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そろそろ1限目の授業が終わる時間、5分前。
先生から解放された樋口さんがこちらへ戻ってきた。
楓「みなさんすみません…犬さん のいるおうちになっちゃいまして…」
蒼「え、まじか」
雪「がぁぁぁなにゆえ!」
楓「どうやらあちらの6人班の方たち、全員犬が無理みたいで…」
あれま。それは仕方ない。
っていうか…
「宿泊学習の概要知らないんですけど?泊まるおうちってなんぞ?」
蒼「まじかよ」
雪「ちゃんとプリント読んでないじゃん」
同時に双子につっこまれる。
さすが、息ぴったり。
夕「あのね、これ農業宿泊体験学習っていって実際に農家さんのおうちに行って泊めてもらうの。その地域の方たちのご厚意で毎年お世話になってるんだって」
雪「って、プリントに書いてあったよ〜」
まじか。だって…
週末買い出し行くって言ったじゃん。
必要なものとかしか書いてないと思ったんだもん。
週末でいいやってなっちゃうよ。
楓「でもみなさん!なんと!!!
私たち!!!
ぶどう園の方たちのお世話になります!」
え、ぶどう園!?
ってあの、果物の?美味しいぶどう??
楓「なかなか貴重な体験なんじゃないでしょうか、ぶどう園は学年に2班しかないみたいですよ」
えー!!!!
まじか。
たっのっしっみ!!
私たちは浮かれていた。
その班の中で静かに話を聞いていた1人の生徒。
凛「…….だる」
その小さな声は、みんなの話し声に消されていった。