一途 「短編」《完結》

「久しぶりー！！」

「えー、めっちゃ垢抜けしとるやんwww」

楽しい楽しい同窓会。学校の一角でやるなんて本格的だよね

みんなで笑いあって、でも違うのはアルコールが絡んでいるところ。

でも、「あぁ、帰ってきたんだな」と思うと笑みが浮かぶ

---

「もぉー、しっかりしてよ〇〇」

「えぇ〜？」

不甲斐ない、まさにこのとおり

べろんべろんに酔った私はかつての大親友に助けて貰っている

いつもはこんなに飲まない、けれどこんなに飲んでしまったには深い訳が…

｢あんなクソ男別れてよかったんだって｣

『ぐぅ…でも…』

そうです、彼氏が浮気してました。

なんか最近会えないなぁ、とか思ってたんですけどね。まさかですよ。

肩を借りながらふらふら歩き、哀愁に浸る私はただのババアそのもの。

グラウンドからは野球部の声が聞こえる…気がする

「あぁっ！？！？！？」

すごく大きな声で驚く声がした

大親友がキョトンとしている。珍しいな

素早く走る音が聞こえた

「おっお姉さん！！俺のこと、覚えてますす？？」

アルコールが回っているせいで視界がぼやけている。全然顔が分からない

「ちょっと、誰、この子」

面食いの親友が食いつくということは、かなりのイケメンなんだろう

「えぇ〜どちら様ァ？」

へへっと、赤い顔で笑う。体重は、親友に預けっぱなし

「おっ俺、黄沼 晴っていうねんけど」

コテコテの関西弁、うっすら豚のピンバッチが見えた

「…….遊園地の？」

「っっそーやで！！」

彼は嬉しそうにはしゃぐと

「おねーさん、俺ずっとおねーさんに片想いしてたんです！」

「結婚してください！！」

爆弾発言、落下

いい感じのアルコールなんざ一気に冷めてしまった