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それから少し未来の話。
かちゃりと玄関からリビングへ繋がるドアを開ける。そろっと顔を覗かせると、ソファに座る大介がいた。その膝には気持ち良さそうに眠るモコちゃん。
玄関まで出迎えてくれなかったのはそういうわけか。可愛い光景にふふっと笑う。
「れーん、おかえり。おいで」
モコちゃんを起こさないように小声で大介が手招きする。
俺もわんこみたいだなーって思いながら、大介の側に近付いた。
「ただいま、大介。お疲れ様」
「ん、蓮もお疲れ」
ちゅっと頬にキスを落とすと、大介がふにゃっと笑う。
「今日は早かったんだね。ご飯は?」
「昨日蓮が作っておいてくれたやつ食べた。蓮は?あっためようか?」
「ううん、大丈夫。モコちゃん気持ち良さそうだし、そのままいてあげて」
「はぁーい」
もう一度大介の頬にキスをしてから、荷物を置いて立ち上がる。洗面所に向かいながら、リビングのあちこちで思い思いに過ごす同居猫達にも挨拶をした。
「ツナもシャチもただいまー」
こっちを見て「なぁー」と答えてくれるシャチと、しっぽをゆらんと動かして答えてくれるツナ。もうすっかり馴染んでくれたみたいで嬉しくなる。
あれから、すぐにでも同棲開始したかったけどお互い仕事が詰まっていて。その上俺の海外での長期撮影が入ってしまったから、なかなか一緒に暮らすのが実現しなかった。
海外での撮影も終わって無事に帰国し、また怒涛のように入ってくる仕事の合間を縫って引っ越しを敢行したのは俺が限界だったから。
プロポーズして婚約してるのに、その後1年近く離れて暮らして。この上まだ別々に暮らすとか意味が分からない。
物が多い大介が引っ越すのは大変だろうから、たまたま空きの出た大介の隣の部屋に有無を言わさず滑り込んだ。
それが帰国直後の話。我ながら無茶はしたと思う。
(ちゃんと相談する時間もなかったから、大介にもびっくりされたなぁ)
生活の拠点は主に、大介が元々住んでいた部屋。ツナくんシャチちゃんは慣れた環境の方がいいだろうってことで、協力しながら大介のオタク部屋をそっくりそのまま隣に移動させた。
向こうの部屋が荷物室で、こっちが生活スペースみたいな使い方をしてる。
だってせっかく引っ越したのに、常に大介が隣にいないなんて有り得ないでしょ。
手洗いうがいを済ませてリビングに戻ると、大介がモコちゃんをベッドに寝かせて戻って来たところだった。もう時間も遅いし、本格的に寝入ったみたいだ。
「れーん。ぎゅーっは?」
「はいはい。おいで、大介」
両手を広げて待ってる大介を腕の中に迎え入れる。
想いを成就させてからしばらく経つけど、未だにいちゃいちゃしてて周りを辟易させている。と、ラウールに言われた。
離れてた期間もあるんだから、そのくらい大目に見て欲しい。
「蓮、ちゅーしたい」
「ん、はい」
ちゅっと唇に柔らかいキスを落とすと、ふわんと微笑んだ大介が「もっと」とねだってきた。
うーん、そうだなぁ。
「大介、明日は何時から?」
「明日は午後からかな」
「俺もいつもよりゆっくりなんだ。そんなわけだから」
「うわっ」
大介の身体をひょいっと抱え上げて歩き出す。向かうはお風呂場。俺の行き先をすぐに察知した大介が頬を赤らめながらにやっと笑った。
「蓮のえっち」
「大介に関してはいつまでもえっちですよー、俺は」
「ふはっ、開き直ってる」
くすくす笑いながら俺の首に大介がしがみつく。釣られて俺も一緒に笑う。
これからお風呂でいちゃいちゃして、その後はベッドでもいちゃいちゃして。満足したら大介を抱きしめて寝よう。
明日はゆっくりだし、朝ごはんと、お昼も必要なら作っていってあげようかな。
これから先、どんなことがあっても。
大介と2人で幸せになるって決めたから。
病める時も健やかな時も、喜びの時も悲しい時も。いつだって大介を愛してる。
定番だけど、俺の場合は死も2人を分かつことは出来ないって思ってるけどね。さすがにちょっと重過ぎるかなぁ。だからいつかそのうち、もしどちらかが旅立つ時が来たら。その時に伝えようかな。
その日が来るまで、これから先もずっと、たくさん愛し合おうね。
ねえ、大介。愛してるよ。
Opfergabe(オプファーガーベ)は、ドイツ語で『供物』『捧げ物』を意味します。本来は女性名詞なんですが、この場合はまあありかなと。
ドイツ語なのは自分が進撃の巨人好きなだけです。Flügel der Freiheit(フリューゲル・デア・フライハイト)と聞くとときめきますw
『契約上の恋人』ではありますが、作中のさっくんは終始ずっと幸せなんです。多少歪でも願いが叶ってるので。
そんなさっくんの幸せをふっかさんに見守ってもらい、めめにぶち壊して修正してもらいました。めめは熱い男なのでそのくらいやってくれるのではないかなと。
見守りポジがふっかさんなのは、やっぱりお母さんなのでw
しかしこんなに長くなるとは正直想定外でしたw
さっくんへの想いを自覚した後のめめパートが長くなって、釣られてその後も。ダラダラ書く癖を辞めたい今日この頃。
でも思う存分いちゃいちゃさせられたので満足です。
さり気なくいわふかを登場させるの楽しかったので、また書きたいなと思ってます。
コメント
4件

はぁε-(´∀`*) 最終話は特に幸せな空気が流れてて…私の心もほっこり幸せ(*´ㅈ`*)♡ 私が書いてたヤツの一緒に住んだらの思い描いていた2人の未来のイメージがまんまだったんで、そうこの感じって余計に嬉しくなってしまいました!! 頭の中に絵として浮かんじゃいますよね 朝から幸せになりました( 〃▽〃)💕 お仕事頑張れそう!! 水瀬さん、良きものをありがとう(* ˊᵕˋㅅ)
個人的に、ふっかのポジションがすごくすごくよかったです♡今回も良きお話で心が満たされました♡また🖤🩷ちゃんのお話楽しみにしております😊