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「俺は元貴の兄ちゃんなんだ」
さっきの滉斗さんの言葉が頭からはなれない。18年間も生きてたのに、誰一人として、僕にお兄ちゃんがいることを教えてくれた人はいなかった。
孤児院にも、兄弟で暮らしてる子がいたから、なんとなく兄弟とはなにかは分かっているつもり。絵本でもよく、兄弟が仲良く笑ってる絵が書いてあった。
「結局守れなかった」
確かに、あの日の夢で「俺、元貴のことぜってぇ守る」って言ってたっけ?僕が生まれてすぐの時は、滉斗さんと一緒に暮らしてたのかな……。じゃあ、なんで僕は、僕だけが、孤児院にいたんだろう。
「元貴、入っても良いか?」
滉斗さんだ。まだ、滉斗さんがお兄ちゃんなんだって信じられない。けど、滉斗さんがお兄ちゃんなら、いろんな不思議だったことが、納得できる。
「元貴……父さんの記憶ねぇか?」
お父さん、それは僕のお父さんのこと?
どんな人だったんだろう。滉斗さんに似てるのかな?
「俺はずっと、父さんから元貴の様子を聞いてたんだ。今日は積み木してたとか、絵本取られて泣いてたとか」
どういうこと?お父さんは、僕が孤児院でなにをしていたか知ってたの?なんで、どうして、知ってたの?
「俺たちの父さんは、元貴が居た孤児院の職員だったんだよ」
え!?
お父さん、あそこに居たの?でも、大森さんなんて名前の職員さん、いなかっ……あ!
いた、いたよ。おおもりさん、大森さんだよ。その人こそ、僕に名前を教えてくれた人で、僕の頭を撫でてくれた人だ!
「父さんは、元貴のこと大好きだったんだな」
じゃあ、なんで、どうして、僕は1人にされたの?お父さんのところにいちゃためだったの?僕のこと大好きだったなら、なんで助けてくれなかったの……。
「母さんが決めたことに、誰も反対できなかったんだよ」
僕を孤児院にいれたのはお母さんなんだ。お母さんは、僕のこと嫌いだったのかな。
「元貴は、誰よりも感覚が繊細だ。それは、元貴の良いところだけど、時に自分や周りを苦しめるものになる」
僕が音とか光とかにびっくりしちゃうの、知ってたんだ。もしかして、お母さんは、僕が普通の子じゃないのが嫌だった?
「いまの俺ならなんとなく理解できる。母さんは限界だったんだろうな」
やっぱり、僕が普通の子じゃないから。普通の子だったら、お母さんも僕のこと、大切って思ってくれたのかな。
僕のせいで、ごめんなさい。
「元貴も、母さんも悪くねぇよ。ちょっとだけ、大森家に神様が意地悪しただけだ」
僕が孤児院に居た理由は分かったけど……滉斗さんは、なんでここに居たの?僕のお兄ちゃんなんだよね、じゃあ、なんで、僕と一緒にいてくれなかったの?
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次話、時間かかると思います!
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