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あれから数日経つが事務所に言っても、門前払いされてしまい会えない始末
アザミは今仕事を長期お休みしている
それにカラスバの話をすると不機嫌になり怒り出す為、相談することも出来ない
『はぁ……ん?』
ため息をつきながら夜道を歩いていると、目の前に白塗りの高級車が止まる
そして高級車から薄紫色の可愛らしい髪を揺らしたユカリが現れる
『え?ユカリ…さん?』
「お久しぶりですわ、シオン様♡」
「まぁ!カラスバ様も酷い方ですわね…!!こんな可愛らしい方を避けてしまうなんて…」
『いや…私が悪いんです……その、ユカリさんならなんとか連絡取れないかなって…』
「勿論可能ですわよ!なんなら直接対面させることも」
『ほ、ほんとですか!?』
その言葉にシオンが嬉しそうに笑う
「ですが、条件がございますわ!」
『えっ?』
ユカリの言葉に後ろにいたメイドが頭を抱えていた
───数日後
「上位ランカーの皆様!この度はユカリによるユカリの為のユカリトーナメントへ参加ありがとうございます♪」
ユカリの前に集められた上位ランカー達
DJ4のタラゴンに人気配信者カナリィ
ジャスティス会のムクにシロー
MZ団のガイにセイカ
そしてサビ組のジプソにカラスバ
目の前のスクリーンにはトーナメント表が出来ている
そしてユカリがこのトーナメントについて説明をしていた時だった
──ロトロトロト
「わりぃ、ちょっといいか?」
「ええ。」
ガイのスマホロトムが鳴り電話に出るガイ
「えっ!?暴走メガシンカ?わかりました」「また作戦立てて向かいます」等と話している
相手はマスカットさんだろう
そして電話切るとユカリの方を見る
「折角の所すまねぇけど、オレとセイカは棄権させてもらうぜ」
「それはどういうことで?」
「招待してもらった所すまねぇ、セイカ行くぞ!」
そう言ってユカリを置いて出ていくガイは相変わらず肝が据わっているように見える
ユカリが後ろにいるメイドに追いかけるよう目線を送り、メイドが困ったような顔をしてすぐに追いかける
「…なんや人揃わんのやったら意味ないやん。オレらも仕事があるし、帰らしてもらうで」
「お待ちくださいまし」
「!?」
部屋一体がピンク色のバトルゾーンに似たゾーンに囲まれる
「ガイ様達が戻られるまで、此方にて過ごしていただきますわ」
「監禁やないか阿呆!!仕事があんねん!!」
「それなら、セイカ様にでも戻ってくるようご連絡くださいまし♡」
そう言うと笑いながら裏へ戻るユカリ
ユカリがこう言えば自分の意見を曲げないのはよく知っている
溜息をつきジプソと共に近くの席へ座る
幸いその後ちょっとしたショーや豪華ディナーでもてなされた為案外退屈することはなかった
ただ仕事ができないという点以外は
「チッ、今日は商談も入っとらんし良かったけど……」
セイカとバトルができると聞いたのに肝心のセイカがいないのでは意味が無い
それにシオンの事も何も解決していない
今もシオンが事務所の前に来ていたらどうする?アイツの事やからジプソにでも追い払われん限り暑い中待っとる可能性が……
「クソッ………!!」
イライラし足を小刻みに震わせていると横から「デ、デザートです」という声が聞こえる
「あ?デザートなんか頼んどら──」
目の前に差し出されたデザートを見て息を飲む
それはシオンに渡したはずのカードだったから
ふと声も聞き覚えがあると思い、バッ!と振り向くとそこには少し顔を赤くしたメイド服のセイカが立っていた
「なっ………」
『…デザート……受け取って下さい……』
「何しとんやお前!!」
『ひっ!?』
つい怒鳴り、そのままカードをシオンに渡そうとするがシオンは一向に受け取らない
「お、おまっ…ユカリに負けたんか!?」
『いやっ、その…カラスバさんに会わせてくれるから、その代わりにって……これ……』
そう話すシオンの言葉に頭を抱える
まんまとあの女にやられたという訳か
ヌーヴォの兄ちゃんの件といい、此奴はとことん良いように使われるな
胸が大きく開き、短いスカート、そして極めつけはガーターベルトと来た
「(あかん、ごっっっつオレのタイプや)」
どう見てもユカリはオレをからかって楽しんでいる
ほんま覚えとけよあのイカレポンチお嬢様が
ふと周りを見るとそんなシオンを、他のMSBCの男が顔を赤らめ見つめている
背は低いが胸もしっかりあるし、スタイルも、顔も良いシオンは男達の格好の的だろう
「……これ着とけ」
『えっ、で、でも…』
「着とけ言うとるやろ」
『は、はひ……』
シオンに自分のジャケットを被せ前をしっかり止める
そして周りのMSBCの男達に睨みを利かせると、MSBCの男達はバツが悪そうに顔を逸らす
『(凄い…カラスバさんの匂いだ……いい匂い……)』
スンスン、とジャケットの匂いを少し嗅ぎ顔をあからめる
「(あかん!コイツ前何されたんか分かっとんか!?あかん可愛い、ほんまになんなんやコイツ!!)」
『…あの、本当にごめんなさい……私カラスバさんの気持ち全然分からなくて、もうあんな事しないから…嫌いにならないでください』
服をぎゅっと捕まれ、潤んだ瞳で訴えかけられる
「(ちょ、あかん!ジプソ!!)」
ジプソに視線を送るが、ジプソは出てきたデザートに夢中
そんなジプソをどつきたくなる気持ちを抑え、理性を保つため息を大きく吐く
「気にしやんでええ。謝るのはオレの方やし」
てか『嫌いにならないでください』とかもうこれ脈アリとちゃうんか?
やけどどう確認したらええんや…そもそもあんな風に傷つけておきながら何言うとんやオレは
『…あの…良かったら、事務所にまたお邪魔しちゃ駄目ですか…?』
シオンの誘いに少し胸が高鳴るが、また自分が何をしでかすか分からない
これ以上シオンを傷つければ、シオンもだが自分が自分を許せなくなる
「…すまん、しばらくは……」
『あ……そう、ですか…ごめんなさい……』
落ち込むシオンに胸が苦しくなる
『(やっぱもう好きって伝えたらいいかな…でもこんな人目が多いところで!?)』
一方シオンはシオンで色々悩んでいた
きっと両思いなのは分かっているし、好きと言えばカラスバさんも安心してくれるはず
だけどこんな所で!?
折角なら2人きりになって言いたいのに…!!
いやでも悠長なこと言ってられないか…
『っ、カ、カラスバさん…!』
「ちょッ!?近ッ…!?」
『私…カラスバさんの事───』
───ダンッ!!
『「え?」』
勇気を振り絞り、カラスバの服を掴み好きと伝えようとした瞬間だった
カラスバとシオンの間を割くようにパフェが置かれた