テラーノベル
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🦍🍆
オメガバースパロ。
🦍未婚。
オメガバースが分からない方は回れ右。
男性妊娠あり。
続き物です。
完全フィクション。
ご本人たちと無関係です。
ゆっくりお楽しみください。
ドズルさんと恋人関係になって2ヶ月ちょっとの事、俺はなるべくリモートでの仕事にしてもらい外出を控えるようになっていた。
「…よし、こっちは終わったよ〜お疲れ様!」
作業が終わり今日の就業をメンバーに伝えるとイヤホン越しに「お疲れ様でしたー」と返事があった。
初めて交わった次の日は、身体中悲鳴をあげて足腰は産まれたての子鹿のように震わせて、とても今から働ける状態ではなく、泣く泣く仕事を欠勤してしまった。それを機にドズルさんが皆に報告をしてくれたらしく、LINEには体調を気遣うものから祝福までたくさんの心温まるメッセージが届いていた。俺はドズルさんのフェロモンに当てられた後の記憶が斑でよく覚えていなかったが、とても心地よくてずっとこのぬるま湯に使っていたい感覚と、安心感はしっかりと覚えている。
しかし、首のチョーカーを触られた瞬間、あの嫌な記憶がフラッシュバックしてつい手が動いてしまった。決してドズルさんが嫌だからって意味ではない。あの忌々しい男どもの下劣な行為…俺はそれを思い出す度冷や汗が出る。そして柄にもなく手が少し震えてしまうのだ。
「この歳になって…本当に柄じゃないけど、」
怖いものは仕方ない。それと同時にドズルさんの纏う雰囲気や香りにはそれらの感情がなくどちらかと言うとかなり好んでいるし安心している。
「…いやじゃ、な、いんだよなぁ〜むしろ、好きと、いいますか…」
あの恐怖から救い出してくれるのはドズルさんで、あの人でないとだめだと思うほどだ。だけどやっぱり、トラウマはなかなか抜けなくてそこを触られるとつい身体が強ばる。それを知ってかドズルさんは「待ちます」と漢気を見せてくれている。
(でも、いつまでも野良なのは…怖い)
運命がいるのに番えないもどかしさと、またあの出来事が訪れたらとグルグルと思考が黒色に染まってくる。
ピコンッ
「…?」
ドロドロの思考が機械音に遮られる。目の前のPCに視線をやるとボイスチャットアプリが点滅していた。招待を受けているソレにカーソルを合わせクリック…、そこにはドズルさんが待っていた。
「…ふはっ、この人本当にエスパーかなんかなの?」
ぼんじゅうるはふふふっと笑うと「はーい、どうしました?」と最愛の人の誘いに乗ったのだった。
『体調大丈夫ですか?』
「ん?別に変わったところは無いけど?」
ココ最近やたらと俺の体調を気にしてくる。『そ、ですか〜』と歯切れの悪い返事の後『ぼんさん、で?そろそろいいと思うんですが?どうです?』とこちらの返事を伺っている。これは決して番の話しではなく……
「んー?そろそろ引っ越したいのはあったけど…同棲は、ねぇ〜?」
『えーーっ、いいじゃないですか〜俺が心配なんですけど?』
『恋人を1人にしたくないのに、あー心配だー!』とイヤホン越しにわちゃわちゃ話すドズルにぼんじゅうるはふははっと声を漏らした。
『何笑ってんですか、本気ですからね?もーいいじゃないですか?ね?同棲しましょーよ!いい物件ピックアップしてるんですよ?』
「んーー、いやねぇ〜?」
『お願いしますよ、引越し費用出すんで!』
「え?本当に?」
『はい!なんなら家電も新しいの買いましょ!』
「えー?本当に??なら、んー、いいかな〜?」
イヤホン越しの恋人がガタガタと慌ただしく動く音がする、ぼんじゅうるはなんか甘酸っぱいねぇとニヤニヤしながら耳に意識を集中していた。
「そんなに嬉しいの?」
とつい声に出してしまったそれに『当たり前でしょ!』と今日一大きな声で答えてくれた。
「あのね、だからって1週間で引っ越しは早すぎんでしょ」
「そうですね?」
新しい家で荷解きをしながらぼんじゅうるは呆れながらドズルを見ていた。
「ぼんさん、そうは言いますけど、なにか忘れてません?」
「んー?なに?」
「はぁ〜この人本当に、わかってないんだな〜」
ボソボソと呟くドズルに「変な人だね」と笑うとギロリと睨まれた。
(俺なにかした?)
