もちろん、この次元に住む我々には理解しがたいことだけど、それならば2次元に住む人に、空間を説明しても理解しがたいことだろう。平面以外の幅とは、2次元内の発想では決して理解できない考え方だろうからね。それなら、我々が高次元の人に「時間には過去・現在・未来の区別は本来的にはない」と言われても、理解しがたいことだよね。
まあ。でも……ちょっと都合がよすぎるような。
誤解しないでくれ、あくまで可能性を追求してるだけだよ。
わかりましたわかりました。百歩譲ってもしもそうなら、一度「真実の三角形」を誰かが思いついたら、それは「時間」に対して思いついたんであって、自動的に過去にも、今にも、未来にも存在することになるってことですよね。発想は面白いんですけど、でもやっぱりちょっと……
うーん……もうひとつパンチがほしいよな。
(二人は黙ったまま、時折ウイスキーを口にしつつ、テーブルの上を見てる)