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静かだった。
たったひとりの空間。
それなのに、呼吸の音が、心臓の音が、やけに大きく響いている気がする。
指先が、頬にふれて。
膝の上に置かれた手が、そっと指を動かして内山の体温を探ってくる。
内山昂輝:「……入野さん、ほんとに……やめた方がいいって……」
入野自由:「……どうして?」
内山昂輝:「俺……ちゃんと返事できる自信、ないんで……」
そう言いながらも、拒絶の動きはなかった。
視線を逸らしながら、唇がかすかに震えている。
入野自由:「……なぁ、内山。好きって気持ちに、“今すぐ答えろ”なんて、誰も言ってないよ」
内山昂輝:「……でも」
入野自由:「でも、今……俺のこと、嫌いじゃないんでしょ?」
内山は、言葉に詰まった。
そして――ゆっくりと、顔を上げて入野を見た。
入野の目は、真剣で。ふざけた色なんてどこにもない。
あまりにまっすぐで、眩しくて、苦しくなるくらいだった。
内山昂輝:「……嫌い、じゃ……ないです」
その瞬間だった。
自由の手が、頬から首筋へと滑り落ちて、
距離が、ゼロになった。
――唇が、ふれた。
やわらかく、でも逃げられないほど深く。
一瞬だけ、時間が止まったようだった。
驚きに息をのむ内山の唇を、そっと味わうように触れる入野のキス。
内山昂輝:「……っ、ふ……ん……」
無意識にまぶたが閉じていた。
理性は「逃げろ」と叫んでいたのに、体はもう抗えなかった。
キスが離れたあと、
自由がにやりと、でもどこか安堵の混じった笑みを浮かべた。
入野自由:「……内山、やっぱり、可愛い」
内山昂輝:「……バカ……」
そう小さく呟いて、真っ赤になった顔を隠すように肩をすくめた。
どれにしましょう?