テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
亮平📩『おはよう。さっき電話したんだけど?お取り込み中だった?今日は午後からグループ仕事だね。また後でね』
ライブの打ち合わせで事務所に全員が集まっている。翔太がまだ来ていない。電話にも出ないしメールも返信がない。何かあったのだろうか、スマホを見ても何の知らせも入っていない。
大介🩷『よっ亮平どうしたさっきから携帯ばっか見て心配事?』
亮平💚『いや別に何も』
蓮 🖤『しょっぴーが遅いの珍しいね…』
大介🩷『あぁ腰痛いって言ってたなぁそう言えば』
昨日別れた時はそんな事言ってなかったけど。激しすぎたかな。まさかそれで怒ってるとか…熱があっても休まない翔太がそんな事で休むわけない。
その後マネジャーから体調不良で翔太は休むと告げられた。どうしちゃったんだろう。
康二🧡『照兄しょっぴーのお見舞い行っても大丈夫?』
照💛『俺が代表してみてくるよ。マネジャーもよく分かってないらしいんだよ。休むって連絡もらってから携帯繋がらないらしくて』
大勢で行くと迷惑だろうからと照は付け加えると、皆んなでカバーし合いながら乗り切ろうと続けた。
照💛『亮平、打ち合わせの記録残して翔太に送っといてよ』
亮平💚『分かった…あの俺が行っちゃダメかな翔太の家。今日の…』
大介🩷『打ち合わせ始めようぜ』
佐久間に遮らて最後まで話ができなかった。休憩の合間に翔太に電話をかけるけど電源が切れてるのか呼び出しすらしなかった。
亮平📩『翔太どうしたの大丈夫?今日仕事の帰りに家に寄るね。買ってきて欲しいものとかある?』
届くかわからないメッセージを送った。
連絡がつかなくなるなんてこんな事初めてだ。
イヤな空気がメンバーにも広がっている。佐久間一人だけがいつもと変わらず楽しそうに打ち合わせしている姿が目立った。
打ち合わせを終えて照の元へ向かう俺に遮るように佐久間が目の前に立ちはだかった。
亮平💚『何だよさっきから』
大介🩷『何の事?たまには一緒に飯でも食わねえ?』
帰り支度の早い照はもうその辺には居なくなってる。慌てて携帯に電話を入れようと手にすると佐久間が取り上げた。
大介🩷『翔太の家行かない方がいいぞ』
不適な笑みを浮かべその場を立ち去ろうとする佐久間を今度は俺が引き留めた。
亮平💚『お前今度は翔太に何したんだよ』
事務所には康二だけが残っていて俺たちの唯ならぬ雰囲気に驚きを隠せないでいる。
大介🩷『翔太は真っ直ぐな奴だ嘘はつかない。俺じゃないよ傷つけてるのは嘘つきの亮平くん』
佐久間の手から離れた携帯を慌て受け止めた。〝待てよどういう意味だよ〟佐久間は俺に近づき耳元でそっと囁いて帰っていった。
大介🩷『ダメだよ亮平。俺に抱かれたように翔太のこと抱いたろ?可哀想な翔太。アイツの絶望的な顔お前に見せてあげたかった』
気がつくと康二が俺の元に駆け寄って来て、床にへたり込んでいる俺を椅子に座らせた。
康二🧡『阿部ちゃん大丈夫?どないしたの?』
守るどころかまた俺が翔太を傷つけた。
翔太が佐久間から酷いことをされてると聞いた時、薄々気付いていた、俺のせいだって。
俺は翔太の事を好きになり、佐久間に別れを切り出した。佐久間はその後も俺と何ら変わらずに接してくれていた。その代わりに翔太を甚振っていたんだ。俺のせいだと分かったら嫌われると思って言えなかった。嘘をついた訳じゃない・・・言えなかった嫌われたくなかったんだ。
亮平💚『ごめんありがとう康二』
お礼だけ言うと足早に事務所を後にするとタクシーに乗り翔太の家へ向かった。先に着いていた照とマネジャーが帰るところだった。
照💛『俺が一人で行くって言っただろ?』
亮平💚『ごめん…ほら資料も渡さなきゃと思って。それに心配だから』
照💛『少し何処かで話そう』
〝えっでも翔太が〟そう言う俺を〝いいからついて来い〟と言って制止すると近くの喫茶店に二人で入った。
亮平💚『はっ?引っ越してる?』
誰にも言わずに引っ越してしまったらしく、行き先が分からないのだとか。何か聞いていないかと尋ねられ、翔太と俺、佐久間のことを話した。
照💛『そう…翔太は辛い思いをしてきたんだな。お前に救えるの?出来ないなら翔太から手を引け。これ以上傷付けるな』
亮平💚『俺にしか救えない。本気なんだ翔太の事』
照💛『気持ちだけじゃどうにもならないぞ?現にいなくなった。大変な事態だよ』
