった。

マスコットキャラクターのように扱われ、それでもemは満更でもなかった。


utに相談をすれば、女はええからな。と最低な回答をするし。

(その後に慌てて、shpはciが好きやから安心せい。とか言っても意味無い)

頼りになりそうなzmはいないし。

tnらは、自身の可愛いペットに夢中だし。


そのため、ciはshpに大きな嫉妬を抱えていた。



次回短篇小説に続く____かも??




余談ですが、配信によりpnciに再熱しております

需要ありますか🫣🫣🫣

無くても投稿しちゃいますけどネ

この作品はいかがでしたか?

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コメント

12

ユーザー
ユーザー

続ききたー!ハッピーエンドでよかったガチで!ciのさんがshpさんに嫉妬してんの可愛い〜♡

ユーザー

よかったあああああ😢 tnさんのペットショップ最高すぎる utosの喫茶店なんて毎日通っちゃうわ pnciめっちゃ需要ありあり!! 超絶読みたい!!

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