テラーノベル
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おうちに帰って、お風呂に入った僕は、涼架さんに声をかけられて、ある部屋にきた。そこにはすでに滉斗さんがいて、ふかふかの椅子に座っていた。
「お待たせ、滉斗」
「涼兄ぃ、べつに待ってねぇよ」
さっきまでのビリビリした感じはなくて、穏やかな温かい空気が部屋に流れている。しばらく3人で用意されていたお茶を飲んで、誰も話さなかった。
「……ねぇ、本当に良いんだね?滉斗」
ようやく誰かが声を出したと思ったら、涼架さんだった。でも、言っていることが分からない。なにが良いの?滉斗さん、なにか言いたいことがあるのかな。
「……あぁ」
「そっか。僕はいつでも良いから、滉斗のタイミングでね」
やっぱり、滉斗さんはなにか言いたいことがあるんだ。でも言いにくいのかな。お茶のカップをもったまま窓の外をみている。
「……なぁ、元貴」
ことんって音を立ててカップを置いた滉斗さんが、静かに話し始めた。どうやら、僕に関することみたいだ。やっぱり、めんどうだったかな。
「元貴、あの日、夢でなにがあったんだ?」
夢?、真っ暗なところで誰かが話してた。ひ……とって人が、僕を守るって言ってた。ひ……と?ひろと?滉斗……滉斗さん!?
「おまえには兄ちゃんがいるんだ。4つ年上の」
うそだ、そんなはずないよ。いま目の前にいる凄い人が、僕のお兄ちゃんだなんて。うそだよね、きっと、うそだよ。
「名前は、大森滉斗……元貴、俺は本当は大森滉斗なんだよ」
……どういうこと?いま目の前にいるのは、藤井滉斗さんと、藤井涼架さん。それは間違いない。でも、滉斗さんは、本当は大森って名字なの?なんで名字が2つあるの?
「元貴のフルネームは、大森元貴……俺は元貴の兄ちゃんなんだ」
僕の名字は、大森っていうの?滉斗さんと同じ?
そして、僕にはお兄ちゃんがいて、それが目の前の滉斗さんなの?どれが本当でなにがうそ?
「急にいわれても分かんないよね~!大丈夫、大丈夫!」
「俺はちゃんと分かってるから、それだけは覚えててくれ」
僕もよく分かんな~い、と笑う涼架さんの隣で、僕の頭の中は?だらけ。僕は、大森元貴で、滉斗さんは、藤井滉斗だけど大森滉斗でもあって、僕と滉斗さんは、兄弟……。
うそみたいな話だけど、滉斗さんや涼架さんがうそを付いたことは、一度もなかった。なら、全部本当なのかな。
「ごめんな元貴、俺、おまえを守るっていったけど、結局守れなかった」
そう頭を下げた滉斗さんの目は、悔やむような苦しそうな目だった。また会えてって言ったのも、間に合ってって言ったのも、全部滉斗さんは僕のことを知ってたから?
「施設を追い出されて、どこにいるか分からなくなる前に会えてよかった」
そっか、18歳って、世間では成人、大人なんだっけ。僕、もう少ししたら、追い出されてたんだ。でも、二人が助けてくれた。それに、僕を選んだのは滉斗さんでしょ。守れてるよ、多分。分からないけど。
NEXTコメント×2以上(+書けたら)
遅くなってすいません!
コメント
2件
ついに!! 今回の話が大きなターニングポイントになりそう… でも、なぜ血の繋がっている兄弟の大森さんと若井さんは別れたのだろう…? 若井さんと藤澤さんは義理の兄弟なのでは…? 続き、とても楽しみです❣️
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