テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
こんばんは!
リクエストをくれた方が、
ノベルで書いて欲しいと言ってくださったので、ノベルの方で書きました。
リクエスト作品です。
【⚠️注意事項⚠️】
・ソナチ
・BL
・切ない
・センシティブなし
⚠️少しだけ史実ネタ有り
⚠️戦争賛美、政治的な意図、政治思想、思想的な主張は決してございませんのでご了承ください
⚠️史実とは一切関係ありません
⚠️すべて、私の妄想です。
蘇→ソ連
独→ナチス
では、どうぞ⬇
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夜の会談室は、ひどく静かだった。
厚い壁に囲まれたその部屋には、人の気配がほとんどない。
ただ、壁に掛けられた時計の針が、規則正しく 時を刻んでいる音だけが小さく響いている。
窓の外では雪が降っていた。
柔らかな白い雪が、音もなく夜の世界を覆っていく。
街灯の淡い光を受けて、ゆっくりと落ちていくそれを、ソ連はしばらくぼんやりと眺めていた。
やがて、視線を扉へ戻す。
蘇(……遅い)
椅子に深く腰掛けたまま、腕を組む。
呼び出したのは自分だ。
だが、こうして待っている時間が妙に長く感じる。
理由は分かっていた。
来る相手が、『あいつ』だからだ。
ガチャ、と金属の音が鳴る。
重い扉がゆっくりと開いた。
独「悪いな、待たせた」
軽い声が、静まり返った部屋に落ちる。
ナチが入ってきた。
黒い軍服に身を包み、いつものように背筋を伸ばしている。
整った顔には、余裕を含んだ笑み。
何も変わらない。
いつも通りの姿。
それなのに。
その姿が視界に入った瞬間、胸の奥がわ ずかにざわついた。
ソ連はその感覚を押し殺すように、短く言う。
蘇「……遅いぞ」
独「忙しいんだ」
ナチは気楽そうに肩をすくめる。
手袋を外しながら、向かいの椅子へ腰掛けた。
机を挟んで、数メートル。
たったそれだけの距離。
だが。
どうしてだろうか。
その距離が、妙に遠く感じる。
ナチは肘を机に置き、頬杖をついた。
そして、じっとこちらを見る。
赤い瞳。
視線が、真っ直ぐ向けられる。
蘇(……見るな)
そう思うのに、目を逸らすことができない。
胸の奥が、わずかに騒がしい。
独「今日は会議じゃないだろ?」
蘇「そうだ」
独「じゃあ何だ」
問いかけは軽い。
だが、その視線は鋭い。
ソ連は一瞬だけ言葉に詰まった。
本当の理由など、言えるはずがない。
ただ。
顔が見たかったなど。
そんなことを。
敵国の国家である自分が。
蘇「……確認だ」
低く言う。
蘇「お前が裏切っていないか」
一瞬の沈黙。
それからナチは、くすりと笑った。
独「へぇ」
頬杖をついたまま、こちらを覗き込む。
独「最近、やけに優しいからな」
蘇「気のせいだ」
即座に切り捨てる。
だがナチはまだこちらを見ていた。
その視線が、妙に落ち着かない。
見透かされている気がする。
胸の奥に押し込めている感情を。
この男は、どこかで気付いているのではないか。
そんな錯覚すら覚える。
独「なぁ、ソ連」
ナチがふと呼ぶ。
蘇「……なんだ」
独「もし」
言葉が止まる。
ナチは少しだけ視線を逸らした。
珍しい仕草だった。
普段のこいつなら、こんなふうに迷うことはない。
だが数秒後、ナチはまたこちらを見る。
そして言った。
独「もし、俺たちが敵じゃなかったら」
ソ連の心臓が、一瞬だけ強く打った。
独「どうなってたと思う?」
静かな問いだった。
だが、その言葉は妙に重い。
……くだらない。
そんな仮定。
意味がない。
俺たちは敵だ。
思想も、立場も、信じているものも、全てが対立している。
…だから。
こんな感情は
存在してはいけない。
蘇「くだらない仮定だ」
冷たく言う。
蘇「意味がない」
だが。
ナチはゆっくりと立ち上がった。
机の横を回り、こちらへ歩いてくる。
一歩。
二歩。
距離が縮まる。
ソ連は動かなかった。
