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テラーノベル(Teller Novel)
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変身を解いた6人は、花子さんの元に歩み寄る


ジンペイ「花子さん、マタロウを返して貰おうか!」







マタロウ「僕はまだ帰らないよ!」



前方から聞き覚えのある声を聞いて、一同はバッと前を見る



アゲハ「マタロウ君!」


フブキ「大丈夫だった!?」



6人はマタロウの元に駆け寄る


何時もの制服ではなく、ピシッとしたスーツに緑のネクタイ、眼鏡も何時もの丸縁ではなく、四角い赤縁眼鏡に変わっていた


一体、何があってこんな格好に…?」



ジンペイ「でも、帰らないってどういう事だ?」


リュウスケ「それに、その格好は……」


マタロウ「実は僕、この世界に来てすぐに、花子さんランドの『スーパーバイザー』に任命されたんだ」



マタロウは一息つくと、眼鏡をクイッと押し上げ、更に続ける



マタロウ「花子さんは、長い間『後悔』しているって、僕に話してくれたんだ。


自分の個人的な怨念で、多くの人の人生を奪ってしまった事を」



花子さんは地面に手をつき、悲しそうに瞳を揺らす



執事「そして、せめてもの罪滅ぼしの為、ここで楽しんで貰いたいと、


モラシタ・ラ・ダメリアを一大テーマパークにする事にしたのです」


マタロウ「僕は、そんな花子さんの手伝いをしてあげたくなったんだ。


申し遅れましたが私、こういう者です」



マタロウはスーツの内ポケットから名刺を取り出し、アゲハに手渡した


そこには、『スーパーバイザー 玉田マタロウ』と書かれてある


文字の周りには玉ねぎが散りばめられている←



コマ「適応力高すぎっ!」


マタロウ「言っとくけど、花子さんとの握手は1人2秒までだからね!?」←



マタロウは眼鏡のレンズをキラッと光らせた


アゲハは座り込んでる花子さんの方を振り向く



アゲハ「花子さん…長い間後悔してたんだね……」


花子「…最初はただ寂しくて、遊び相手が欲しかっただけなの。


でも、寂しいと思う気持ちがトイレに異空間のトンネルを作ってしまった」


執事「生前の花子様が持っていた不思議な力が、暴走してしまったのでしょう」


花子「そして私は、どんどんやって来るお友達と遊んでいたの。


…でも、ある日…」






今から何十年も前___



花子「私が、お母さん役ね!……ぁ…」



机を囲んで異空間からやって来た子供達と、飯事をして遊んでいた。


だが……



「ママに会いたい…」



花子さん以外の子供は全く楽しそうな顔をせず、寧ろ目に涙を浮かべていた



花子「………」



執事「花子様はその日以来、トイレで『花子さん、遊ぼう』と言うと攫われる、


という怖い噂を流して、子供達が異空間に近づかない様にしたのです」


花子「でも、それが逆効果だった。噂を確かめようとして、今までよりももっと引き付けてしまったの」



悲しそうに俯く花子さんを見て、メラが苦い声を上げる



メラ「皮肉なもんだな…」


アゲハ「じゃあ、マタロウ君が消えたのも花子さんが態とやったんじゃなくって…」


マタロウ「そう!『たまたま』ですっ!」←



無駄に眼鏡を光らせてドヤ顔するマタロウ。


思わずフブキが突っ込んだ



フブキ「自信を持って言う事!?;」



花子「この異空間から、皆を戻してあげたかった。…でも、私には無理だった…」


マタロウ「ならば、せめてここで楽しんで貰いたい。


そんな思いで花子さんは、モラシタ・ラ・ダメリアの住民を持て成し続けてきたんだよ」


花子「だけど…何をしても、私が皆から奪ってしまった時間は帰せない…!」



花子さんは目を瞑って俯く



コマ「花子さん……」



辺りに沈黙が訪れる中、フブキは顎に手を添えブツブツと呟く



フブキ「時間…異空間……あ!もしかしたら…!」



閃いた様子で顔を上げるフブキに、アゲハが声をかける



アゲハ「どうしたの?」


フブキ「私と花子さんの力を合わせれば、何とかなるかも!」


「「「「「「え?」」」」」」



フブキはペンを取り出し、四つん這いになって地面に文字を書き始めた



フブキ「花子さんの異空間を開く能力と、時間を戻すクロックレディの能力……


この2つを足せば、攫った時間と場所に戻る事が出来る筈!」



フブキ「題して、『カムバック青春!フォーエバーヤング大作戦』!」



無駄に身振り手振りし、最後にキラキラとポーズを決めるフブキに、コマが突っ込む



コマ「その名前はどうかと思うなぁ……」








フブキが呪文(?)を黙々と書き続けていると、アゲハが大勢の人達を引き連れて戻ってきた



アゲハ「皆~!住人の人達集めてきたよ!」


ジンペイ「お~アゲハ、ありがとな!」



ジンペイはニッと笑ってアゲハに向かって手を振る



帰れると分かった住民等は、口々に声を上げる



「帰れるの?」


「本当か?」


「お母さんに会える…!」



住民の中には幼い子供も居て……


花子さんは、住民達の元に歩み寄る

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