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おまけ タンポポの言い分
その日、墨兎に摘まれたタンポポは、思っていた。
(こいつ、いつも唐突だな)
断りもなく根元をつかまれ、断りもなく葉をもがれ、断りもなく口へ運ばれる。
タンポポにも、言いたいことはある。
(俺だって、好きでこの場所に咲いたわけじゃない。水路の近くの、ちょうどいい湿り気と、ちょうどいい日当たりを探して、ようやくここに根を張ったんだ)
(それを、お前は「うまいよな?」の一言で済ませる気か)
墨兎は気づかない。
もう一本、隣のタンポポに手を伸ばしている。
(おい、次は俺の隣のやつかよ。せめて一言、「いただきます」くらい言え)
その時、青鱗が呟いた。
「お前も、それを食べて生きてきたのだな」
タンポポは、わずかに(と言っても誰も気づかないほどに)誇らしげに茎を伸ばした。
(聞いたか、墨兎。青鱗の方が、よほど物分かりがいいぞ)
だが、青鱗はすぐに続けた。
「私は、蒲菜の方が好きだ」
タンポポは、しおれた。
(……それは、それとして、傷つくな)
~本当の完~
コメント
1件
あはは、タンポポにこんな言い分があったなんて(笑)。墨兎の「うまいよな?」の一言で片付けられる切なさよ。でも青鱗の「蒲菜の方が好きだ」でしおれるラスト、思わずクスッとしました。キャラ同士の関係性がほの見える、ほっこり番外編でした。