体育祭も終盤に差し掛かり軽音部のライブが近づいてくる。既に18 時を回っており、残るは吹奏楽部と軽音部の発表のみだ。ローレンは使われていない部室で最後のベースの調整をしていた。
🗝「そういえば、制服に着替えてってイブに言われてたっけ」
ガサゴソと服が擦れる音を立てながら着替えをする。
いきなり部室の扉が横に動き、ローレンはネクタイを結びながら、誰が入ってきたのか確認する。
🗝「ここ、今使って……」
佐藤「ロレ先輩さぁ、あの葛葉先輩って人と付き合ってんの?」
思いもよらない人物に思いもよらない言葉を放たれ、少々動揺する。
心臓の音が早くなるのを感じながらアンプの電源を消し、シールドを抜く。
🗝「くっさんとはそういう関係じゃない。」
シールドをグルグルと巻き付けながら、佐藤から離れる準備をする。
佐藤「じゃあ、あいつの片思いか。」
そうローレンに聞こえない声で呟く。
佐藤「ロレ先輩のことやっぱ抱かせて」
そう言い佐藤はローレンへと足を進める。
ローレンの瞳孔が思いっきり開く。
🗝「は…」
🗝「……やっぱりお前、頭イカれてんじゃないの?」
ローレンはベースを背負い教室から出ようとする。そんなローレンの腕をこれでもかというほど力強く掴む。
🗝「佐藤、痛い。離して…」
佐藤「ねぇ、ロレ先輩は気持ちよくなるだけなんだよ」
そう言い、 佐藤はローレンを思いっきりソファの上へと押し倒す。
🗝「っ!」
佐藤「初めてだから緊張しちゃうね♡」
押し倒したローレンに佐藤は全体重をかけて追い被さり、ローレンのネクタイを解く。シャツのボタンを外し鎖骨を露出させ、佐藤は衣服の中に手を伸ばし腰から胸部へと手を動かす。
これは完全にヤバいやつだ。そう思い、ローレンは抵抗を一旦止めポケットに入っているスマホを取り出す。
🗝「siri!誰かに位置情報送って、」
•*¨*•.¸¸♬︎
佐藤「!?」
ブーブー
ローレンのスマホから電話が掛かっている。
佐藤が無理やりローレンのスマホを奪い即座に電話を切る。
佐藤「ロレ先輩…何してくれてんの」
明らかに佐藤の様子が変わった。
佐藤はローレンの腕を思い切り掴む。
掴まれた場所から打撲のような痛みが広がりローレンは目を細める。
佐藤が混乱している隙にローレンは思いっきり佐藤を押しのけ部室から飛び出そうとする。
扉に手をかけた瞬間、無重力で目の前の扉が開く。勢いをつけたまま外に出たローレンは何かとぶつかってしまう。
🗝「っう”」
ローレンは相手の胸に自分の鼻を強打し、ぶつかった相手をその勢いのまま押し倒してしまう。
🎲「おわっ!」
🗝「わ?え?」
ドサッと2人は倒れ込む。ローレンが押し倒したのは葛葉だった。横にはイブラヒムと不破湊が息を上げながら、びっくりした様子で立っていた。
しかしローレンのシャツが乱雑に開かれ、シャツの裾が出ている。おまけに力強く掴まれたであろう腕が何をされたのかを物語っていた。そんなローレンの姿を見たイブラヒムと不破湊は何かに怒ったような顔で部室へと入っていった。
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