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【お前が死ぬまであと99日】『どこか一緒に出掛けない?』
1通のメールが届く。【From.お前】そう、お前から来たお誘いのメール。場所は内緒、持ち物は財布とスマホだけ。時間も決めてない。すべてがぶらぶら歩くだけの計画のように思えた。当日、俺は駅で待っていた。すると、お前はキラキラした笑顔で駆け寄ってきた。
「お待たせ~!待った、?」
俺は首を横に振る。お前は「よかった」と胸を撫で下ろした。その姿はまるで自分に暗示をかけているかのように見えた。気のせいだった、のかもしれない。駅から電車で約1時間。ついたそこは、ひまわりが沢山、咲く花畑だった。
「私、向日葵が好きなんだ、でも時々、明るすぎて眩しいんだよね」
そうやって苦笑いするお前。俺は言っている意味が当時はわからなかった。いや知ろうとしなかっただけなのかもしれない。その後、色々な所を探索したあと、また電車に乗って帰った。
「今日は楽しかったよ、また一緒に行けたらいいね」
お前は笑っていた。でも目は涙でいっぱいだった。そんなに行きたいならまた一緒に行けばいいのに。誘えない理由でもあったのだろうか、俺はそんなことを悶々と考えながら家に帰った。
「ただいま」
返事は帰ってこない。両親は共働きで家を空ける時間が多く、物心つく頃には既に1週間に1回程度しか会わなかった。それから子供なのに感情の起伏が少なく、大人びた性格になった。妹は寮に入っていて、家には帰ってこない。俺は、不登校で学校で友達すらできない。浮いたままでも楽しくない。次はお前といつ会えるのかな、そう思って目を閉じた。
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