私はついに垢抜けの為に家から旅にでた。
ダンジョンはレアドロップなどで、垢抜けに使えるものも多い。むしろ危険ではあるから、質の良い美容グッズが眠っているだろう。
初めてのダンジョン探索に挑むその日、エネアは僅かな緊張感を抱いていた。
しかし彼女にはそれを上回るワクワク感が広がっていた。
「使用人さん達…。私、断罪されるくらいなら、ダンジョンで垢抜けしながら暮らすのが一番楽だよ…。」
装備は、自分の家の騎士達が持っていた剣の予備を借りた物。それに絶対防御を付けて強度と切れ味を底上げした物である。
服は動きやすい使用人の服と一応フードを被って最低限顔を見えなくしているくらいだ。
「初めての方ですねー!初めての方は一層の浅めのところがおすすめですよ。ダンジョンの中で住むのでしたら、止めはしませんよー」
雑!?
そう思いながらも、ダンジョンの入り口に立ったエネアは深呼吸して一歩を踏み出した。
内部は暗くジメジメしていたが不思議と怖さは感じなかった。
「…死なないように気をつけなきゃ。」
勿論、エネアは、絶対防御とストイックに訓練し続けた為、レベル1で一層はそこそこ余裕でクリアできる強さを手に入れていたのだったが…。
エネアは気付かず、ダンジョンを進んでいく。
ダンジョンの奥に着くと最初のモンスターが現れた。小さなゴブリンだ。エネアは一瞬身構えたが、ゴブリンの攻撃は跳ね返されていた。
全く痛くない。ゴブリンが驚いて固まっている間にエネアはゴブリンを素早く切り殺した。
「以外とゴブリンって弱いんだなあ…」
群れで出て来たゴブリン達の攻撃を安心して避けながら、エネアは4.50匹のゴブリンを切り殺して行った。
「最初は驚いて避けれなかったけど、避けるのも余裕だね!絶対防御が効かなくなった時の為に逃げる経験も積んでおかないと!」
奥に進んで行くにつれ、モンスターの数も、種類も増えているのだが、速攻でエネアは倒していく。
今度はオークと戦い始めたのだが、オークの攻撃力の高さで壁にオークの斧の衝撃波でダンジョンの壁にヒビが入って落石も少しある状況の攻撃を何とか避けたが落石がエネアにぶつかる。
「…本当に絶対防御あってよかった…。」
無かったら、身体が潰れてモザイク状態になっていた。そんな事を考えてから、エネアは不満げな顔で、オークを切り刻んだ。
「ぐが!?」
「あれ…?流石にちょっと硬いね。まあ、本当にちょっとだけど。ゴブリンよりは硬い…。」
オークを倒した後何か落ちていたので、エネアは歓喜する。
「…!何だろうこれ…?もしかして…!レアドロップ!?」
『魅了無効の指輪
+効果
魅力を無効する。しかし周りを魅了する。
+回復魔法が使えるようになる。』
…。あまり使わなそうだが、エネアは付けた。
痩せてはきたが、お世辞にも綺麗とは言えない見た目だ。目付きも、髪のベタつきも、喉が傷つき掠れた声も、管理されきっていないボサボサの眉毛も。その上、ニキビは減って来たが、毛穴や、大きな顔、そばかすなど、まだまだ問題が山積みだ。その状態で会っても少しは対応がましになる。そう。今の状態で一番欲しいものである!
「よし。付けよう。そして…そろそろ休んでおこう。ラスボスと戦う前に体力無くなったら大変だからね…!絶対に髪サラサラになるやつ、手に入れるんだから!」
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