テラーノベル
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俺は夕飯の時、みんなに呼びかけた。
【ぷりっつ】「話したいことあるから、食べ終わったら座ってて」
リビングの電気はついてる。
テレビはついてない。
【あっと】「……で、何の話?」
長男の声。落ち着いてるけど、様子を探ってる。
【ぷりっつ】「……あっきぃのこと」
一瞬、空気が止まる。
【まぜ太】「……今さら?」
【けちゃ】「戻ってこいって話?」
【ちぐさ】「……」
末っ子は、何も言わずに聞いてる。
【ぷりっつ】「違う」
短く否定した。
【ぷりっつ】「昨日、外で会った」
【あっと】「……あっきぃに?」
【ぷりっつ】「青髪と赤髪の人と一緒だった」
【まぜ太】「あぁ、確かに」
【ぷりっつ】「……俺、名前呼んだんよ」
その先が、少し詰まる。
【ぷりっつ】「そしたら、過呼吸になってた」
沈黙。
【ちぐさ】「……え?」
【あっと】「大げさじゃ——」
【ぷりっつ】「違う」
声が、思ったより強く出た。
【ぷりっつ】「あれは……俺らがやった」
【あっと】「……どういう意味だ」
【ぷりっつ】「嫌ってたわけじゃない、って。
放ってた。空気にしてた」
【ぷりっつ】「一番、きついやつ」
言いながら、胸が痛くなる。
【ちぐさ】「……家でも、そうだった」
小さな声。
全員が、ちぐさを見る。
【ちぐさ】「話しかけると……邪魔そうだった」
【ちぐさ】「笑うと……うるさいって」
【けちゃ】「……」
【まぜ太】「……」
【ぷりっつ】「俺、昨日まで
“戻ってこい”って言えば済むと思ってた」
【ぷりっつ】「でも違った。
戻れる場所を、俺らが壊してた」
【あっと】「……」
あっとが、深く息を吐く。
【あっと】「…俺もだ」
【あっと】「兄として、まとめることばっかで、
あっきぃのこと、見てなかった」
【けちゃ】「……嫌い、ではなかった。
ただ……どう扱えばいいかわからなかった」
【まぜ太】「……逃げてたんだな、俺ら」
【ちぐさ】「……あき兄、優しかった」
その一言が、胸に刺さる。
【ぷりっつ】「……今、あっきぃはさ、
別の家にいる」
【ぷりっつ】「ちゃんと、守られてる」
【まぜ太】「……じゃあ
俺ら、何すればいいん だ?」
【ぷりっつ】「……追いかけない。
でも、切らない」
【ぷりっつ】「“戻れ”じゃなくて、“待つ”」
【あっと】「……連絡は?」
【ぷりっつ】「俺が、する」
【ぷりっつ】「謝る。言い訳しない」
【けちゃ】「……僕も、いつか言う」
【まぜ太】「……タイミング、待つ」
【ちぐさ】「……あき兄に、優しくする」
その言葉に、全員が黙る。
【ぷりっつ】「……遅いけど、
今度は、兄でいる」
誰も笑わない。否定もしなかった。
その夜、
兄弟は初めて
**“あっきぃを失った理由”**を
同じ方向から見ていた。
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