テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
〜side北見〜
本署の駐車場が見えてくる
離れた距離でも分かる
ロウさんが車を並べている
今日は一緒に修理しようと思い、早めに家を出たのにもうロウさんは仕事をしていた
「ロウさん!こっちから修理していきますね」
「頼む」
ネス‥‥
何故お前がこの時間にいるんだ
俺も急いで手伝わねば!
「ロウさん!ロウさん!おはようございます!」
「おはよう北見」
「今カバン置いたら俺も手伝いますね」
「自分の事終わってからで良いよ。ネス君も居るし」
「いいや、絶対に手伝いますから!」
走ってロウさんの前まで来ると周りをうろちょろしてしまう
ロウさんが笑いながら頭を撫でる
「お前は犬みたいだな。ハハっ」
「本当、落ち着きの無い奴」
「ネスには言われたくない」
「いいからカバン置いてこいよ」
「はい!すぐ戻ります!」
俺は急いでカバンを机の上に投げ、駐車場に戻る
「ロウさん、朝礼終わったらまたヘリ教えてもらっても良いですか?」
「あぁ、良いよ。落ち着いたらな」
「ありがとうございます!」
「ネス‥‥昨日もロウさんに教えてもらったじゃないか」
「何度でも良いだろ」
思わずムッとした顔になる
なんなんだコイツ
俺もロウさんと一緒に居たいのに!
「じゃあ午後、射撃訓練俺に指導して下さい!」
「ん?良いよ」
「あ、それ俺も一緒に教えて下さい」
「あぁ、来れば良い」
もう!
コイツマジで‥‥
「ネスは空でも飛んでれば?」
「なんだよ。良いだろ?丁度教えてもらえるんだから」
「‥‥‥‥‥‥」
俺達は睨み合う
ロウさんが俺達の間に手をかざし遮った
「良いだろ別に。なんでこうなるんだよ」
「ロウさんに教えてもらえるのは1日1回なんだからな!」
「え?俺って回数制限あったんだ。勝手に決めるなよ北見」
「‥‥だって」
「はいはい。じゃあネス君、とりあえず事件来る前に行こうか、ヘリ」
「はい!」
ネスは勝ち誇った顔をこちらに向けてロウさんとヘリポートに歩き出した
途中ロウさんが振り返る
「3時過ぎたら射撃場集合な?」
「‥‥わかりました」
「フフッ、拗ねるなよ」
「拗ねてません!」
ロウさんまで俺をからかう
午後になり俺達は射撃場に居る
銃を持ったら集中‥‥
集中‥‥
「もっと脇を締めて‥‥ネス君狙えてるか?」
「‥‥こう‥‥ですか?」
「こうじゃない?」
近くないか?
顔と顔が‥‥近い近い!
ロウさんが振り向き俺を見る
俺は慌てて銃を構え直す
俺の側に来ると頭を小突く
「集中しろって。危ないだろ?」
「‥‥すいません」
「ほら、もっと腕高くして‥‥」
ロウさんが俺の後ろに周り、後ろから抱きしめるように俺の腕を支えた
ピッタリとくっ付くロウさんから、香水なのかシャンプーなのか、めちゃくちゃ良い匂いがする
いつもつけてたっけ?
この距離だから香るのか?
どちらにせよドキドキして的は外しそう
時間が来て3人は射撃場を後にした
ロウさんはもう帰るのかな
そう思って後ろ姿を見ていると、不意に振り返る
「機嫌は直ったか?」
「‥‥え?」
「指導回数に不満があるようで?」
「ち、違います!あれはネスが‥‥‥‥」
「ハハっ、わかってるよ。でも今日はオマケで帰る前にカーチェイスでもするか?」
「良いんですか?!やります!」
俺は嬉しくてまたロウさんの周りを右往左往してしまう
ロウさんは癖のように頭を撫でてくれる
「カーチェイスは見失ったら無線で報告して。‥‥今の無線番号だと邪魔かな」
「2番とか行きます?」
「いや、万が一使ったら困るから‥‥‥‥じゃあ114.106で」
「え?覚えずらっ」
「今度から訓練してる時に使うから忘れるなよ」
「わかりました!」
ロウさんは俺の機嫌を取るのが上手い
俺がロウさんにチョロいだけなんだけどね
.