テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
サメくん
870
あれから、1週間が経った。
悠はこの間、学校を休む事が多かった。
“女優”の仕事が忙しかったからだ。
すると、悠のスマホからメールが届く。今から、防音練習室に向かってほしいとのことだ。
____________
悠が着いた頃にはもういつもの4人と、生徒会騒動の時に会った少年…衣更真緒がいた。
真緒とあんずが挨拶をしている。
悠は少し待ってからドアを開いた。
「すみません。お待たせしました。」
「あっ!オッキー、来たな☆」
「時間通りだから大丈夫だよ、月丘くん。」
すると、真緒が悠に振り向く。
「おっ、お前はあの時にあったよな、改めて、これからよろしくな!」
「はい!」
そして北斗が区切りをつけるように言う。
「よしっ、全員揃ったな、レッスンを始めるぞ。」
_______________
レッスンが始まってから随分と時間が経った。
あんずが悠に小声に話しかける。
「…みんなに差し入れを作らない?…いいですね!早速行きましょう!」
あんず、悠が小走りに行く。
_______________
「できた!」
あんず、悠が同時に言う。
できたのは、「レモンの蜂蜜漬け」だった。
「あんずさん、料理上手ですね!俺は助けられてばっかりでした、。」
「…そんなことない?むしろ才能がある?……えへへ、褒めてくれてありがとうございます。」
「ん〜、でも何かが足りない…」
あんずがキラキラした目で言う。
「えっ!私も思ってたですか?…あはは以心伝心ですね。」
温かい雰囲気になる。
すると物陰からかさかさっと音が聞こえた。
あんず、悠が振り向く。
すると、そこには、黄色のメッシュをした小柄な男の子がいた。
「わわっ、!隠れ身の術がバレちゃったでござる!」
「隠れ身の術??」
「あっ!えっと、!そうじゃなくて、、 」
「拙者は仙石忍でござる!ガーデンテラスから何やら美味しそうな匂いにつられちゃって……何を作ってるんでござるか?」
「俺は月丘悠です、こっちはあんずさん。今は、レッスンの差し入れを作っていたんです。」
あんずが続けて言う。
「…でも何かが足りなくて困ってる?……それなら忍者の非常食、兵糧丸はどうでござるか?」
悠がそれだー!と言いそうな顔で言った!
「兵糧丸…いいですね!疲労回復に効きますし、それに腹持ちもいいです!」
「おぉ、月丘殿!詳しいでござるね!もしかして忍者に興味があるんでござるか?」
忍がキラキラした目で見てくる。
「はい、少しは?」
「わー!!そしたらぜひ、忍者同好会に…って月丘殿はプロデュース科だから無理かも?」
「でも、もし時間があったら一緒に忍者について語り合いたいでござる!!」
「はい!」
(どうしよう。今、時代劇でくノ一の役をやってるから……なんていえない。)
悠が区切りをつけるようにこほんと咳をする。
「あんずさんは、兵糧丸どうですか?」
あんずはもちろんと頷く。
「よしっ!では、早速兵糧丸作り開始でござる!」
_____________
「できた!」
あんず、悠、忍が同時に言う。
「えへへ」
忍が笑う。
「最初緊張したでござるが、あんず殿と月丘殿と一緒に作れて楽しかったでござる!」
悠が笑顔で言う。
「俺もです。」
あんずも激しく頷く。
「っと、そろそろ拙者戻らないと…」
「では、あんず殿、月丘殿またでござる!」
あんず、悠は忍の姿が見えなくなるまで手を振る。
「よしっ、俺たちもそろそろ戻りましょうか。」
________________
ガーデンテラスの調理室を出ると、金髪のチャラチャラした男があんずに話しかけてきた。
「あっ!君がプロデュース科に転校してきたあんずちゃんだよね?」
あんずに近づく。
「わー!思ってた通り、かわいいね〜!よかったら連絡先交換しない?」
あんずが困った顔をしている。
悠はそれを察知し、あんずと薫の間に割り込んできた。
「……何?男には興味ないんだけど〜」
「あんずさんが困っているので離れてください。」
「え〜、そんなことないよね〜。」
今度は手をつかんできた。
「………」
悠は、薫の手を振り払い、あんずの手を握る。
「あんずさん、こっち!」
あんずの目が開く。
「あっ!ちょっと〜!」
あんずの手は温かった。
______________
「………」
あんず、悠が調理室の戸棚に隠れている。
悠が小声で言う。
「…すみません、あんずさん。狭いですよね、ここぐらいしか隠れるところがなくて…」
あんずが横に振り、耳元で言う。
「……助けてくれてありがとう?……いいえ、当たり前のことをしたまでです。」
すると、近くから声が聞こえた。
真緒の声だ。
「ここか?あんず、月丘いるのか?俺だ、衣更だ!」
あんずがドアを開く。
「うわっ、ほんとにいるし。おまえらなんでこんなとこに隠れてんの………?」
「まぁ、ともかくほら、出てこい。手ぇ貸してやる。」
あんずが真緒の手を握る。
「ほら、お前も!」
「………はい、ありがとうございます…」
悠も真緒の手を握る。
「よしっ!さっさと練習室に戻ろうぜ、みんな寂しがってるぞ?」
悠が自分の手をみる。
(温かい。あんずさんの時もそうだった。………初めてプロデューサーと握手した時と同じ。)
「お~い、どうした月丘?」
「…すみません、今行きます! 」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!