__紗雪の机
『真逆、こんな時に出てくるなんて。』
私の異能は特殊だ。
私に敵意を持って攻撃してきた相手を、私を殺そうとした方法で殺す。
嫌な異能だ。
そんなだから、特一級危険異能力者候補筆頭なんだろう。
一度、特一級とあったことがある。
名は確か___綾辻行人。
殺人探偵の異名を持つ彼と話した。
彼は、27歳だっただろうか。
あの時は、まだ24か。
まぁ、この話はどうでもいい。
たまにあるのだ。
異能由来なのか分からないが、誰かの声がする。
精神病かもしれないと精神科医を頼ったが、精神面に異常はないとの事だった。
__心当たりならある。
5年前。
私は死んだ。
正確には死にかけだった、だ。
__5年前
『ハァッ…ハアッ…。嘘だ、ココミがあんな事するなんて。』
土砂降りの中、私はゆっくりと歩いていく。
腹部からは血が流れていて、頭がくらくらする。
気合を入れていないと今にも倒れてしまいそうだ。
あの子、最初から…
ココミの嘲笑うような表情が脳裏に浮かぶ。
私の中で、何かが切れた音がした。
プツンと。
『…うふふ。あはは。利用されたなら、殺せばいい。』
ねぇ~、ココミ?聞いてる?
今から殺すよ。
私、ココミの最期に会えてすごい幸せ。
良かったね、親友に殺してもらえて。
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