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#創作
えぬた
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#挿絵
KEY-STU
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それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
意識が落ち切らずに結局目が覚めた。
どうにかもう一度眠りにつくためにスマホは見ていないから時刻は確認していないけど、多分まだ寝てからそんなに経ってないはず。
目を閉じて布団を被って睡魔が来るのを待ってみても、全く眠たくならない。
諦めて隣で寝ている柚葉の顔を見てみる。
普段は何でも甘やかしてくれてかっこいいけど、やっぱり寝てる時は年相応の幼さも感じる。
今日だって、中々うまくいかない振り入れに長い時間付き合ってくれて、帰ってからも優しく慰めてくれた。
…なんだかなあ。
こうやって今日みたいに上手くいかない日はとことん気分が落ち込んでしまう。
それが悪い癖だっていうのは自分でも分かっているし、柚葉を含めて周りからも言われるから直さなきゃいけないと思うのに。
柚葉のことが大好きで堪らないし、ずっと一緒にいたい。
だからこそ、自分の出来の悪さに落ち込む。
歳上なのに。
迷惑ばっかりかけているようで。
そもそも私達は永遠を誓うことができない。
アイドルだからって表立って恋愛することもできないし、そもそも同性だから結婚だってできない。
一度落ちた考えは1人ではどうすることもできなくて、どんどん深い闇に堕ちていく。
こんなに好きなのに、
とか
むしろ離れた方が、
とか。
柚葉は色々な芸能人とのコラボをしていて、その切り抜きなんかも出てくる。
ファンの人達はお似合いだと好印象を抱いているような様子さえある。
確かにスタイルもいいし、顔立ちもいいしとかなんとか。
目の前がぼやけて、柚葉の鼻の形もはっきりしなくなった。
こんなに綺麗な顔がちゃんと見えなくなって、ようやく自分が泣いていることに気付いた。
もう寝るのは無理だと諦めて、柚葉を起こさないようにベッドから出てリビングで落ち着こうと体を起こした。
🩵「…來亜?」
普段とはまた声色の違う甘く掠れた低音が鼓膜を揺らして、腕を掴まれた。
🩵「どうしたの。」
声からしてまだ眠いことは充分に感じれたから何でもない振りをした。
🤍「どうもしてないよ。」
🤍「喉乾いたから、水を飲もうと思っただけ。」
顔を見られないように、声でバレてしまわないように。
いつも通りを装って抜け出そうとしたけど、依然として腕は掴まれたまま。
🩵「そんなに泣いているのに?」
🩵「何がどうもしてないよなの?」
🤍「…っ、」
🩵「こっちおいで、來亜。」
いつの間にか体を起こして座っていた柚葉に引き寄せられ腕の中に閉じ込められる。
🩵「どうしたの、本当に。」
🩵「怖い夢でも見た?」
🩵「それともなんかあった?」
言葉がうまく出てこなくて、意味のない音を発してしまう間も優しく髪を梳かしてくれる。
結局いい表現なんて思いつかなくて、そのまま伝えてしまった。
🤍「柚葉とずっと一緒に居たいけど、私はこんなんだから柚葉がいつか呆れて居なくなっちゃうんじゃないかって…」
🤍「…それならもう、」
その先は発されることは無かった。
視界が暗くなって柔らかい感触と暖かさに包まれて、言葉は柚葉に溶かされてしまったみたい。
🩵「そんなこと考えるのもやめて。」
🩵「私が來亜と別れるわけないでしょ。」
🩵「來亜のことどれだけ好きだと思ってるの。」
🩵「デビューしてからずっと私は來亜一筋だよ。」
真剣な顔でそんなことを言うものだから、笑ってしまったし涙も出てきた。
🤍「…呼び捨てしないで。」
🩵「ねえ、私がこんな感動的なことを言っても気にするのはそれしかないの?」
そうやっていかにも不満です、みたいな声のくせに優しく涙を拭ってくれるから、尚更止まらない。
顔を見られたくなくて柚葉の胸に埋めると温かくて大きい手で撫でてくれる。
🩵「もう泣かないで、」
🩵「ずっと一緒にいるって約束するよ。何があっても。」
そして、2人でお揃いの指輪を作りにいく話になって。
スマホを見ながらどこがいいだの、これが可愛いだのと会話を弾ませる。
ふと後ろから抱きしめてくれている柚葉の方に頭を向けると、蜂蜜のような目で見つめられていた。
🤍「……?」
🩵「來亜ちゃん、本当に可愛い。」
🤍「急になに、」
🩵「だってさ、さっき私のことが好きすぎて泣いちゃったってことでしょ?」
🩵「もう本当に可愛い。」
🤍「…やめて、」
🩵「耳まで真っ赤だよ、來亜ちゃん。可愛いね。」
🩵「どうしてそんな可愛いの。」
🤍「…もう寝て。」
end.
コメント
1件
うわあ、すごく良い……。深夜の静かな不安と、それに気づいて優しく包み込む柚葉の距離感が絶妙でした。特に「呼び捨てしないで」って照れながらも、お揃いの指輪の話に自然に切り替わっていく流れ、甘くて泣けます。アイドル同士だからこその「永遠を誓えない」という來亜の不安に、柚葉が「ずっと一緒にいるって約束する」と応える重みが刺さりました。2人の関係性がぎゅっと詰まった1話、続きもとても気になります!