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学校のチャイムが鳴り、放課後の教室はいつもの喧騒に包まれていた。
翔は外では人気者として笑顔を振りまくが、心の中では今日の21:29を待ち焦がれていた。
紬も静かにノートを閉じ、教室を出る準備をする。クールな顔の下には、少しだけ期待と緊張が混じった表情が見える。
二人は、夕暮れの神社のベンチで再び向かい合う。
「翔…」紬が小さく呼ぶ。
「うん、紬」翔は穏やかに応える。
21:29――二人にとって、最初の思い出の時間。
あの日、偶然出会ったベンチで、互いに素の自分を見せ合った瞬間から、ずっと特別だった。
「ねぇ翔…今日も約束しよう」紬が手を差し出す。
「うん。どんな日でも、ここで会えば本当の自分でいられる」翔も手を重ねる。
二人の手が触れ合い、指が絡む。外では見せられない感情も、この時間では隠さなくていい。
翔は心の中でいつもの歌詞を思い出す。
“This is for you, you’re my dream, always be my side”
_ただ君と一緒に居たい。もう嘘はなし、真実だけ。_
「紬…俺、これからもずっと、君と21:29を過ごしたい」
紬は少し顔を赤らめて笑う。「私も…翔となら、どんな時間でも大丈夫」
夕日が沈み、街灯が一つずつ灯る。二人の影が長く伸び、まるで未来への道を照らしているようだった。
翔はふとつぶやく。「21:29は、ただの時間じゃない。俺たちの記憶で、希望で、未来への約束なんだ」
紬も頷く。「ここでなら、怖いものなんてない。学校でも外でも…翔とならずっと私でいられる…」
二人はゆっくりと顔を見合わせ、笑顔を交わす。外の世界での仮面も、すれ違いも、もう怖くない。
21:29――二人の最初の記憶であり、二人だけの時間であり、これからの未来をつなぐ時間。
夜風が頬を撫で、葉のざわめきが静かに二人を包む。
翔は心の中で最後に一度つぶやく。「紬、これからもずっと、21:29で俺たちだけの時間を守ろう」
紬も同じ気持ちで手を握り返す。「うん、永遠にーー私たちの21:29」
星が一つ、また一つと瞬き、二人の秘密の時間が夜空に溶け込む。
二人の心は、21:29の奇跡によって永遠に結ばれた。