ぼんじゅうるは最後のダンボールを片付けながら風でそよそよと動くカーテンを眺めた。落ち着いたグレー単色の真新しカーテンは二人で選んだ。あれがいいこれがいいとワクワクしながら選んだそれを眩しそうに見るぼんじゅうるの横顔をドズルは絶対に幸せにすると強く心に誓いながら見つめていた。
暫く甘い空気が流れていたがぼんじゅうるのクゥという可愛らしいお腹の音で二人は吹き出した。
「お腹すいたね、出前頼む?それか焼肉?」
「焼肉!いいですね〜」
ぼんじゅうるが照れたように微笑みながらお腹を摩る。それにドズルは俺もですよと同じジェスチャーで答えた。
さぁ出ようかと立ち上がった瞬間、
ピリリリリッ
「………まじか」
「………しょーがないよ、出ていいよドズルさん」
ドズルの携帯が鳴る、液晶には仕事関係の人の名前が出ていた。これは出なきゃいけないやつだとぼんじゅうるはどうぞと手を差し出し電話に出るのをすすめる。
しぶしぶ電話に出て話を聞くとこれまた厄介な仕事をふられたらしく顔を顰めだした。
「はい……はい、えっとそれ今日中ですか?」
「……」
ぼんじゅうるはこれは今日は外食無しだなと勘付くと畳まれたダンボールを物置にしまい、床を軽く拭き出す。
「えーと、はい、そうですよね」
ドズルはチラリと横目で申し訳なさそうにぼんじゅうるを見た、この顔は「いい?」という顔。ぼんじゅうるは丸を指で作ったあとほらっ行っておいでとドズルの上着とバックを渡す。その間もドズルは通話を続けぼんじゅうるから渡された物を1つずつ身に纏う。
「分かりました、なら30分後に行きますんで、はい、そこだけ進めててください。はい、はい」
「……行ってらっしゃい」
ぼんじゅうるは最後に帽子を被せてあげると頬に軽く口付ける。ドズルはグッと喉を鳴らしぼんじゅうるを見つめると通話口を片手で抑えて唇を奪った。
「ぼんさん、するならこっちね?」
「っ、バーカ」
「ごめんね、行ってきます、夜には帰るから!」
「はいはい、行ってらっしゃい、気をつけて。」
お揃いのキーホルダーに繋がった同じ鍵を握りしめてドズルは重い足を引き摺るように家を出た。
壁にもたれ掛かりひらりと手を振る色気溢れる恋人を脳内メモリーから何度も再生し、「そっこーで終わらせて帰る」と強い意志を声に出した。
「えっ!?ドズルさん!なんで会社いるんすか!?今日休みで引っ越しですよね!?」
「……MEN…それ聞くかい?」
「あ、や、お疲れ様です」
どす黒いオーラを撒き散らすドズルにMENは顔を引き攣らせた。今日は朝から引っ越し作業で1日休みを入れていたはずのドズルが会社に居るということは、「そういうことか本当にお疲れ様です」とMENは両手を合わせてお辞儀をした。
「たまんないよ本当に、いーかげんにしてよ、今日が!どれだけ!俺にとって!大事な日だったか!!」
「やー、そうッスよね〜、番様と同棲記念日で?そんな人を1人家に置いて……本当にお疲れ様です〜」
「ほっっつとに!!!こんな、滅多に言わないけど言いたいよ!クソッタレ!!クソッタレだよ本当に!!」
ダダダッと激しさを増すキーボードの音と、角が生えてきたのでは?と思う程の怒りの顔。MENは、それがおかしくてゲラゲラ横で笑っている。
「すごいっすね運命の番ってやつは!」
「たまんねぇーよ、まじで」
「お、珍しい言い方、それマジのやつだ!」
「……MEN、手伝って、あとはここのバグ編集し直しなのよ」
「…良いんすか?」
俺に借り作ると高いっすよ?とニヤリと笑う男。ドズルは「寿司、焼肉、どこがい?」と言う。
「寿司で!あざーっす!」
「回んないとこ連れてくよ!だから、たのむ!夜には帰りたい!」
「あいよ!お安い御用!」
MENは舌なめずりをすると横に並び勢いよくキーボードをたたき出した。
なんて頼もしい男なんだ!とドズルは「MEN、マジありがとう!」と背中を叩いた。
19時過ぎ、何とか仕事も片付けMENにお礼を言いながら帰路に着く。LINEで今から帰るとぼんじゅうるへ送るが既読が付かない。これは、お風呂かな?それともゲームでもしてるかな?と思ったドズルは近くのピザ屋により優雅に引越し祝いなんかを買っていた。
「今日はパーッと食べて飲んで楽しむぞ」
とぼんじゅうるの美味しそうに食べる顔を思い浮かべ、るんるんと浮き立つ足で新居の前に着く。
「……ん?」
玄関のドアを開けようとした時、ふわりと香る匂いにドズルは眉間に皺を寄せた。
「……ま、さか!!?」
焦る気持ちで鍵を差し込み勢いよく玄関を開けると、中から頭が沸騰するような激しい匂いが溢れ出てくる。
「ヒートか!!!」
やばいとぐらつく体をねじ込み玄関に鍵をする。身体中の血がグツグツと煮立つ感覚。心臓が激しく鼓動し汗がにじみ出る。
「やばいっ、これは、本当に、」
なんて匂いだ、気が狂う。
はやく、はやくあの人をーー
「犯したいっ!!」
理性が弾け飛ぶほどの甘い香り。これが運命の番の本気の発情期。ドズルは廊下に買ってきた食材を投げやり靴もバラバラに脱ぎ散らかした。匂いを発している場所へゼェハァと荒い息をしながら向かう。
前のヒートでは屋外で匂いも散乱していた為ここまで濃ゆいのは初めてだ、ドズルはドアノブを掴み勢いよく開けた。
「っぁ、ど、ずさん、おか、へりぃ」
「っーーーー!!!」
トロンと眉を下げ呂律が回っていない恋人は、今朝方クローゼットにしまったはずのドズルの衣類をベッドの上に広げその中にうずくまっていた。その中心には、パーカーのみを身にまとったぼんじゅうるが、昂る自身を慰めている。
「ぼ、さん、、はぁ」
「へへ、初めへの割にはいっい感じでしょぅ?」
巣作り、かわいい、俺の匂いを集めてる。
「ぼん、さん、かわいい」
「へへへ、」
トロンと笑う恋人。我慢できなくなった俺は上着を脱ぎ捨てベッドへぎしりと上がった。
「ドズルさん、おれ、ここ、噛まれていいよ。怖いけど、それはちょっと、あの時思い出しちゃうだけだから、大丈夫だよ」
ぼんじゅうるは、そういうとゆっくりと首のチョーカーを外しベッドの下に投げやった。
髪の毛をかき上げ、項を露わにする。そして、色っぽい声で
「噛んで?」
とドズルを見つめた。
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コメント
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続きも素敵すぎるお話でサイコーです❗️