翔太💙 『やっほー』
涼太❤️『お前バカなの?』
涼太 side
インターホンの画面に映り込んだ翔太は思ってた以上に元気そうだった。
勝手に誰にも言わずに引越し、音信不通になったとメンバー間で共有された、身勝手極まりない幼馴染が画面越しに戯けている。すぐさま照に連絡してもいいのだがまずは話を聞くのが先だろう。
涼太❤️『さっさと入れバカ翔太』
部屋に入ってくるなり〝可愛い幼馴染に随分な言い草だね〟なんて呑気なやつだ。椅子に座るなり〝暫くの間ここに泊めてお願い涼太〟なんて目を潤ませている。
涼太❤️『それは構わないけど、皆にはここに居る事伝えるから。そしてちゃんと俺に事情を話せ。それができないなら照にお前を引き渡すぞ』
翔太💙『人質じゃないんだから・・・分かった』
話を聞いても信じられない事の連続でまともに気の利いた事が言えない。全てを聞いてもらえてスッキリしたのか〝腹減ったなんかねぇの?〟なんて言っている。よくこんな平気でいられるモノだ・・・平気なはずないか。
涼太❤️『飯作ってやるから、風呂入ってこいよ。その大きな荷物も空いてる部屋に運べ』
〝うえーい〟と返事した翔太は荷物を運び出すと、着替えを持って風呂場へ向かう途中
翔太💙『覗いちゃダメだからね///』
涼太❤️『バカなの?』
敢えて明るく振る舞っているのがバレバレなんだよ。
俺は照に電話を入れ翔太のことを伝えると、事情を知っている様子で亮平と二人で向かうからと告げ電話が切れた。俺は夕飯を4人分に変更した。お風呂から上がった翔太は適当にスキンケアを済ませると、キッチンに立ちつまみ食いをしようと手を伸ばしている。パチンと手を弾いて阻止すると〝こんなにいっぱい作ってどうするんだよ〟と膨れっ面だ。
インターホンが鳴りキッチンを離れると、唐揚げをつまんでいる翔太を睨みつけた。
涼太❤️『どうぞ』
翔太は唐揚げに夢中で宅配か何かだと思っているのだろう〝レモンないの?〟と言って本格的に食べようとしている。
深刻な話を前に唐揚げは胃がもたれるかもしれないな・・・今更後悔しても遅いが、翔太の言う通りレモンをカットして添えた。リビングに入ってきた二人を見るなり、翔太の口から唐揚げが落ちた。
涼太❤️『おい汚いな!』
翔太💙 『なんで・・・』
涼太❤️『早い方がいい。こう言うのは・・・座ってまずは飯食おう』
翔太💙『お前傷口にレモンかける気だな』
涼太❤️『そんだけ冗談が言えるならお前は大丈夫だ!』
照💛『お前ら二人そんなに面白かったっけ?涼太を訪ねてくれてよかったよ翔太』
さっきまでの元気な翔太が嘘のようにシュンと小さく椅子の上に収まった。目の前には凛と佇む亮平の姿があった。
涼太❤️『折角作ったんだ。全部食べてよ』
翔太は観念したのか大きな声て〝いただきます〟と言うと左手に持ったご飯をバカみたいにカッ混んでいる。
その姿に照と亮平は圧倒され二人顔を見合わせている〝二人とも遠慮せず食べて〟そう言うと翔太に続いて二人も食事を進めた。翔太は目に涙を溜めながら〝うめぇ〟と言うと、亮平は静かに自分の頬を伝う涙を拭った。
照💛『涼太美味しかった。ありがとなっ。翔太、亮平二人で話して来い何時間でも待ってるから。明日みんなオフだろっ涼太酒でも飲んで待ってよう』
涼太❤️『いいねぇとっておきのお酒があるよ』
亮平は意を決したように奥歯をグッと噛む仕草をすると翔太の座る隣に立って手を差し出した。
亮平💚『翔太おいでちゃんと話そう』
無言で亮平の手を握った翔太は、立ち上がると泣きながら亮平に抱き付くと二人で外の公園で話してくると言い、俺らに軽く頭を下げマンションを後にした。
照💛『大丈夫かね?』
涼太❤️『大丈夫でしょ。じゃなきゃあの手を取らないだろっ』
照💛『頼もしいね涼太は』
涼太❤️『何年翔太の事見守ってると思う?お前もだろっ?』
照💛『危なっかしいからね翔太は昔から。亮平になら安心して任せられる』
並々に注がれたグラスを掲げ重ね合わせると〝二人の幸せを願って〟そう言って照はウインクをした。
〝イイ奴過ぎるだろ〟と俺が言うと〝お前もだろっ〟互いを称え合う謎の時間がはじまった・・・
コメント
12件
待ってるよぅん💙
どうなるんだろ😱😱😱😱
おかわり🍚 どうなるんだろ🤔まったく想像がつかない…。❤️と💛が💙に気持ちあるならエモいけど、💚ちゃん応援してるしなあ、、、