ただ、視線だけでナチを追う。
ナチの手が椅子の背に置かれた。
距離が、近い。
吐息が届くほどではない。
だが、確かに近い。
独「答えないんだな」
蘇「意味がないと言った」
独「怖いのか?」
わざとらしい挑発。
ソ連はナチスを睨んだ。
蘇「……お前」
独「私は別にいいんだ」
ナチは小さく笑う。
赤い瞳が、真っ直ぐこちらを射抜く。
独「たぶん」
ナチは静かに言った。
独「同じこと考えてるぞ 」
その瞬間。
胸の奥を、何かが強く締めつけた。
言うな。
それ以上。
だが。
ナチはすぐに離れた。
数歩下がる。
さっきまでの距離に戻る。
独「でも無理だろう」
あっさりと言う。
独「私たちは敵だ」
その言葉が、胸に刺さる。
独「思想も違う」
ナチは背を向けた。
扉へ向かって歩き出す。
帰るつもりだ。
その背中を見た瞬間。
胸の奥が、きつく締めつけられた。
嗚呼…ナチが帰ってしまう。
…帰って欲しくない。
まだ、一緒に居たい。
…いっその事、全部放ってお前と一緒になりたい。
…だが、そんなこと不可能なのは、わかりきっている。
拳を握る。
爪が掌に食い込む。
…国家である自分が。
敵国のこいつを。
引き止めるなど。
許されるはずがない。
ナチが扉に手をかけた。
その瞬間。
蘇「……ナチ」
気付けば、呼んでいた。
ナチの動きが止まる。
独「なんだ」
振り返らない。
沈黙が落ちる。
言葉が出ない。
言えば、戻れない。
それでも。
ソ連は低く言った。
蘇「敵じゃなかったら」
ナチの肩が、わずかに揺れた。
蘇「多分」
ソ連は目を閉じた。
蘇「お前を手放していない」
静寂。
ナチがゆっくり振り返る。
赤い瞳がぶつかる。
ほんの一瞬。
ナチの表情が揺れた。
独「…馬鹿だな」
ナチは小さく笑う。
独「……だから無理なんだよ」
扉が開き、 冷たい空気が流れ込んだ。
ナチはそのまま廊下へ出ていった。
扉が閉まる。
再び、静寂。
ソ連はしばらく動かなかった。
机の上に、黒い手袋が落ちている。
……ナチのものだ。
ソ連はそれを手に取った。
まだ、わずかに温もりが残っている。
それを見つめながら、ぽつりと呟く。
蘇「……臆病者」
それがナチなのか。
それとも、自分なのか。
ソ連にはもう分からなかった。
「Ах… как же больно, что я не могу это сказать.」
(あぁ…それを言えないことが、どれほど辛いことか。)
「Ich wünschte, wir wären keine Feinde.」
(私たちが敵同士でなければ良かったのに。)
その言葉は、誰にも届かない。
雪の夜に、ただ静かに溶けていくだけだった。
それでもソ連は、しばらくの間。
ナチの手袋を離すことができなかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
おかえりなさい〜
どうでしょうか…!
めっちゃいい感じに書けたと思います!!
書いて欲しいモノがあれば、「〜リクエストBOX〜」の方にお願いします。
では、リクエストありがとうございました!✨
コメント
6件

リクエスト書いていただきありがとうございます!! まじでめちゃくちゃ素敵です!!!! 舞海さんに書いていただけて本当に嬉しい…;; もう上手すぎて感動です…;; ナは自分から仕掛けたくせに離れちゃうし、ソはこんなに想ってるのに自制しちゃうし辛い。 手袋の描写が素晴らしい… 手を掴みたいのに手元に残るのは手袋だけってのが切なくて泣ける。 ナは部屋で手袋外したけど意識的だったのかな。でも素手で触れ合うのは怖いよね…2人とも臆病だもんね… 縛られてる2人かわいいかわいいよ… 長々とすみません…! 素敵な作品ありがとうございました…!! 本当に理想の作品すぎて最高でした;;;; これからも応援してます!! リクエストの消化大変だと思いますが、体調など気をつけて頑張ってください!
好きすぎてやばいぃ……(語彙力消滅) これのハッピーエンド版とバッドエンド版見たい…