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律は救急箱を閉めるような仕草で、軽く息を吐いた。
そして、ごく自然に口にする。
「……よく頑張りましたね」
その一言は、まるで意識していないような、何気ない声色だった。
けれど、華の胸に深く響いた。
「っ……」
涙がまた溢れそうになる。
悔しさでも悲しさでもない。嬉しさがこみ上げてきて、頬を濡らした。
「……私、もっと頑張ります」
震える声でそう告げると、華は涙を拭いながら、小さく笑った。
律は驚いたように目を瞬かせたが、すぐに視線を逸らした。