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ヒヤヒヤする時は結構あるけれど、だいぶ仕事には慣れてきた。
と、いうか思っているより周りにはバレていない…?
…まぁ、バレているあの2人を除いては、ね。
そう思いながらその2人をチラッと見る。
br「きりや〜ん今日仕事終わり暇ぁ〜?」
すると仕事で疲れているのか癒しを欲しているように私に話しかける悪魔……
じゃなくて、ぶるーくさんね(
kr「えぇーと、どうでしょう…」
kr「まだやる事結構ありましてー、」
この人には極力関わりたくないのだ。
僕がご主人様!…とか何とか言ってくるから〜、
kn「ぶるーくもまだ残ってるんだから喋ってないで終わらせなよ?」
br「えぇ〜、…過労死しちゃう、」
kn「まだいけるってw」
笑いながらぶるーくさんの相手をするこの人はきんときさん。
以前窮地から私を救ってくださった、恩人と言っても過言では無い。
この人はだいぶ信用できるのだ!
kn「…あと、さっききりやんの分の仕事やっといたから夕方どっか行こっか」
私の分の仕事まで…仕事量とんでもないだろうに、優しすぎるのでは!、
関心しながら感謝を述べる。
kr「いつの間に、ありがとうございます!」
br「えぇっ!なにそれずるい!!僕も行くから仕事やってぇ〜!!」
今度は駄々を捏ね始めるぶるーくさん。
kn「自分の分は自分でやろうね^^」
br「それだときりやんの仕事の分どうなるの!」
kn「それはそれ、これはこれだからw」
私は笑いながらその光景を見ている。
と、まぁ2人とはそれなりに仲良くなった。
話を聞くと、どうやら2人は小さい頃からの顔馴染みだったらしい。
執事試験に合格したら勝ちという遊び半分で受けたところ、どちらとも受かってしまったと…。
だが、今では楽しく勤めているそうで結果オーライだとか。
kn「というか、出かけると言ってもまだ城内案内してないからそれ教えるだけだよ」
あぁ、そゆことかと納得する。
br「え〜、だとしても僕も行きたかった、」
kn「きりやんは俺と、ぶるーくはお仕事頑張ろうね^^」
ぶるーくさんはムスッとした表情で嫌々、
わかったよぉ、
と、返事をする。
kr「お言葉に甘えて、お願いしますねきんときさん!」
kn「…」
急に無言になるきんときさん。
あれ、今私何か良くないこと言った…?
少し不安になっていると、
kr「…呼び名それ長いね」
ん、呼び名?
すると、ぶるーくさんも
br「あ〜それ僕も思ってた」
kr「えーと、呼び名ですか…?」
kn「きんときさん、ぶるーくさんってちょっと長くない?」
言われてみればたしかに…?
kr「でも、名前が4文字の定めというか…w、」
br「この際あだ名で良くない!?」
突然の閃きぶるーくさん。
kn「あーあだ名か。それいいね採用」
どんどん話が進んでいく。
kn「どんな呼ばれ方が良いかなー…」
なんて拒否権がないようだ。
br「僕ぶるさんとか呼ばれたい!」
kr「ぶ、ぶるさん…ですかw、」
少し恥ずかしながらもそう呼ぶと、
br「やばっ良い!」
と、とびきりの笑顔でそう言われる。
kn「んじゃ俺もせっかくならきんさん呼びか?」
つられるようにそう彼も言った。
kr「…w、きんさんっ!」
もうせっかくなら仲良くなってしまえば良いかと、吹っ切れ半分、笑顔でそう呼んだ。
kn「…っ、おぉ〜良いじゃんw」
なぜか満足したように嬉しそうにしている。
対抗するようにぶるーくさん…じゃなくて、ぶるさんも、
br「へ〜笑顔で言われて喜ぶんだぁ」
kn「いや嬉しいだろw」
br「残念だけど僕照れ顔で言われました〜僕の方がレアです」
kn「俺だけの笑顔だったから今のは」
br「それ言ったら僕もですぅ〜」
バチバチと火花を散らしながら言い合う2人の仲裁に入る。
そろそろその会話をやめてほしい、恥ずかし…w、
kr「〜っ、わかりましたからっ!//」
kr「もう話は終わりっ、仕事早く終わらせますよ!///」
そう言って2人に掃除道具を無理矢理持たせる。
br「やっっば、照れ顔+怒った顔は反則じゃんw」
kn「…さすがに逮捕か」
