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「お邪魔します」
昨日来たばかりの部屋に入る。
相変わらず整理はされていないけど、私が買っていったスポドリとかは飲んでくれたみたいだった。
上着を脱ぎ、ポスっと彼はベッドに座った後
「で、何。話って?」
気になっていたようで、すぐに話を切り出された。
「これから私が質問することに、嘘をつくことなく答えてほしい」
彼にとって何も利益がないお願い、聞いてくれるだろうか。
「なにそれ?」
しばらく沈黙が続く。
「そうだな。昨日、美月にはお世話になったし。良いよ?」
じゃあと言いかけたが
「俺を満足させることができたら答えてあげる」
「はっ?」
俺を満足って、なに?
「どういうこと?」
「言葉の通りだけど」
ニヤリと彼は笑っていた。
昨日とは大違い。満足させるって、卑猥なことしか考えられない私はもう彼に支配されている。
「何してほしいの?」
一応、聞いてみるも
「それは美月が考えて?」
彼の王様的態度は変わりない。
いっそ、昨日の素直な加賀宮さんの方が可愛かったかも。
でも、迅くんなのか確かめたい。
彼と《《契約》》した当初は感情もないまま、彼に身を委ねてた。
今はなぜ、恥ずかしいと心が揺らいでしまうの。
それは私が彼のことを――。
「わかった」
私は自分の着ていた服を脱ぎ、キャミソールになる。
そして、ベッドに座っている彼に顔を近づけて、唇にチュッとキスをした。
「もっと」
彼から強請られ、もう一度唇を重ねる。
「んっ……」
彼に舌を入れられ、声が漏れる。
どうしてこんなにドキドキするの?
前は割り切って自分からキスしてたじゃない。
「どうした?こんなんじゃ答えられないよ」
彼がフッと笑った。
その余裕が悔しい。
ムッとした顔をしてしまったが、私は彼を押し倒し、ワイシャツのボタンを外していった。
「どうしたの?美月。そこまでして?」
私の髪の毛をさらっと撫で、彼は笑っていた。