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〜side北見〜




今日こそロウさんより早く出勤してやる


そう思ったのに目の前にはコーヒー片手に雑談しているロウさんの姿


もはや署が家なのかってレベル



「ロウさんおはようございます」


「おはよう北見」


「‥‥早くないですか?」


「今日から実務修習生が来るんだよ」


「実務修習生?」


「警察学校から10日間ここで実務を経験してもらうんだ。朝礼で挨拶すると思うから、北見も教えてやってくれよ」


「あ、はい!わかりました」



本当にロウさんも含め、上に立つ人達は忙しそうだ


朝礼が始まると修習生が入室してきた



「初めまして。喜多見陽人《きたみはると》です。10日間お世話になります。よろしくお願いします!」




髪型は肩に着きそうなくらいの長さをハーフアップに纏めている

ブルーグレーの髪色はロウさんに少し似てるかも


身長は俺とロウさんより少し大きいくらい

筋肉はついてそうな体型


顔つきはまだ幼さが残ってはいるが男前


ってなに俺は品定めしてるんだ

頭が勝手にロウさんの周りにいて大丈夫な人間が判断するのが癖になってる


しかも俺と同じ苗字‥‥




「みんな宜しく頼むよ。喜多見‥‥って漢字が違うんだけど、うちにも北見が居て、呼ぶ時ややこしいから君は陽人君ってみんな呼ぶことにする?」



ローレンさんがエクスさんを見る



「良いんじゃない?何かあった時に混乱するよりは。じゃあ喜多見さんじゃなくて陽人君って呼ばせてもらうけどいい?」


「はい!お願いします」


「じゃあみんなも北見は北見。こちらの喜多見さんは陽人君でお願いします」




俺もロウさんに名前で呼ばれてないのに陽人君?

‥‥俺も呼ばれたいのに



「それと、陽人君は俺とエクスさんと小柳で指導にあたるから何かあったら俺達に報告下さい。朝礼はこれで終わります。解散」




朝礼が終わり各々持ち場に散っていく


俺も事件の報告書を持ちローレンさんの部屋に向かっていると、向こうからロウさんと喜多見が歩いてくる


署内を案内しているようだ


いらない事を考えてないで俺も頑張ろう!



軍事物資発生のアラームが届く

駐車場からエレベーターに駆け出すネスが俺の肩を叩いた



「軍事物資だって。俺ヘリで先に向かってるぞ」


「ああ、俺車出すわ!」



俺達は事件現場へと駆け出して行った





長引いた事件を終え、署に戻る


今起きた事件のフィードバックをする為に会議室に集まろうと歩いていると駐車場前の階段にロウさんと喜多見が見えた




「え?良いんですか?」


「良いよ。俺あとから買ってくるから先に使ってな」


「ロウ先輩のスマホだ。嬉しい!」


「なんだそれ?みんな一緒だろ」




何スマホで騒いでるんだ?

それにしても嬉しそうな顔してるな


なんか‥‥アイツ‥‥


いや、なんでもロウさんに結び付けて考えるのはやめよう




数時間後


気づくと退勤時間を過ぎている


ロウさんまだいるかな?


机には座ってない

きっと修習生を帰して日誌つけてるとか‥‥


2階の資料室へ向かう

扉の窓から明かりが漏れる


そっと扉を開けると、予想通りロウさんが書き物をしていた




「‥‥どうした?何か聞きたいことでもあるのか? 」

「あ、ロウさん‥‥邪魔でしたか?」


「邪魔じゃないよ」



ロウさんは手を止め、眼鏡を外す



「修習生どうですか?疲れてませんか?」


「修習生?可愛いよ」


「可愛い⁈‥‥俺とどっちがですか!」


「は?‥‥まぁ、北見も喜多見くんも可愛いよ」


「一緒にしないでくださ‥‥」



ん?

喜多見くん?

名前で呼んでない‥‥



「喜多見くんって呼んでるんですか? 」

「良いだろ別に‥‥」


「だからロウさん大好きです!」


「な、何言ってんだよ」



ロウさんが目線を逸らし、明らかに照れている

一旦可愛いか?



「俺‥‥ロウさんのこと本当に好きなんです。ロウさんは俺の事どう思ってますか?」



その言葉に俺の目を見つめ口元に笑みを浮かべる



「‥‥好きかもな」


「かもな?‥‥え?ハッキリ言って下さいよ!」


「大声出すなよ。聞かれるだろ」


「聞かれてもいいです!俺がロウさんの事好きだなんて署内に知らない人はいないんですから!」


「わかった!わかったから本当に静かにしろよ」


「ちゃんと答えてくれたら静かになります」



ロウさんの隣に座り、机の上のロウさんの手を握った



「俺の事‥‥どう思ってます?」



真顔のロウさんの顔が俺に近づいてくる

そして耳元で‥‥



「‥‥好きだよ、俺も」



低音イケボの破壊力


俺は半分勢いで告白してしまった事実と、まさかのロウさんの答えに多分、戸惑った表情になってるはず



「なんでお前がそんな顔してるんだよ」


「だって‥‥ロウさんと付き合えるなんて思いもしなくて‥‥でもデートとか出来るって事ですよね?」


「デートは‥‥俺外出るの苦手なんだよなぁ」


「それなら俺の家でもロウさんの家でも良いです!」


「お前、うち来て何する気だよ」


「え?何って?別にやましい事とか‥‥何にも‥‥」



動揺してしどろもどろな俺を見てロウさんが大笑いしている



「冗談だよ。まったく素直なんだから北見は。良いよ、いつでもうち来いよ」


「良いんですか?ホントに」



まだ笑いながら頭を撫でられる



「良いよ。北見が良いなら家でも外でも」




そんなのロウさんの部屋一択に決まってる






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