br「ちょ、きんさんそれは発言良くないw」
もうこれ以上2人とは恥ずかしくていられず、キッと睨んでからその部屋をそそくさと出た。
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kn side
彼女は怒ったらしく出ていってしまった。
br「…えぇ、今の見た?、」
先に口を開いたのはぶるーくだ。
kn「冗談抜きで、照れに涙目で睨みは殺しにきてるよ」
それなぁ〜??と、共感の意を示す彼。
……
実は聞きたかったことがあるのだ。
どうせなら今聞いてしまおう。
kn「ぶるーくさ」
呼びながら彼の方を見る。
br「ん〜?」
さっきとは打って変わってもうお仕事モードに入ったらしく、手を忙しなく動かしている。
手を止める気がないようなので、俺も窓を拭きながら続ける。
kn「きりやんのこと好き?」
後ろで掃除していたであろう音が消えた。
どうやら手が止まったようだ。
……
少し経ち、やっと返事がきた。
br「きんさんはどうなの」
悩んだ結果の回答がそれかよ。
と、ひよったような返事だったが応えた。
kn「俺は好きだよ」
そうありのままの気持ちを言った。
は?と、小さく声が聞こえたが、ぶるーくは続けて言った。
br「まぁ僕もきりやん好きだから」
br「…きんさんがその気なら僕も本気でいくから」
お〜宣戦布告のようだ。
だけど…、
kn「あ、やっぱり?w」
kn「きりやん面白いもんね〜^^」
kn「普通に良い友達を持ったって言うか〜w」
振り返ってぶるーくの方を見ながらそう答える。
と、彼の顔は眉をひそめて、
br「…え?」
今度はさっきよりもはっきりと聞こえるように言ってきた。
br「ちょ、まってまって」
焦りに焦った表情で確認をとってくる。
br「好きって…like、のこと?」
嘲笑うような笑みで彼に言う。
kn「逆にそれ以外何があるのかなぁ〜?w」
一気に焦りから怒りに変わる彼の表情。
br「は、はぁぁああ??w、ちょっときんさ〜ん??」
ホウキを手に俺に近づいてくる。
kn「あれ、あれれ〜?ぶるーくもしかして、きりやんのこと…?w」
煽りながらも距離をとっていく。
br「〜っ!、騙したなぁっ!!?///」
今度は徐々に顔を赤らめていく。
kn「www」
爆笑しながらその部屋を飛び出した。
俺の仕事はもう終わったが、ぶるーくはまだなためしばらく部屋から出られないだろう。
部屋から離れて振り返ると、
後で覚えてろよ…
とでも言うような佇まいと表情で俺を睨んでいた。
あー怖い怖いw、てか幼馴染の初恋知っちゃった〜
と、ルンルンで次の仕事に行った。
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br side
さいっっっ、…あくだ。
爆笑して部屋から出ていった、青色のあいつの背中に呪文を唱えながらその場にしゃがみこむ。
まさかあんな言葉に引っかかるとは、自分でも思わなかった。
……
というか、僕ちゃんときりやんの事好きなんだ、
あらためて考える。
可愛いと思っていたのは事実。
だけど、それは小動物とかと同じような可愛いだと勝手に思っていたのだ。
きんときに好きか聞かれて真っ先に思い浮かんだのは、やはり恋愛感情の方の好きだった。
そしてまさか本当にそれに当てはまる好きだったとは…
br「…一応、僕の初恋なんですけどぉ〜、」
誰に言うでもなくただただ呟く。
br「てかなんなら初恋実らせたくね…?」
彼女の姿を思い浮かべると俄然やる気が出てきた。
br「絶対成功させるぞー!!!」
……数分後
そう決断したのも束の間。
自分の過ちにもう後悔している。
br「なんだよぉ、僕のご主人様になれって……」
さっきの勢いとは裏腹にメソメソとその場にへたれこんでいる。
面白半分で彼女にそう言ったのだ。
今思えばだいぶエグい発言をしている自分の異常さに猛反省する。
これからは名誉挽回するために頑張るか〜…、
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コメント
1件
もうほんとに好きですっ(((👊