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1 - 始まり「トキ」

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2025年03月15日

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物語を楽しみたい方へ


手始めに「失ったモノ」と「奪ったセイ」という小説を見た上で、この物語を始めて下さい。


主人公はこれを見ている貴方。

貴方の選択によって展開が変わります。

彼女が「失ったモノ」と彼が「奪ったセイ」を体験してみましょう。

そして唯一のHAPPYENDを目指して下さい。


自分には好きな人がいる。

その名は松江 秋。バイトの先輩で、優しく気さくな女性。

でも、この恋は叶わぬものであると大分前に知ってしまった。

そう、先輩には彼氏が居たのだ…ペアリングもしていて先輩が無意識のうちにフラれてしまった。

悔しいような、悲しいような気がする。けれど今は潔く諦めて先輩の幸せを願う他ない。

──── 諦めようと己の恋心と闘っていたある日に事件は起きた。

なんと、先輩の恋人が死んでしまったのだ。

ちょっと前にチラッと見たスマホのニュースに近場で事故が発生していたのは知っていたが、まさか先輩の恋人だったとは思っていなかった。

ライバルが居なくなって嬉しい!なんて思える程自分は人間捨てていない。

むしろ、先輩を幸せにするために再び現世に姿を表してほしいと心から願った。

何も起こらなかったけれど。


割とおしゃべりだった先輩は事故が起きた日から喋らなくなった。

自分も、恐らく先輩の彼氏も大好きだったであろう優しい笑顔を見せなくなった。

花咲くような雰囲気は、今では人を近寄らせない暗い暗い雰囲気が漂ってしまっている。

顔色も何だか悪くて、バイトに来ても早退が目立つようになってきた。

店長や皆も事情は知っているから誰も責めなかった。勿論自分も責めなかった。

何度か励ましの声を掛けようとも考えたけれど、結局何一つ出来ないまま時間だけが過ぎていく。

そんな日常が続いたある日のことだった。

先輩が水死体になった。

可笑しいとは思っていた。一応来ていた先輩が何の連絡を取らずにバイトを欠勤しだしたのだ。

皆、口を揃えて「限界が来た」と言って居たけれど一人、そう自分だけは何か違うと考えていた。

そんな矢先に海岸で水死体が発見された。

自分は、何も…何一つとして出来なかった。

何もしなかった日々に何かしら先輩に訴えていれば結末は変わったかも知れない。

最早何の意味がこもっているか分からない涙を流しながら眠りについた。


次に目を覚ました時、自分の時間が何故か巻き戻っていた。

この日付ならば先輩は生きている!

しかし、彼氏は死んでしまっている…つまり事故を未然に防ぐという最善策が使えないということになっている。

さて、これから自分は…


▷運命を抗わない(Aを見る)

▷運命に抗う(Bを見る)


ルート分岐の仕方


この話「トキ」の次の話からA・B・C…とアルファベッドが振られています。( )にかいてあるアルファベッドの話を読むことにより話が分岐し、続きます。

話が成り立たなくなるので、間違えないように気をつけて下さい。

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