まさに真夏日、太陽がさんさんとふりそそいだあの日。
私は15歳。中学3年の修学旅行で遊園地に行った。
だか…しかし
途中で迷子になった。
ほんとに広すぎて「ここはどこ…」と呟きながら地図をくるくる回しても分からず
じんわり汗をかきながら、私は遊園地内をさまよっていた
それから10分だっただろうか
流石に休憩しよう、熱中症になっちまうぜ、と
自動販売機でジュースでも買おうとした時
「おかぁさぁあああん!!…あれ、おかあさんじゃない…?」
何歳だったのだろう…6歳ぐらいの男の子に突進された
長めの明るい髪に、豚のピンバッチをつけていた
名を、「黄沼 晴」といった。
彼は私が母でないことに気が付き大号泣し始めた
「おがぁさぁあああああん、どごぉおおおおお」
…どうやったら間違うんだよ、私制服やんけ、と
でも迷子になる気持ちはわかったから、一緒にお母さんを探して、無事見つけたの…
「ってことがあってね。」
「何その子、めちゃかわ」
友人と昔話を繰り広げ、けらけらと分かっていた
あれから10年、私は25歳。立派なババア
彼氏だっているし、勉強もそこそこできるキャリアウーマン。
そういえばね、と友人が
違う話をしようとした時、上司に「会話ばっかりじゃなくて、仕事しなさいね」と怒られてしまった。
「はーい、」と力なく返事に、私はデスクに戻った
綺麗に着飾って、鏡の前で一回転する。
今日は中学の同窓会、最近会っていない彼にも会える
口から笑みがこぼえる、さあ、会場である学校へ行こう。
コメント
6件
あれ、口角が上に...
絶対主人公可愛いやん…︎(◜𖥦◝ )