「――よくできました」
その言葉が頭から離れない。
持ち場を離れ、控室に戻った華は、ロッカーの前で思わず両手を握りしめた。
「……やった……!」
声に出すと、頬が自然と緩んでしまう。
誰かにこんなふうに認められるのは、いつ以来だろう。
それも、あの律に。
胸の奥にじんわりと広がる温かさを抱えながら、華は制服の胸元をぎゅっと掴んだ。
(もっと褒めてもらいたい……)
その気持ちが、彼女をまた一歩前へと進ませていた。
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