テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
視点:須藤亜樹 12月6日
あれから一体どれ程経っただろうか。意識もだんだんと薄れ、もはや痛みなど感じなくなってきていた。
あの後、優里から愛の鞭と称した暴力を受けていた。鞭で叩かれ、腹を殴られ、笑いながら弄ばれた。
「ウフフ♡、ほぉらぁ、亜樹、まだまだ可愛がってもらえるよね?♡」
そう耳元で呟かれ殴られる。なんとか目を開け、優里の方を見ると彼女は手を陰部に当て、自慰行為をしているようだった。彼女はこれを快楽に感じているようだ。心底気持ちが悪い。そしてまた、殴られる。殴られる。殴られる。殴られる。殴られる。殴られる。殴られる。殴られる。殴られ…
ドッ
その時、優里の方向からやけに聞き慣れた、先程まで聞いていた音が聞こえてきた。
「えっ…?」
驚いたのは優里の方だった。
「ねぇ…?亜樹?なんで…?なんで私のこと蹴るの…?」
自分でも驚いた。無意識のうちに優里を蹴っていたようだ。あぁすまない、優里、蹴る気はなかったんだ。そしてすまない。君には、僕の練習台になってもらうよ。
そう頭の中で呟き先程まで殴られていて脆くなっていた腕の拘束を全力でちぎり、優里の下へ走り出す。密室の中だというのにやけに風を感じられた。このまま風になり流れていきたいと思ってしまう。だが僕の体はそれを許さないと言わんばかりに一直線に優里の方向へ向かう。そして、己の拳に力を込め彼女の顔を、腹を、腕を、足を、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る。
彼女を殴る時の音はあまりに軽いものだった。元々彼女が細身だからであろう。うずくまり殴られた部分を触りながら涙を流し、「なんでごんなごどずるの!」と叫ぶ彼女を見ていると、なんの情も湧いても来ず、もはや滑稽に思えてきた。
(バカバカしい、さっきまで愛の鞭だといい僕に殴る蹴るの暴力を振るってきたくせに、自分がされたらこの有様か。)
そう呆れながらまだやめない。彼女の胸を、鼻を、太ももを、陰部をさらに殴る、蹴る。
やがて、彼女の息が浅くなり、何も喋らなくなると、僕は台所にあった包丁を持ってくる。
そして彼女の胸に突き刺す。あまり奥に入っていかない。案外肉が硬く、さらに骨が邪魔をする。
だが、感触とは裏腹に彼女の反応は大きいものだった。
「うぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ!!!!」と、悲痛な叫びが聞こえてくる。
まだ死なないようなので入念に何回も刺す。やがて、悲痛な叫びすら、掠れていき、とうとう聞こえなくなった。彼女の口元に耳をやっても息の音が聞こえない。どうやら、本当に死んだようだ。僕が、殺した。
その後風呂場に行き何十分もかけ血を洗い流した。なかなか血が落ちないというのは本当だったのだな、と身をもって実感する。そして密室に戻り、優里を、いや優里だったただの肉塊を見つめる。
一瞬この肉塊を処分しようかと考えたが、どうせこの家には戻って来ないし、あのクソ親父を殺したら死のうと思っているのだから。だが、あいつを殺す前に捕まるのはまずい。なのでホウ砂、重曹、塩をぶっかけ、押し入れの中に押し込んでおいた。正しい処理ではないと思うがによりはましだろう。
そして、僕はこの家を出て行った。
第3章 閉幕