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Episode 7B級ランク戦当日。
作戦室モニターに、 今回のマップが表示される。
《市街地C》
その瞬間。
「うわぁ……」
三上が露骨に嫌そうな顔をした。
「最悪寄りだな今回」
奈央も小さく頷く。
「かなり見通し良いですからね」
市街地C。
建物自体はある。
だが。
道幅が広い。
遮蔽物も少なめ。
射線が通る。
一度位置が割れると、 逃げ切りづらいマップだった。
かなり黒瀬メタ寄り。
その横で、 水瀬がのんびり端末を眺めている。
「今回ハウンド多そうだね〜」
「まあ入ってるでしょうね」
黒瀬は静かに頷いた。
最近かなり増えた。
というより。
黒瀬対策として、 ほぼ定番になりつつある。
「昔より露骨になったよな」
三上が苦笑する。
「最近の隊、マジでずっとレーダー見てるし」
それもかなり変わった部分だった。
最初の頃。
黒瀬の接近はかなり通った。
レーダー確認の頻度。
意識の隙。
その数秒で潜り込めた。
だが今は違う。
「まあ、最近はもう気にしてないですけど」
黒瀬が静かに言う。
「慣れた?」
「というより、“見られてる前提”で動いてるので」
かなり自然に言った。
三上が少し呆れる。
「順応早ぇんだよなぁ……」
普通ならやりづらくなる。
だが黒瀬は、 相手が警戒してくる事を前提に、 立ち回りを変え始めていた。
無理に通さない。
追われる形を避ける。
“射線が通る状況”を作る。
かなり堅実だった。
水瀬がジュースを飲みながら呟く。
「まあ黒瀬くん、最近ちゃんと待つもんね」
「待つ?」
奈央が少し笑う。
「前より無理に入らなくなりましたよね」
黒瀬は少し考える。
「……詰められると弱いので」
即答だった。
三上が笑う。
「自分の弱点隠さなくなったよなほんと」
「事実ですし」
市街地C。
見通し良好。
逃走ルート少なめ。
ハウンド増加。
かなり嫌な条件だった。
だが。
黒瀬はそこまで焦っていない。
自分がどういう状況で弱いか。
逆に、 どういう状況なら戦えるか。
それを理解していた。
奈央が端末を閉じる。
「でも逆に言えば、そこ管理できれば黒瀬くん強いんですよね」
「まあな」
三上が頷く。
「結局、“嫌な距離”維持し続けるの上手いし」
その横で、 水瀬が小さく笑った。
「あと黒瀬くん、何だかんだちゃんと点取るからね〜」
黒瀬は少し困ったように視線を逸らした。
数分後。
転送準備開始。
市街地C。
見通しの良い戦場へ、 黒瀬隊が転送されていく
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み ん と
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