テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

🐸「うっっっっっっわ……」

🧸「ほんまに嫌そうな声出てるww」

🐸「嫌っていうかね、腹が立つ。」

🍄「腹が立つwww」


果たして千流がどうしてこうなっているのか。その理由は簡単である。

有兎家の日めくりカレンダーには2月14日と書かれている。そう、今日はバレンタイン。この日は有兎家でも戦争が起こる。

帰ってきた陽桜と文悟は両手に2つ3つずつほど紙袋を掛け、そのいずれからも綺麗な包装紙が顔を出している。


🦂「重たーい……チルにぃちょっと手伝ってや〜」

🦩「俺のも手伝って〜、あえじくーん?」


こんなふうに帰ってきた二人を見て、冒頭の千流の言葉である。


🐸「あんたたち相変わらず貰ってくるねぇ……」

🦂「いやほんとに、大変。」

🦩「おかしいんよな、なんで俺らにチョコ渡す時間が設けられてんの、しかも前後1日ずつ。」

🍄「一大イベントやからね。そらカフェ側も用意するやろ。お客さん増えるし。」


そんな話をしながら、リビングまで紙袋を運んでくる。まぁまぁな重さの紙袋が九つ。この二人はどこまでモテるのだと千流は大きくため息をつく。


🍬「え、ちなみにだけどさ。どれを誰からもらったとか覚えてるの?」

⚔️「それ覚えてたら怖いってこの量は」

🍬「例えば僕のクラスの花山ちゃんとか?今日渡すって意気込んでたけど」

🦂「花山ちゃんって花山理央ちゃん?ならこれだね」

🦩「きっしょ?!流石に俺わからんで?!」

🍬「あー、それやな……えぇ、こわ……フルネームも覚えてんの?こわ……」

🐸「すこぴょん、ほんとに記憶力どうなってんの?」

🦂「えー、いやなんか別に、覚えようとしたとかもないんよなぁ……」

🧸「よりきもいな」


陽桜の意外な才能に、兄弟全員が少し引き気味に陽桜を見る。そんなに覚えられているなら、モテるのも少し頷けるようなところもあるかもしれない。

陽桜と文悟の二人は、ここまででもわかった通りかなりモテる。他の兄弟たちもそこそこモテてはいるだろうが、この二人は頭一つくらい抜きん出てモテるのだ。


🍄「さそりお前、俺も覚えてないのに……」

🧸「その量で?!覚える気なさすぎるやろ」

🍄「あえちゃん?!」

🍬「なめちゃんww」

🍄「ぬこちゃんは覚えてんの?」

🍬「そりゃあねぇ、この量だし……」

🐸「悲しいねぇ」

🍬「チルにぃそれが一番刺さる……悲しい……」


高校生組3人が貰ったチョコの量はトントン。三人とも多くなく少なくもない。

ずっと家にいる千流と阿英の二人はもちろん0個である。


🍬「チルにぃさ、モテたい欲とかあんまないよね?」

🐸「ないこたないでしょうよそりゃあ。モテられるならモテたいよ?俺だって」

🧸「そりゃあねぇw」

🍄「あえちゃん?」

🧸「お前は黙っとけよほんま」

🍄「あえちゃん彼女とかいr((んぐ」

🧸「どしたんなめこ〜^^」

🍬「可哀想になめこくん……w」


相変わらず菜瑚芽は阿英に粘着しているが、阿英にいい感じに流されている。もうそれが日常なので、他の兄弟たちもツッコむようなことはしない。

陽桜と文悟が貰ったチョコから瑠羽斗が数個つまんで食べている。それを見た雅もクッキーやらチョコレートやらをパクパクと口に放っていく。


🦂「美味しい?」

⚔️「うん」

🍬「おいひーい。あ、これ絶対手作りや残しとこ」

🦂「手作りは流石に俺が食べるわw」

🍄「あーずるい俺も食べるー」

🐸「夜ご飯食べれるようにしときんね」

🍬「だいじょぶー!」

🐸「あんたには言ってない」


そんな話をしながらチョコを食べていれば、希那や泰、翔狗も帰ってきた。

袋が九つあったって、有兎家はぺろっと食べてしまう。そりゃあ家に十人もいるんだから。

こういうところが、大家族のいいところの一つかもしれない。自分の取り分が減るという意味では悪いところの可能性もあるが。


❄️「なんでさそりくんと文鳥はこんなにモテるの?」

🦩「俺に聞かれてもわからんよ。さそりくんはもうなんか、性格と顔やろ」

🧸「お前は顔だけやな」

🦩「は?なんてこと言うん???」

🍄「事実やろ……w」

🍬「まぁ、文鳥にぃの性格で好きなところはないね」

🦩「いじめやぁ〜!たいさんこれいじめや〜!」

🦔「文鳥にだっていいとこあるもんね」

🏋️「文鳥のその性格を好きな人もどっかにいるもんね」

🦩「しょーぐんさんギリフォローになってへん気する」

⚔️「顔がいいだけいいやん……」

🦩「ばとるくんちょっと悲しそうに言わんといて?」


文悟と陽桜が外で働く限り、毎年この日にはたくさんのチョコやクッキーを持って帰ってくることだろう。その度、兄弟たちの絆も深まっていくんだろう。


❄️「俺なんか誕生日プレゼントって渡されてるからね」

🦂「え、バレンタインじゃないよってこと?w」

❄️「何も言えんやん、誕生日プレゼントって言われたら……」

🍬「悲しいねきなちゃん……」

loading

この作品はいかがでしたか?

7

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