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#異世界転生
K-Takasaka
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K-Takasaka
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#タイムループ
警察官たちに囲まれた道路で、俺は両手を上げたまま立っていた。
「おとなしく降伏し――」
「な〜んちゃってっ」
俺が言うと、警察官たちの動きが止まった。
メバルちゃん、カキ、マサカゲ、ミステー、アオノも、驚いた顔で俺を見る。
「Kさん、今のはどういう意味!?」
メバルちゃんが叫ぶ。
「作戦を始める」
「作戦って、何の!?」
俺は警察官たちの間をすり抜け、パンクしたキャンピングトレーラーへ走った。
「Kさん!」
機動隊員が追ってくる。
「止まれ!」
「K-T、戻ってきて!」
マサカゲの声が聞こえた。
俺はトレーラーの扉を開け、中へ飛び込んだ。
車内には、普段は見えない小さなレバーがある。
アオノが見つけ、俺に場所を教えていた緊急用の装置だった。
レバーを引くと、トレーラーの側面から防爆盾が五つ、勢いよく降りてくる。
盾は車体の側面に取りつけられた収納装置から展開され、地面に並んだ。
「は?」
警察官の一人が間の抜けた声を出す。
俺はトレーラーの窓から外を見た。
「全員、盾を構えろ!」
メバルちゃんたちはすぐに防爆盾の後ろへ隠れた。
「これ、いつの間に用意したの!?」
カキが盾を構えながら叫ぶ。
「Kさんが合図したら使うように、事前に準備していた」
マサカゲが答える。
「でも、俺は合図なんて聞いてないぞ!」
「『な〜んちゃってっ』が合図」
アオノが淡々と説明した。
「そんなの分かるか!」
ミステーが盾の隙間から警察官たちを見る。
「盾は、驚きを受け止めるための壁」
「今はちゃんと受け止めて!」
メバルちゃんが叫んだ。
俺はトレーラー内部の最後のレバーに手をかけた。
アオノが作った、緊急脱出用の撹乱装置。
俺はレバーを引いた。
トレーラーの後方から、強い光と大量の白煙が噴き出す。
同時に、車体の側面に取りつけられていた発煙装置が作動した。
警察官たちは一斉に混乱する。
「何だ!?」
「視界が――!」
「下がれ!」
白煙が道路いっぱいに広がった。
大きな破裂音が響き、トレーラーの後部で爆発が起きる。
防爆盾が爆風と破片を受け止めた。
メバルちゃんたちは身を低くして耐える。
「きゃあっ!」
「伏せろ!」
マサカゲが声を張り上げる。
爆発は大きかったが、トレーラーそのものを破壊するものではなかった。後方に取りつけられていた撹乱装置が吹き飛び、黒い煙が空へ上がっていく。
煙の向こうで、警察官たちが慌てている。
「今だ!」
俺はトレーラーから飛び出した。
「メバル、カキを連れて右へ!」
「分かった!」
「マサカゲ、アオノ、ミステーは左側を確認!」
「了解!」
六人は防爆盾を置き、森の中へ走り出した。
「Kさん、トレーラーはどうするの!?」
メバルちゃんが振り返る。
「タイヤが使えない。置いていく」
「せっかくのトレーラーなのに!」
カキが叫ぶ。
「また戻ってくる?」
「警察に囲まれてなければな」
マサカゲが答えた。
森の中は暗く、足元には木の根や石がいくつもあった。
カキが何度もつまずきそうになる。
「カキちゃん、前を見て! 転ぶよ!」
「見てる! でも木が多すぎる!」
「山の中だからね!」
背後から、警察官たちの声が聞こえてくる。
「逃げたぞ!」
「森の中を捜索しろ!」
「狐のお面の連中もいる!」
白煙が薄れれば、すぐに追いつかれる。
俺は先頭を走りながら、周囲を確認した。
「この先に斜面がある。足元に注意しろ」
「Kさん、分かった!」
メバルちゃんが返事をする。
斜面を下ると、小さな沢に出た。
水の流れる音が、背後からの声をかき消してくれる。
全員が沢の中へ入り、できるだけ音を立てずに進んだ。
ミステーが突然、立ち止まる。
「こっち」
「何か見つけたの?」
アオノが尋ねる。
「木々の間に、風の通り道がある。山が呼んでいる」
「風の通り道?」
マサカゲが周囲を確認する。
確かに、木々の間に細い空間が続いていた。人が通った跡もある。
「獣道かもしれない。でも、今は他に道がない」
俺は先へ進む。
「ミステー、先導しろ」
「分かった。山の声を聞く」
「普通に足元を見て進め」
メバルちゃんがツッコんだ。
全員で獣道を走り続ける。
背後から、枝を踏み折る音が聞こえた。
追手が近づいている。
「Kさん、まだ追ってきてる!」
メバルちゃんが叫ぶ。
「止まるな」
「でも、息が……!」
カキが苦しそうに言う。
「カキ、あと少しだ。走れ」
マサカゲが励ます。
俺は前方を見た。
木々の間から、わずかに明かりが見える。
山の中に、古い作業小屋があった。
「小屋がある」
アオノが言う。
「隠れられる?」
メバルちゃんが尋ねた。
俺は小屋の周囲を確認する。
入口は壊れている。中は暗く、使われていないようだった。
「入る」
全員が小屋の中へ駆け込んだ。
マサカゲが扉を閉じ、アオノが周囲の隙間を確認する。
外では、追手の声が徐々に近づいてきていた。
「このあたりにいるはずだ!」
「手分けして探せ!」
カキが息を殺す。
メバルちゃんはカキの肩を抱き、ミステーは壁際でじっとしている。
俺は扉の前に立ち、トンファーを握った。
足音が、小屋のすぐ近くで止まった。
誰かが、扉に手をかける。
全員が息をのんだ。
しかし、外から別の声が聞こえた。
「向こうだ! 沢のほうを探せ!」
足音が遠ざかっていく。
しばらくして、森は静かになった。
「……逃げ切った?」
カキが小声で尋ねる。
「まだ分からない」
マサカゲが答えた。
俺は小屋の小さな窓から外を見た。
遠くの山道に、赤い光が見える。
警察車両のライトだ。
俺たちはトレーラーを失い、山の中へ逃げ込んだ。
それでも、狐のお面のグループと、洗脳された警察官たちは追跡をやめていない。
「ここで休めるのは少しだけだ」
俺は全員を見る。
「夜が明ける前に、もっと奥へ行く」
「Kさん、本当に休まなくて大丈夫?」
メバルちゃんが心配そうに聞く。
「問題ない」
「またそれ?」
「俺は問題ない」
外から、遠くでサイレンが鳴った。
山の中を、追跡者たちの声が響き渡る。
俺たちは小屋を出て、さらに深い森へ走り出した。
――逃走は、まだ終わっていなかった。
コメント
1件
いやあ、今回もアツかったですね!「な〜んちゃってっ」が合図だったってオチ、痺れました。事前に準備してあった防爆盾と撹乱装置、キャラごとに役割がちゃんとあって連係プレイが気持ちいい。でもトレーラーを失って山の中へ…追跡がまだ続いてる終わり方、次が気になって仕方ないです。メバルちゃんのツッコミも相変わらず絶好調でした(笑)。