テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
職員室を覗いてみると、自席でお昼を食べている先生を見つけた。
入り口近くの先生に「あら、珍しい」と声をかけられすぐに「川上先生!」と担任を呼んでくれた。
翔「お、来た。」
と言って最後のおにぎりを口に詰め込み、ゴミをまとめる。近付いて
翔「こっち来て。」
と言って、職員室の隣の部屋の近くの相談室のドアを開けて秋を誘導する。
電気の付いていない薄暗い部屋に入ると、後ろからドアを閉めてパチっと電気を付けた。
翔「そこ座って。」
言われた通り椅子に座る。
先生は向かいに座り私を見た。
秋「これ持って来た。」
椅子に背中を預けながらプリントを机に置く。
先生がプリントを見ていつもの先生の顔で私を見る。
翔「自分でやったの?意外と出来てるね。」
意外とは余計だが授業を受けていない生徒にしては出来ている方だった。
素直に感心している様だった。
秋「…立川がやり方教えてくれて途中までやったんだけど、この先は無理。」
投げやりに頬杖をついた。
翔「立川が…」
よくわからない無言のあと、プリントを私の目の前に戻す。
ボールペンを出して前のめりになり、やってある所の訂正をする。
ふわりと風が来てボディソープなのかわからないけどすこしだけ甘い大人の香りがした。
翔「ここ。やり方は合ってるけど順番が違う。」
私も背もたれから体を起こしプリントを見る。
距離は20cm…実際はもっとあったかもしれない
先生が気が付きすこし離れる。
言われた通りに問題を解いてみる。
一問終わり、先生の方をチラッと見る。
先生がまた近付き問題を見る。
翔「…うん。そう。出来てる。そのやり方で続きやってみて。」
私は返事もせずに次の問題もその次もと、どんどん進めていく。
昼休み終了のチャイムが鳴る。
翔「今日はここまでで良いよ。続きは明日の昼休みまでにやって来て。」
秋「え、明日も?」
翔「そう。」にこやかに当たり前のように言った。
秋「めんどくさ…」
小さく呟いた言葉はドアを開ける音にかき消されていた。
87
402
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!